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「正しい戦争」は本当にあるのか の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2023/01/17

オトラジで取り上げられていた一冊。 石田さんとも対談して本を出されている藤原さんの著書。 こんな世界情勢だからこそ、改めて戦争について考えることの意味に思いを馳せた。 強硬な姿勢で強気に出るのではなく、バランスを取りながら対話していくことの必要性と難しさを再認識させられた。

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2020/08/24

終戦記念日を機に、どうして戦争は世界からなくならないのか、と読み出したダンナさんの本。 平和主義は決して馬鹿なことではない、と、その先を考えていくことができた。 「現実に向かうと戦争を肯定する、理想を唱えるとハト派になるって、そんなバカなことじゃない。現実の分析っていうのは、目...

終戦記念日を機に、どうして戦争は世界からなくならないのか、と読み出したダンナさんの本。 平和主義は決して馬鹿なことではない、と、その先を考えていくことができた。 「現実に向かうと戦争を肯定する、理想を唱えるとハト派になるって、そんなバカなことじゃない。現実の分析っていうのは、目の前の現象をていねいに見て、どんな手を打てるのかを考えることです」 両極端な二択だけじゃない。 もっと行動の選択肢はある。 そのことを、歴史から、現在の情勢の在り方から、知ることができた。 それが閉塞的で悲観的になっていた考えを救ってくれた。 もっと「知ろう」と思った。 もっと学びたい、と思えた。 ぜひいろんな人に呼んで欲しい。 #藤原帰一

Posted byブクログ

2016/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2003年刊行。著者は東京大学大学院法学政治学研究科教授。  力(特に軍事力)に偏った分析をしがちなこの分野の研究者の中で、リアリズムに依拠しつつ、さらに文化的ソフトパワーの意義や、ミドルパワー国家にも目配せが行く緻密さを兼ね備えた著者による国際政治分析。  少し古い書だが、ようやく追跡するに足る国際政治学者を発見した感じ。今はこれが把握できただけで十分か。  なお「戦争」は、①人命(特に自国民)と②必要な費用額が想起出来て初めて真剣にその是非が議論されるという視座は、残念ではあるが慧眼と言わざるを得ない。  現実に、現在の日本で、そのような議論を突き詰めているとは思えない。特に赤字財政で財政的限界のある日本であるにも関わらず、先の②の議論が真剣になされているとは言えないが、それはどうしてなのだろうか?。

Posted byブクログ

2016/10/16

法学部や国際関係学部で国際関係を専攻したいと思っている高校生が読むべき本 これに関心がなければ国際関係論はやめておいたほうがいい。わかりやすく落ち着いたインタビュー。

Posted byブクログ

2016/04/16

国際関係のことを考える商売の人間としては2つ欠かせないことがある。1つは兵隊に頼らず、軍事力の行使に頼らないで、状況を打開する方法があるかどうか、できる限り丁寧に考えること。これ正義とかなんとか大げさな言葉は危ない。政治各社にとっては正義なんてとてもじゃないけど簡単に信用できるも...

国際関係のことを考える商売の人間としては2つ欠かせないことがある。1つは兵隊に頼らず、軍事力の行使に頼らないで、状況を打開する方法があるかどうか、できる限り丁寧に考えること。これ正義とかなんとか大げさな言葉は危ない。政治各社にとっては正義なんてとてもじゃないけど簡単に信用できるものではない、暴力を正当化するために誰もが正義って言ってきたわけ。宗教戦争についてちょっと勉強すれば、正義なんて言葉を文字通り受け取れるわけがない。2つ目はどのような状況の下で暴力の行使が許されるのか、またその暴力行為がどんな制約下に置かれるのかということ。

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2015/05/23

国際政治についての分析はさすがだと思うが、では日本国民として次にどのような行動をとるべきか? については一言も記載がない。 護憲論については凡庸の域を出ていないと思う。

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2015/05/03

正戦論から核、冷戦、戦後日本外交を中心としたいくつかのテーマについて述べている。 一般人読者を想定し、インタビュー形式ということもあり、あっさりしていて、藤原氏の考えのポイントがかいつまんで見受けられる。国際政治や日本外交に関する本格的な書籍を読む前にざっと読んで新たな視点を得...

正戦論から核、冷戦、戦後日本外交を中心としたいくつかのテーマについて述べている。 一般人読者を想定し、インタビュー形式ということもあり、あっさりしていて、藤原氏の考えのポイントがかいつまんで見受けられる。国際政治や日本外交に関する本格的な書籍を読む前にざっと読んで新たな視点を得るのにちょうど良い本。 個人的には核に関する"インドの失敗"、ゴルバチョフと江沢民の対照が興味深かった。

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2014/05/14

インタビューをまとめた本との事で会話文で構成されている。最初は読み辛かったけど少し読み進めると慣れた。笑えない箇所で(笑)を使うのは良い印象を受けなかった。内容は非常に分かり易いと思う。 過去の戦争(主に米ソ冷戦や湾岸戦争)によって世界の歴史がどう変わっていったか等、見渡して確...

インタビューをまとめた本との事で会話文で構成されている。最初は読み辛かったけど少し読み進めると慣れた。笑えない箇所で(笑)を使うのは良い印象を受けなかった。内容は非常に分かり易いと思う。 過去の戦争(主に米ソ冷戦や湾岸戦争)によって世界の歴史がどう変わっていったか等、見渡して確認するには丁度良い。 平和が大事なのは当たり前だが、ただ暴力反対と観念に縛られ武器を捨てて丸腰になったり、様々な事象・世界の歴史から見ずに9条を世界にと叫んだり、単に「ラブ&ピース」を叫ぶのは非現実的且つナンセンス。 かと言って核武装した後の方が他国に警戒され圧力を掛けられ、逆に自ら危険な国際環境を作ってしまう上に核兵器が安いというのも嘘(弾頭だけでなく運搬等高額)。 地域紛争の介入といっても自衛隊派遣するしないという議論じゃなく、壊れてしまった政府と社会の再生のために頑張る事が現実的に必要。 内戦の火種になりかねない問題の仲裁に入るなど地味な作業をの一つ一つに向かい合う事が大事。 そもそも「平和か戦争か」とか、「護憲か改憲か」とか「派遣するかしないか」とか、着眼すべき・論ずるべきはそこじゃない、という点が最も伝えたい事のようだった。 単に武器を捨てればいい・武装すればいいという話じゃなく、一つ一つの問題を丁寧に分析して解決させていく事が必要。いかに少ない犠牲に抑え どのような長期的な対策を練るか、いかに紛争が起こらないように防ぐか を考えなければならない。 ルールの上ではなくモラルとして「武器や軍隊を減らす」事が第一。 それが奇麗事じゃなく当たり前だという社会は在り得るのだと。 確かに私も平和か武装か叫ぶのはどちらも極端に思えて、「そこじゃないでしょ」と腑に落ちなかった為「そうそう、こういう話がしたいし知りたかったんだ」とすんなり思えた内容だった。

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2012/01/18

(「BOOK」データベースより) 戦争は正義か、それとも必要悪か。フセインを倒すために戦争は必要だったのか。平和のために戦争は必要なのか。根源的な問いに気鋭の国際政治学者、藤原帰一がすべて答える。

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2011/08/07

▼戦争を否定すると、その否定された戦争を行う違反者に制裁を加えることは「正義」となる。つまり、戦争を違法化することは、「正しい戦争」と表裏一体の関係にあるのである。 ▼だがそうすると、恣意的な平和のための「正しい戦争」が行われる事態も想定される。そして「私たち」を絶対化してしまえ...

▼戦争を否定すると、その否定された戦争を行う違反者に制裁を加えることは「正義」となる。つまり、戦争を違法化することは、「正しい戦争」と表裏一体の関係にあるのである。 ▼だがそうすると、恣意的な平和のための「正しい戦争」が行われる事態も想定される。そして「私たち」を絶対化してしまえば、否定される「彼ら」が生まれてしまうだろう。そうしないためには私たち一人一人が規律や倫理観(モラル)を内面化していくしかない。 ▼国際関係においては軍事力が不要であるとは言えないだろう。だが、軍事力の行使に頼らない状況の打開策を模索する――著者の藤原氏が述べるように、大切なのは戦争の「正しさ」どうこうではなく、平和に対するアプローチの仕方なのではないか。 ▼勢力均衡を是認するだけの現実主義でもなく、また理想に耽る平和主義でもなく。「現実の分析というのは、目の前の現象を丁寧に見て、どんな手が打てるのか考えること。」ぜひ、この考えを実践していきたいものである。

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