イラクの小さな橋を渡って の商品レビュー
写真の素晴らしい事。 動きを自然に流れの一旦として捉えているような写真が多くて、それが池澤夏樹さんの文章と相性がよく、一致したときにすごく感銘を受ける
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淡々とした描写の中に事実の持つ強さと虚しさを感じた。あの戦争の意味は何だったのか。本当にアメリカの指導者たちは、ここまで愚かで残酷で強欲なのだろうか....日本をはじめとする西側諸国も同罪なのだが。私たちはあまりに無知なまま生きている。
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数多くの本を読んだわけではないんですが、池澤さんの文章が好きで手にとって見ました。(確か新成人にすすめるブックガイドにも載っていたので) イラクについての知識が実はさっぱりないんですよね、私。現在起きている戦争も、内情も新聞の見出し程度の知識しかなくて…。 池澤氏の戦争に対する考...
数多くの本を読んだわけではないんですが、池澤さんの文章が好きで手にとって見ました。(確か新成人にすすめるブックガイドにも載っていたので) イラクについての知識が実はさっぱりないんですよね、私。現在起きている戦争も、内情も新聞の見出し程度の知識しかなくて…。 池澤氏の戦争に対する考え方や、フセイン政権下の国のあり方、普通の人々の生活を見て感じたことなど、それが正しいのか、そうでないのか(政治的、国際的見地は色々あると思いますので)はわかりません。 ですが、とても率直な文章だと思いました。 本橋成一さんの写真が大変美しく、イラクの置かれている状況を読み解いていくうちに、なんとも切ない写真に見えてきます。 所謂西側の国が発信するニュースや情報を手にすることが多い私たちですが、これまで耳にし、目にしてきたものよりも、この一冊から遠い遠い国への関心が深められた気がします。 ミサイルを発射するアメリカ兵はミリアムたちの運命を想像しない。自分が世にも無関心な死刑執行人であること、無関心は冷酷よりも更に冷酷であること、100%無作為のこの一方的な政経は100%誤審の結果であることを知ろうとしない。だが、彼女たちと出会い、その手で育てられたトマトを食べ、市場でその笑顔を見たぼくは、彼女たちの死を想像してしまう自分を抑えることができない。 (2004年5月5日)
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「イラクは普通の国だった」。という一言が全てを表すように、どの国の人も、食べて寝て起きて・・・生きていることに変わりはないはず。そんな市井の人々の上に、今日も爆撃の恐怖が多いかぶさっているのだと思うと・・・。
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この本には戦争や死についての生生しい表現はない。 イラク戦争直前のイラクの人々を、冷静に見つめた著者のルポが続くだけ。 だけどそれがなおさら、戦争に対するイメージを鮮明にさせる。殺されたのは特殊な国の特殊な民ではなく、普通に暮らす人々だ。
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