「いき」の構造 の商品レビュー
もっとわかりにくい本…
もっとわかりにくい本かと思いましたが、わかりやすく日本について考えさせられました。
文庫OFF
岩波文庫版と比べ、こ…
岩波文庫版と比べ、こちらの『「いき」の構造』は全注釈版です。
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粋である事の重要性もニュアンスも、関東、関西で異なる気がしており、日本人特有の感覚、思想を粋の中に探ろうとした当時の目の付け所はとても面白いと思うが、日常において粋なことが見当たらない現代においてこの本を読む意義は見出せなかった。 粋を感じたければ歌舞伎を見た方が良い。 とは言え...
粋である事の重要性もニュアンスも、関東、関西で異なる気がしており、日本人特有の感覚、思想を粋の中に探ろうとした当時の目の付け所はとても面白いと思うが、日常において粋なことが見当たらない現代においてこの本を読む意義は見出せなかった。 粋を感じたければ歌舞伎を見た方が良い。 とは言えこの本で得られた事もある。物事を、探求するには順序が大切だとする細かいこだわりや、哲学を文化、文芸と繋げる試みといった哲学者の情熱に触れることが出来た。 そして、注釈が懇切丁寧で、読み応えがある。こんなに楽しく注釈を読んだのは、初めてだ。
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父は司馬遼太郎などをよく読む普通のサラリーマンだったが、本棚に本書があったのを覚えている。「息」とか「活き」のことかと思ったと思う。 自分の本棚で、積読で仕舞ってあった本。 思ったより読みづらくはなかったが、よく判らないままの中途半端な読書になった。 判らないまま読み飛ばす処...
父は司馬遼太郎などをよく読む普通のサラリーマンだったが、本棚に本書があったのを覚えている。「息」とか「活き」のことかと思ったと思う。 自分の本棚で、積読で仕舞ってあった本。 思ったより読みづらくはなかったが、よく判らないままの中途半端な読書になった。 判らないまま読み飛ばす処に注釈があり、例えば、実在論と唯名論について簡単に説明があったりで有難い。それでも、理解が追い付かないので、事前に勉強するか、もっと腰を落ち着けて読み込まないとダメなんだろうな。 「いき」を媚態、意気地、諦めの三つの表徴から捉えている。ぱっと見矛盾している表徴と思うが、まあまあ納得できたかな。 しかしながら、哲学概念もさりながら、引用される歌舞伎、都都逸に疎いので、風景が見えないのだ。「たまたま逢ふに切れよとは、仏心にあり乍ら、お前は鬼か、清心様」という十六夜清心が判らない。 「いき」の外延的構造において、他の類似意味と区別して図解している箇所は興味深かったが、「いき」の芸術表現で縦縞が「いき」で、その他の模様は「いき」でないとされているのは、まあまあ説得されるが、納得には至らない。 結論において、この論考が十分な成果に至らなっかった由があり、では何故「いき」を対象にしたのか、また何故、本書が名著とされたのかと、疑問が残って終わった。
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日本文化に根ざした「いき」を分析することを通じて 日本人の意識の有り様を明らかにするとともに、 言語化されていない体験的な概念を分析する 方法論に優れた作品。 超さっぱり言うと、 いき=媚態+意気地+諦めで、 異性にこがれつつも、意気地と諦めによって 緊張感を保った二元性にある...
日本文化に根ざした「いき」を分析することを通じて 日本人の意識の有り様を明らかにするとともに、 言語化されていない体験的な概念を分析する 方法論に優れた作品。 超さっぱり言うと、 いき=媚態+意気地+諦めで、 異性にこがれつつも、意気地と諦めによって 緊張感を保った二元性にある。 いきなしぐさや芸術にも 二元性と節度という要素が含まれている。 意気地は武士道、 諦めは仏教的な世界観が根底にあって、 日本独自の民族性、歴史的背景を 色濃く反映しているのだそう。 「いき」の有り様もさることながら、 現実をありのままに把握することを目指した “生きた哲学”と、 それを可能にする緻密な分析の方法がすごい。 感覚的に体験されているものを 概念的自覚に導くことは、 完全には不可能ということを認めつつも、 そこを目指して言語化しようとすることこそが 学問の意義だというのも、 哲学者や文学者のすがるよすがになるだろう。 正直超難しかったけど、ノート13ページ取りつつ 頑張って理解しようとした試みは、 個人的にはグッジョブだったと思うし、 全部は理解できなかったかもだけど、 得るものも大きかったぞ。 よく頑張りました!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
(22) 哲学への造詣が深くないので読み進めるのに苦労しましたが、満足しました。 いきな人間になりたいという安直な理想から、まずいきとは何か?を知るためにこの本を手に取って読んでみたわけですが、ひとつヒントを得ました。 それは 「可能性を可能性として永遠に残すこと」 です。 また本書主題とは関係のないところで 副産物的な良い影響として 「構造化の説明能力のすごさ」と 「世の中を説明するための構造化への学習意欲」 が湧いてきました。 読んでよかったです。 本書の主題である「いきというものの構造」については本で読んで自分なりに理解するほうが私の稚拙な文章を読むより良いかと思います。
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【きっかけ】 ピアノの先生の本棚 【気づき】 感覚的なものを説明するのは大変 感覚的なものを数学図形を使って説明するのは面白い 感覚は言語に根ざしているので、古典作品内の実際の用法から探るというアプローチをとることが有効 派手と地味は好みだってのが元気出た。地面に這う根と外に広...
【きっかけ】 ピアノの先生の本棚 【気づき】 感覚的なものを説明するのは大変 感覚的なものを数学図形を使って説明するのは面白い 感覚は言語に根ざしているので、古典作品内の実際の用法から探るというアプローチをとることが有効 派手と地味は好みだってのが元気出た。地面に這う根と外に広がる葉っぱのイメージ。 【コメント】 注釈多くていいね
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昼休みで読了 果たして、いきの構造を語ることは、いきか? 何故に茶色が縦縞が粋か、説明すべきか? 茶と縦縞が粋だ という、一則多 多即一、な禅的断定のが粋では? この本で僕は、野暮に共感するところが多かった 粋を気取るくらいなら野暮に生きたいので、髪はボサボサ、シャツはク...
昼休みで読了 果たして、いきの構造を語ることは、いきか? 何故に茶色が縦縞が粋か、説明すべきか? 茶と縦縞が粋だ という、一則多 多即一、な禅的断定のが粋では? この本で僕は、野暮に共感するところが多かった 粋を気取るくらいなら野暮に生きたいので、髪はボサボサ、シャツはクタクタ、着るものに頓着しない 野暮と無粋を分けたいとも思った 媚びと意気と諦めが粋だ、そこは素晴らしかった そして、それでやめるのが粋だったろう 粋という言葉を持たない世界のアリストテレスやニーチェやデカルトを引っ張るべきではないと思ってしまう
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「粋」とは何か?ということを徹底的に哲学的に解明した一冊。マイミクさんが取り上げていたのを見て早速一読。 「序説」で「まず一般に言語というものは民族といかなる関係を有するものか」と切り出して、「粋」と英語の「chic」や仏語の「esprit」などと比較をする。外国学部出身者として...
「粋」とは何か?ということを徹底的に哲学的に解明した一冊。マイミクさんが取り上げていたのを見て早速一読。 「序説」で「まず一般に言語というものは民族といかなる関係を有するものか」と切り出して、「粋」と英語の「chic」や仏語の「esprit」などと比較をする。外国学部出身者としては知的好奇心をかき立てられる書き出しだ(と言っておく)。 たったひとつの言葉について、よくもまあこれだけの分析と思索ができるものだと感心してしまうほど、あるゆる角度から解明を試みているのが面白い。中でも、直六面体で表した分析が出色。この立体で「粋」だけでなく、「さび」「雅」「きざ」「乙」と、何でも説明がついてしまう。これは何かほかのことにも応用できそう。
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感覚的に分かっている「いき」を構造化すると、なるほどー、っとなる。 鮮やかな色よりも、渋茶系。横縞よりも縦縞。曲線よりも直線。 いきの構造を、六面体でした解説部分は特に面白かった。
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