五年の梅 の商品レビュー
短編集。短編で終わらせてほしくない作品がちらほら。乙川氏の作品は、短編ものよりももっと内容をじっくりと掘り下げた長編もののほうが、実質感があり、読了してその余韻を楽しむことができるのだと思う。
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短編集。良さも悪さも全部ひっくるめて「人間」であることを誇りに思わせるような。世の中を構成しているのは偉い人ばかりじゃなくて。ひとりひとりが脇役で、主役で。そんな優しい優しい物語たちだと思います。
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山本周五郎賞を受賞した短篇集。 なんと、時代物で山本周五郎賞を受賞したのは、この作者が初めてなのださうだ。 この作品集には表題作を含めて5つの短篇が收められてゐる。 それぞれの作品に共通してゐるのは、主人公もしくは副主人公が不幸な女性であると云ふこと。 不幸な經驗から立上がつて...
山本周五郎賞を受賞した短篇集。 なんと、時代物で山本周五郎賞を受賞したのは、この作者が初めてなのださうだ。 この作品集には表題作を含めて5つの短篇が收められてゐる。 それぞれの作品に共通してゐるのは、主人公もしくは副主人公が不幸な女性であると云ふこと。 不幸な經驗から立上がつて、行きてゆかうとする明るさが基調になつてゐる。 私の最も好きな作品は「小田原鰹」だ。 ここでは、不幸な夫婦が登場するが、最初は妻の視點から、妻が出奔してからは、夫の視點から描かれてゆく。 夫の視點に變つたあたりからが、この作品の素晴らしさが際立つてくる。 人生つて、よいものだなあとしみじみ思つた。 2003年10月14日讀了
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最近、江戸時代の市井の人々を描いた小説がブームのようで、この作品群もその一つ。 江戸時代と言う身分社会の中で、社会の隅で悲しい思いを抱きながら生きている人々に焦点を当てて描いた、受賞作他4篇。 どれもそれなりにまとまっていて読ませるし、一通りの面白さはある・・・のだが・・・・なん...
最近、江戸時代の市井の人々を描いた小説がブームのようで、この作品群もその一つ。 江戸時代と言う身分社会の中で、社会の隅で悲しい思いを抱きながら生きている人々に焦点を当てて描いた、受賞作他4篇。 どれもそれなりにまとまっていて読ませるし、一通りの面白さはある・・・のだが・・・・なんだかなあ。口当たりは良く、最後には「人間っていいよなあ」と、言うほのぼのとした結末なんだけれど。 どれも作者の狙いが丸判り、と言うか、読んでて結末が予想できてしまう。こういうタッチのものが沢山出ている昨今、切り口が今ひとつだと感じた。 この作家らしさって、何?
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