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外国語を身につけるための日本語レッスン の商品レビュー

3.9

34件のお客様レビュー

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2017/07/01

ドイツ語、英語などと比較し、日本語との相違や日本語での思考をどうすればヨーロッパ言語にならしやすくなるかが述べられている。もしかすると、高度な文法を習得したり、思考パターンの差異を意識するには、中学で英語を習うのは早すぎるのかもしれない、などと思ってしまった。

Posted byブクログ

2015/09/18

外国語を話そうとするとき、ふと自分が話している日本語そのものに欠陥があることに気付くことがある。「あれ」や「なんとなく」などという曖昧な言葉を使ったり、とりあえず思いついたことを思うままに喋ったり。母国語だからこそそれでなんとかごまかせるが、外国語という自分では不自由な道具を使う...

外国語を話そうとするとき、ふと自分が話している日本語そのものに欠陥があることに気付くことがある。「あれ」や「なんとなく」などという曖昧な言葉を使ったり、とりあえず思いついたことを思うままに喋ったり。母国語だからこそそれでなんとかごまかせるが、外国語という自分では不自由な道具を使うときにはそれらが障害となってしまう。 本書は外国語を話すためにはまずは日本語そのもの(話の構成の仕方や問いに対する答え方など)を立て直さなくてはならない、という考え方が根底にある。つまり、外国語を身につけるための「日本語」レッスンなのであって、この本には外国語そのものは出てこない。そのかわり、欧米人が当たり前に身につけるとされる言語技術についてが、日本語でふんだんに記されている。 外国語に関する本は数多あれど、日本語そのものに着目した本も少なかっただろう。そしてこの着眼点は自分もなんとなく大事だと思っていたことなので、とても興味深く読むことができた。良著。 ◼️p26-27 「おめでとうございます。今日のジャンプはどうでしたか?」すると、さすがベテラン通訳は冷静なもので、「おめでとうございます。今日のジャンプは、素晴らしい大ジャンプでしたね。このジャンプについて、あなたはどう考えていますか?」と、即座に言葉を補って、具体的な質問に変化させていたのです。そして、選手が長々と「今日のジャンプ」についての自分の考えを披瀝すると、通訳は再びすました顔で、「自分でも会心の出来だったと思っています。最高の舞台でベストを尽くせたことを嬉しく思います」などと、かなりはしょって「どうでしたか?」でアナウンサーが求めていたと思われる言葉のみを部分的に取り上げて通訳していたのです。 外国語を単に使うだけじゃなくて、それで「コミュニケーションをする」というのなら、上記のように日本語の使い方についてももっと省みる必要があるだろう。この本はそのきっかけと多くの役に立つヒントを与えてくれるはずだ。

Posted byブクログ

2015/08/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文字通り、外国語特に欧米系言語を身につけるための中間日本語のレッスンのうち、表現形式のレッスン。これを外国語教育として日本語でやるのは素晴らしく意味があると思う。が、日本語に主語と目的語を導入せよ、は今一つ同意できないし、話題がかみ合わずに延々話すコミュニケーションが無意味だとも思わない。試験としては、これらの言語技術教育はやはり外国語教育及び科学教育であり、日本語教育とは別物のように思う。(国語の時間を減らして言語技術教育にあてることがあってもよいとは思うが。)

Posted byブクログ

2015/04/05

http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=04988 , http://www.laitjp.com/

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2014/02/23

この本は、『論理的な表現を身につけるための日本語レッスン』であるべきなのではないか、と思う。 もし、そうだったら、本書に対して素直に納得できたし、星も5つ、躊躇することなくつけただろう。 もちろん、本書で紹介されている言語技法は、どれも大事だ。 身につけておいて、損をすることは...

この本は、『論理的な表現を身につけるための日本語レッスン』であるべきなのではないか、と思う。 もし、そうだったら、本書に対して素直に納得できたし、星も5つ、躊躇することなくつけただろう。 もちろん、本書で紹介されている言語技法は、どれも大事だ。 身につけておいて、損をすることはないものだろう。 だが、外国語を学んでいる立場からすると、違和感を感じる部分がある。 私が最も違和感を感じるのは、外国語は論理的なコミュニケーションを重んじると一元化した議論が繰り返される点だ。 例えば、質問を具体的にせよ、という内容。 くどいようだが、もちろん、その技術を身につけることの大切さは、よく分かる。 それは、相手から情報を効率よく引き出すという、そういう目的がある場合において、だ。 けれども、筆者が力説する外国語の中でも、例えば英語であったとしても、「How was the concert?」、「What is he like?」などと、アバウトな質問は可能だ。 むしろ相手に好きなことをしゃべってください、と下駄を預けてしまうような聞き方が、彼女が論理的だと力説する英語にさえある。 私にとって疑問でならないのは、どんな状況でも論理的なコミュニケーションのモードであるのではなく、場合によっては、相手に下駄を預けるようなアバウトなコミュニケーションのモードもあるのではないか、ということだ。 更には、外国語の学習にとっては、その言語ではどういう状況で論理モードになり、どういう場合はアバウトモードでいいのかという、コミュニケーションのモードの切り替えという慣習自体も、学ぶべきところなのではないか、ということなのだ。 論理的コミュニケーションの大切さはよくわかる。 その必要性を力説する余り、なのだとは思うが、言語という文化についての理解があまりにも単純化されるのが、どうにも残念。 ゆえに、星一つ減。

Posted byブクログ

2013/08/31

日本の教育には、言語技術(language arts)が足りない、という、ぼんやり感じていたことを明らかに書いてくれた本。 内容は至極納得。外国語を身につけるため、だけでなく、仕事を円滑に進めるために必要なコミュニケーション技術と思いました。日本人でも、仕事ができる人はできている...

日本の教育には、言語技術(language arts)が足りない、という、ぼんやり感じていたことを明らかに書いてくれた本。 内容は至極納得。外国語を身につけるため、だけでなく、仕事を円滑に進めるために必要なコミュニケーション技術と思いました。日本人でも、仕事ができる人はできている。と思う。 私の周りに、言語技術スキルの高い人がいて、なぜ自分ができてるか理由を教えてくれた。ハードな登山が趣味なため、緊急時に即座に必要なコミュニケーションが取れないと命に関わる、というシーンがあって鍛えられているから、だそうだ。とすると、緊急病棟の先生も同じなんだろうな。 自己理解のツールである、MBTIの先生が、緊急病棟の先生の教育を行っていると言っていたが、その話はこの本で言っていることと関係しているように思う。この本の中に、言語技術スキルを高めるためには自分の意見を持つ必要がある、とあったが、自分の意見を持つには、自己理解が必要だと思うので。 この本に望むことではないかもしれないが、根拠となる統計情報が欲しい。どの国では言語技術の教育がどれだけなされていて、どこではなされてないのか。違いは何か。など…。

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2013/03/17
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※このレビューにはネタバレを含みます

 日本人と欧米人では考え方が根本的に違う。思考は言葉に影響される。英語やドイツ語などでは主語が無ければ文が成立しないのに対して、日本語は、主客合一の、曖昧で、抽象的な文が成立し、むしろそこに価値を見いだすことがある。  したがって、日本人は曖昧を好み、欧米人は明確を好む。たとえば絵画鑑賞をしたときに日本人は「きれいね」という感想を述べるだけで満足するが、欧米人は、どこが「きれい」だったのか、あるいは、どこが「きれい」ではなかったのか、分析的に対象を捉えるのである。  現代のグローバル化された社会の中で、日本人は欧米人のスタンダードに合わせる必要がある。そのためには、欧米人の思考を司る言語技術を日本人にも与えなければならない。その役割を担うのが、国語教育のはずである。

Posted byブクログ

2013/01/23

描写の技術がわかりやすい。子供の教育に参考になる。 ・欧米の言語教育は技術教科として実施される。 ・言語技術≒ミュニケーション・スキル ・言語技術教育⇒話す、聞く、読む、書く + 考える ・言語教育は 言語技術(発信方法)と読書技術(内容形成) の2本立て ・読書技術  -再話...

描写の技術がわかりやすい。子供の教育に参考になる。 ・欧米の言語教育は技術教科として実施される。 ・言語技術≒ミュニケーション・スキル ・言語技術教育⇒話す、聞く、読む、書く + 考える ・言語教育は 言語技術(発信方法)と読書技術(内容形成) の2本立て ・読書技術  -再話(~小4)  -要約(~中2)  -分析、解釈、批判(~高3) ・描写の6原則  1)概要から詳細へ  2)空間的秩序  3)時間的秩序  4)情報整理  5)客観的な表現  6)情報の受け手の設定

Posted byブクログ

2012/09/30
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※このレビューにはネタバレを含みます

題名「外国語を身につけるための日本語レッスン」から、なぜ日本語の学習が外国語に必要なのかの疑問が出てくる。 その疑問から本書は始まる。 その答えは、「英語を話すときにまず日本語で文を組み立て、それを英訳しさえすれば話が通じるものと思ってしまいがちです。ところが、それではなかなか通用しない(P7)」からだ。 なぜ英訳しただけでは、通じないのか。欧米の言語や英語は、文法や文の構造が異なる。ものの考え方も異なる。その違いが文の組み立て方にも影響している。日本語の文の組み立て方は、欧米の言語と違うのだ。 では、日本語のどんな学習が必要なのか。本書ではそれを「言語技術」だと言っている。言語技術は、日本ではほとんど知られず学校でも教えられていない。しかし、欧米では違う。「欧米の言葉を母語とする人々は、言語の習得には技術が必要と考え、国語の授業は「言語技術」を学習する場であると考えられています。(P7)」 欧米式の言語技術を身に付け「翻訳できる日本語」を習得すること。これが、必要と説かれている。 日本語と外国語は、何が違うのか?本書では具体的に書かれている。私も読みながら、なるほど大きく違うと納得した。外人がなぜ変にうつるのか、あるいは日本人はなぜ変と言われるのかも分かり面白い。 まず、私が面白いと思った点。P26のあたりを引用する。 スキーのジャンプ競技でインタビューを聞いていると、アナウンサーは(略)「おめでとうございます。今日のジャンプはどうでしたか?」すると、ベテラン通訳は「今日のジャンプは、すばらしい大ジャンプでしたね。このジャンプについて、あなたはどう考えていますか?」と、即座に言葉を補って、具体的な質問に変化させていたのです。選手が長々と「今日のジャンプ」についての自分の考えを披瀝すると、通訳はすました顔で「自分も会心のできだったと思っています。最高の舞台でベストを尽くせたことを嬉しく思います。」などとはしょって 以上の部分を読みながら、以前から感じていた私の違和感が何だったのか分かった。外国人のインタビューのときに、外国人は1分くらいしゃべっているのに、通訳は一言二言の10秒ほど話すのを見て、不思議だった。実際は、はしょっていただけだったのだ。しかも、質問もそのまま訳さず、変化させていた点にも驚く。 なぜ、通訳は、「おめでとうございます。今日のジャンプはどうでしたか?」を、そのまま訳さなかったのだろうか?英語に「どうでしたか?」は訳せないわけではない。そのまま訳しても良い。しかし、どうでしたか?と質問しても、外国人は困ってしまうらしい。「今日のジャンプはどうでしたか?」は、日本人同士では通用するが、よく考えるとあいまいな質問だ。例えば、今日のジャンプは練習の時と比べてよかったか?とも受けられる。また、今日のジャンプのフォームはどうだったか?、今日のジャンプの風はどうだったか?などいくらでも解釈できてしまう。だから、ベテラン通訳は、 「今日のジャンプは、すばらしい大ジャンプでしたね。このジャンプについて、あなたはどう考えていますか?」と具体的な言葉を補い質問したのだ。 このように外国語では、あいまいな言葉が通用しない。日本語では、あうんの呼吸や空気や雰囲気で通じる。このあいまいさを止め具体的な言葉に変換しなければならないのである。

Posted byブクログ

2012/09/29

日本と海外(主に欧米)での言語教育の違いを紹介し、外国語を話すためには、まず外国語に訳せる日本語を身につける必要があると主張している。 ・主語や目的語を省略しない ・結論を先に述べる ・根拠を明確にする ・説明の順序(全体から部分へ、とか) などなど。 非常に納得のできる内容で、...

日本と海外(主に欧米)での言語教育の違いを紹介し、外国語を話すためには、まず外国語に訳せる日本語を身につける必要があると主張している。 ・主語や目的語を省略しない ・結論を先に述べる ・根拠を明確にする ・説明の順序(全体から部分へ、とか) などなど。 非常に納得のできる内容で、今後、会議や報告会での言葉の選び方には注意しようと思わされた。 ただ、日常会話では日本語の曖昧さが便利だと思う。 「最近どう?」みたいに曖昧な質問をする時は、大抵話のとっかかりを探している事が多く、具体的に質問したい内容がある訳じゃないからね。

Posted byブクログ