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ドイツ三十年戦争 の商品レビュー

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2016/03/01

三十年戦争の通史。シラーの『三十年戦史』と比べると、アウクスブルクの宗教和議以降のカトリック・プロテスタントの宗派対立、ハプスブルク家のベーメン政策についてはそれほど頁が割かれていないが、リュッツェンの戦いでグスタフ=アドルフが戦死して以降の戦争経過について明らかにこちらのほうが...

三十年戦争の通史。シラーの『三十年戦史』と比べると、アウクスブルクの宗教和議以降のカトリック・プロテスタントの宗派対立、ハプスブルク家のベーメン政策についてはそれほど頁が割かれていないが、リュッツェンの戦いでグスタフ=アドルフが戦死して以降の戦争経過について明らかにこちらのほうが詳しい記述がなされている。宗派対立の側面だけではなく、とくにザクセン選帝侯ヨハン=ゲオルクやバイエルン大公(途中から選帝侯)マクシミリアンなどは、実際には帝国国制維持を目標にしていたという点が強調されており、三十年戦争の対立軸の多さが詳しく描かれている。またドイツに介入する列強としてスペインの動きがかなりカバーされている点もありがたい(もちろんオリバーレスの政治手腕の評価については『リシュリューとオリバーレス』も併せて読んだほうがよいだろうが)。

Posted byブクログ