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ラピスラズリ の商品レビュー

4.3

30件のお客様レビュー

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2023/08/07

今回は『歪み真珠』や『山の人魚と虚ろの王』ほどはノレなかった。なんだかんだ山尾悠子もこれで四作品目。あとは『飛ぶ孔雀』読んでみたいと思っています。 感覚としては『夢の棲む街』に近く、夢を見ているかのような転換にはまりきれなかった。彼女の信じている美しいものと私が信じているものが違...

今回は『歪み真珠』や『山の人魚と虚ろの王』ほどはノレなかった。なんだかんだ山尾悠子もこれで四作品目。あとは『飛ぶ孔雀』読んでみたいと思っています。 感覚としては『夢の棲む街』に近く、夢を見ているかのような転換にはまりきれなかった。彼女の信じている美しいものと私が信じているものが違うのだろうなあという結論。その差として今回新しく感じたのは、最初の「銅板」という話で感じた、山尾悠子ジョット説笑笑、ジョットじゃなくてもよいのですが、中世の絵のようだなという感情がしっくりきています。今までルドンなど、それから本作はワッツの「希望」(ちょうどこの前テートブリテンで見て来たばかりなのでテンション上がりましたが)が使われているものの、私の美的感覚的にはジョットなんですよねえ笑 最初の三作品の中では「閑日」が好きでしたが、全体だと「トビアス」「青金石」が好きでした。タイトルはラピスラズリですから、最後の「青金石」が一応代表作なのだろうか。「トビアス」はいきなり現代/未来で、山尾悠子って日本の名前の登場人物出せるんだ!(?)という驚き、またディストピア的な設定の中で出てくる冬眠者が好きでした。「青金石」も冬眠者が出てきて、こういう作品の作り方はすてきだなあと思いました。

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2022/01/15

詩的な幻想文学でした。 冬眠や流行り病などのモチーフが美しく、また印象的なフレーズにも惹かれて度々メモを取りました。 4話「トビアス」が読みやすくて好きです。

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2021/02/18

不思議な世界。 山尾さんの作品は夢みたいだと思って読んでいる、と言った人がいたけれどまさにそんな感じ。

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2019/03/14

不思議で独特な構成。1話は語り手が立ち寄った画廊で架かっていた三枚の銅版画。画廊主からそれは小説の挿画として描かれたものであると説明される。2、3話はその銅版画に描かれている世界の物語。4話5話はそれぞれ2、3話と時代、場所も全く異なるが、冬の間冬眠する種族の存在がその世界を繋げ...

不思議で独特な構成。1話は語り手が立ち寄った画廊で架かっていた三枚の銅版画。画廊主からそれは小説の挿画として描かれたものであると説明される。2、3話はその銅版画に描かれている世界の物語。4話5話はそれぞれ2、3話と時代、場所も全く異なるが、冬の間冬眠する種族の存在がその世界を繋げている。硬質で緊密でしかも読者への説明が排された文章は、ともすれば読み手がその世界へ没入するのを拒絶する。自分だけなのかも知れないが、もしかしたらそれは額縁に収められた画を、額の外から眺める者の立ち位置なのかも知れないとも思った。

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2019/01/27

短編4編,中編1編 「銅版」の版画の世界が次の短編,中編に広がっていく.冬眠という体質を持った特権階級の没落が,ゴーストの存在とともに描かれる.考えてみるまでもなく無防備な冬眠は不安の固まりである.それらが中世風の異世界の中で描かれていて,全体的に灰色がかった印象が残る,

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2018/06/16

すごく楽しみにしていた「飛ぶ孔雀」がなぜピンとこず、山尾悠子ってこうだったかなあと前作を再読。記憶にある通りすごく良かった。 そう、この硬質な感じ。目眩のするような魅惑的な世界なんだけど、決してわかりにくいわけではない。幻惑的であると同時に、すーっと腑に落ちる感がある。そこがと...

すごく楽しみにしていた「飛ぶ孔雀」がなぜピンとこず、山尾悠子ってこうだったかなあと前作を再読。記憶にある通りすごく良かった。 そう、この硬質な感じ。目眩のするような魅惑的な世界なんだけど、決してわかりにくいわけではない。幻惑的であると同時に、すーっと腑に落ちる感がある。そこがとてもいい。 「これは落ち葉枯れ葉の物語」というリフレインの効果的なこと。これぞ物語という気がする。繰り返し読んで飽きない、芳醇な世界にうっとり。 「飛ぶ孔雀」はまた読み返そうと思っているのだけど、初読の印象では、なんだか山尾悠子独特のノーブルな感じが薄れたような気がして仕方がない。猥雑かつノーブルというのが魅力だと思ってきただけに、違和感がある。著者の進化(深化)についていってないオールドファンの繰り言かもしれないが。

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2016/03/07

「アルモニカ・ディアボリカ」付録の皆川博子さんのお勧め本リストが最高に好みで、こちらはその中の一冊。表紙絵がワッツの「希望」。美しい装丁、美しい文章、美しい幻想世界。霞みに包まれた絵のようだった。

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2018/03/20

この作家を検索してみると、作品は難解と書いてあった。 確かに。 ストーリーはよく分からない。 でも、何だか読む手が止まらない。 文章が綺麗。 この人の作品、集めたくなった。

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2015/09/26

三枚の絵画から始まる物語。 冬になると冬寝室で眠りに付く主達の為に、いろいろな準備をする召使のお話しだったり、 春になる前に目覚めてしまった子のお話しだったり、 不思議でひっそりとしたお話し。

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2015/02/03

連作の絵画を描写していくような繊細な文章と閉塞的な世界観に息が詰まる。 美しさの前にはどんな解釈も無駄に思えてしまうな。

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