東京湾景 の商品レビュー
ドラマ化されていますが、別物として読む方が良いかも。
出会い系サイトで出会ったふたりの、冷静さと恋情のバランス。ふたりの想い、危うい均衡を保った空気が伝わってくる淡々とした文章。ドラマ化されていますが、別物として読む方が良いかも。
zxc
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※このレビューにはネタバレを含みます
品川埠頭でフォークリフトの運転をする亮介は、出会い系サイトで涼子と出会う。涼子は偽名で、品川埠頭の反対側で働くキャリアウーマンの美緒であった。本当の名前も告げずに亮介との身体の付き合いに溺れていく美緒。 やがて偽名であることを、亮介の元彼女の真里にばらされてしまう。 美緒は「愛」など、ドラマや小説の中だけの話だと思い込んでいた。しかし、偽亮介の想いに打たれて、亮介と真摯に向き合おうとする。また亮介も火傷をするほどの傷を負った初恋から、新しい関係に踏み出していくことを恐れていたが、きちんと過去を美緒に告げ、前を向こうとする。 亮介は美緒と東京湾を挟みながら電話で、美緒に想いを伝える。 「もし、俺が、今、ここから飛び込んで、東京湾を泳いで渡って、美緒のところまで行ったら、俺のことずっと好きでいてくれる?」 頷く美緒。 もう、2人には立場や距離も関係ない。 東京湾を舞台にして、お台場や品川埠頭の情景が浮かぶ絵的にも美しい恋愛小説です。
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久しぶりに吉田修一さんの小説を読んだ。もう20年以上も前の小説なので、当時の携帯電話に懐かしさも感じながら総じて楽しく読めた。 吉田さん自身が水泳をされているからだろうか、人間の裸の肌の描写が繊細で、カーテンを締め切った部屋で男女が体を重ねているシーンなど、空気の質感や匂いまで感...
久しぶりに吉田修一さんの小説を読んだ。もう20年以上も前の小説なので、当時の携帯電話に懐かしさも感じながら総じて楽しく読めた。 吉田さん自身が水泳をされているからだろうか、人間の裸の肌の描写が繊細で、カーテンを締め切った部屋で男女が体を重ねているシーンなど、空気の質感や匂いまで感じられるほどリアルでドキっとする瞬間がある。
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吉田修一『東京湾景』 2003年 新潮社 こちらの本も20年ほど前に購入して読めていなかったものです。 実は当時、仲間由紀恵さん、和田聰宏さん主演でCXの月9で「東京湾景」がドラマ化されるということで、原作を読んでみたくて購入しました。でも読み始める前にドラマのO.A.が始まっ...
吉田修一『東京湾景』 2003年 新潮社 こちらの本も20年ほど前に購入して読めていなかったものです。 実は当時、仲間由紀恵さん、和田聰宏さん主演でCXの月9で「東京湾景」がドラマ化されるということで、原作を読んでみたくて購入しました。でも読み始める前にドラマのO.A.が始まってしまい、読めてなかったです。 映像作品を先に見てしまうと、本を読んでいてもどうしても顔や風景が映像に引っ張られてしまって。そこでしばらくたってから読もうと思っていたら20年ほど経っていました・・・汗 でも読んでみるとドラマとはかなり違っていました。原作ではなく原案だったのかな。 これだったらもっと早く読んでいても良かったかもしれないです笑 舞台は品川埠頭と対岸のお台場。 以前は僕もお台場に引っ越したばかりのCXに営業や打ち合わせでもよく行っていたし、品川埠頭はロケなどでもよく使われていたので、なんだか光景がまざまざと浮かんでくるようでした。 ドラマとはまた違った、原作ならではのドキドキ感を楽しめました。 #東京湾景 #吉田修一 #新潮社 #仲間由紀恵 #和田聰宏 #CX #フジテレビ #月9
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会話よりも肌を重ねることで互いの存在を確かめ合う的な男女が長いこと探り合いながら、真の気持ちにたどり着いていく恋愛物語。 「ちゃんとしたデート」のコース選びに関する場面や、”始まったものは必ず終わる。女が先に気持ちが薄れる場合もあれば、男が先の場合もある”的な教示にはぐっとくるも...
会話よりも肌を重ねることで互いの存在を確かめ合う的な男女が長いこと探り合いながら、真の気持ちにたどり着いていく恋愛物語。 「ちゃんとしたデート」のコース選びに関する場面や、”始まったものは必ず終わる。女が先に気持ちが薄れる場合もあれば、男が先の場合もある”的な教示にはぐっとくるものもあったが、全体的には二人の状況設定が下衆すぎてあまりにも現実感が湧かない物語だった。
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「いつもの場所で」と待ち合わせをしたふたりが、待ち合わせ場所には現れず、ただ「いつもの場所」が延々に映し出されて終わる日蝕という映画のエピソード。自分にとって待ち合わせ場所に行かなかっことが答えのように、その後、連絡をよこさなかった亮介にとっても、それが答えなのだろう。悲しい出来...
「いつもの場所で」と待ち合わせをしたふたりが、待ち合わせ場所には現れず、ただ「いつもの場所」が延々に映し出されて終わる日蝕という映画のエピソード。自分にとって待ち合わせ場所に行かなかっことが答えのように、その後、連絡をよこさなかった亮介にとっても、それが答えなのだろう。悲しい出来事の後の、ラストの展開が良かった。
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共感できたり、納得できなかったり、何だかわからない作品。相変わらず、吉田作品は、えっここで終わりが多い気がする。
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出会い系サイトで知り合った二人。 男には彼女がいて、女は名前も職場も嘘をついていた。 そんな二人が恋に溺れ始めるが、どこかお互いを信じ切れない。 いつだったかに月9でドラマ化された作品の原作。 もうストーリーもキャストも覚えてなかったので読んでみましたが、読んでいるうちに少し...
出会い系サイトで知り合った二人。 男には彼女がいて、女は名前も職場も嘘をついていた。 そんな二人が恋に溺れ始めるが、どこかお互いを信じ切れない。 いつだったかに月9でドラマ化された作品の原作。 もうストーリーもキャストも覚えてなかったので読んでみましたが、読んでいるうちに少し思い出しました。 恋にまっすぐに生きられない不器用な大人の恋愛。
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※このレビューにはネタバレを含みます
一番大嫌いな系統の本。 世の中には確かにきれいごとはないし、 マンネリ化というのは大敵。 でもどこかで人間は それに順応しようとしているわけで。 大杉とゆうこに関しては 本当に大人だと思います。 一見するとガキに見えるけど 彼らは大人。 その当たり前の光景を どこか違って見せられるのが お互いが心地いいのでしょう。 その他の人物? ただのアニマルでしょ。 アレルギーが起きる作品でした。
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「好き」というのは「心の奥でつながりたい」「ずっと一緒にいたい」というシンプルことだと思う。シンプルだから力強くて丈夫なものかと思うと、互いに大切にしないと繊細で壊れやすい。片思いでいいものなら楽だ。相手がリアルになると楽しいのに、苦しくなったり傷ついたりする。互いの「好き」とい...
「好き」というのは「心の奥でつながりたい」「ずっと一緒にいたい」というシンプルことだと思う。シンプルだから力強くて丈夫なものかと思うと、互いに大切にしないと繊細で壊れやすい。片思いでいいものなら楽だ。相手がリアルになると楽しいのに、苦しくなったり傷ついたりする。互いの「好き」という気持ちをずっと壊さずに、変わらず居られる相手を見つけることは、奇跡の出会いなんだと思う。
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