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五年の梅 の商品レビュー

3.8

44件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2020/11/01

山本周五郎賞 短編5編 付箋 「行き道」 ・酒も楽しみもほどほどのところでやめておいたほうが帰り道が楽になるはずだった 解説 ・市井の人々、とりわけ社会の隅のほうにいある人々の「悲しい思い」を描き続けている ・建て前ばかりが重んじられる侍の社会にあって、「情」を大事にして生きてい...

山本周五郎賞 短編5編 付箋 「行き道」 ・酒も楽しみもほどほどのところでやめておいたほうが帰り道が楽になるはずだった 解説 ・市井の人々、とりわけ社会の隅のほうにいある人々の「悲しい思い」を描き続けている ・建て前ばかりが重んじられる侍の社会にあって、「情」を大事にして生きている。こういう男たちの良さがわかるのは、大人の女性たち

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2020/09/12

何を読もうかと山本周五郎賞を辿っていたら、この本が目についた。 最初の2つの話が案外だったが、後半3つの話はまずまず佳かった。 いずれもありがちな人情噺だが巧みな運びでそれぞれ印象深い話になったのは流石なところ。 ただ、どれも短い話なので、心の襞というか機微の変化がせかせかしてい...

何を読もうかと山本周五郎賞を辿っていたら、この本が目についた。 最初の2つの話が案外だったが、後半3つの話はまずまず佳かった。 いずれもありがちな人情噺だが巧みな運びでそれぞれ印象深い話になったのは流石なところ。 ただ、どれも短い話なので、心の襞というか機微の変化がせかせかしているところがあって、些かの喰い足りなさは残った。

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2020/05/21

結構前の山本周五郎賞受賞作品です。 著者の筆力は圧倒的で、特に瑞々しい風景描写はそれだけで感動的。 長編小説好きな私にとって本作は短編集なので若干の物足りなさは感じますが、抑制された情熱とか人物の内面の描き方も巧くて、物足りないなどと言いながらもすぐに物語に引き込まれてしまいま...

結構前の山本周五郎賞受賞作品です。 著者の筆力は圧倒的で、特に瑞々しい風景描写はそれだけで感動的。 長編小説好きな私にとって本作は短編集なので若干の物足りなさは感じますが、抑制された情熱とか人物の内面の描き方も巧くて、物足りないなどと言いながらもすぐに物語に引き込まれてしまいました。 全体を通して過去を悔み、反省し、そのうえで前を向こうとする様々な人生が描かれており、少し切ないけれど心温まる作品ばかりでした。 人はいつでも何歳からでも変わることができる。 幸も不幸も自分の心持ち次第。ですね。

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2019/07/23

昔からあるジャンル、人情物。乙川の場合は、主人公の心理を主観的に濃厚に書き込む傾向が、過去の大家と比べると、やや強いかもしれない。光景描写だけで語らせるという感じではない。

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2019/06/14

テレビで紹介されていて興味を持ちました。5編の時代短編。最初の「後瀬の花」はラストの展開に驚きながら読みましたが、2編目の「行き道」が自分が女性であるゆえか生々しくて読んでいて辛く少しも楽しくなかったのでそのまま投げ出しそうになりました。ところがその後の「小田原鰹」「蟹」がとても...

テレビで紹介されていて興味を持ちました。5編の時代短編。最初の「後瀬の花」はラストの展開に驚きながら読みましたが、2編目の「行き道」が自分が女性であるゆえか生々しくて読んでいて辛く少しも楽しくなかったのでそのまま投げ出しそうになりました。ところがその後の「小田原鰹」「蟹」がとても良かったのです。投げ出さなくてよかった。時代ならではのお話ですが想像させるラストまでじわりと心に染み込んできました。表題作も悪くなかったです。全てが再出発の話だと考えたとき1話目のラストもぐっと心に残るものになりました。

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2019/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019/2/17 苦難のわりにリターンが少ないよ~しんどいよ~ と思いながら読んでいたけど、後半になるにつれだんだん納得のリターンになってきた。 落ち着く。 小田原鰹が印象深い。 こんなに最低の人物の心情をなぞったことはあんまりないような。 マジ死ねと思いながら読んでいくうちにだんだんと変化していく鹿蔵をやっぱり許せなかったり、哀れに思ったり。 鹿蔵がまともになるにつれ、私の心も落ち着いていく。 なんか安らいだ。

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2018/12/18

乙川優三郎 「 五年の梅 」 男と女の生き直しをテーマとした短編集。花の映像を転換点として、人生のやり直し、生き直しがなされる。山本周五郎 のような 感動の終わり方 後瀬の花 「卯の花〜か細い枝に綺麗な花〜おれたちもあんなふうに 生きればよかった」 五年の梅 「ひどい回り道を...

乙川優三郎 「 五年の梅 」 男と女の生き直しをテーマとした短編集。花の映像を転換点として、人生のやり直し、生き直しがなされる。山本周五郎 のような 感動の終わり方 後瀬の花 「卯の花〜か細い枝に綺麗な花〜おれたちもあんなふうに 生きればよかった」 五年の梅 「ひどい回り道をしたが、今からでは駄目だろうか〜この梅も 花のあとから葉がつく」

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2017/11/10

相変わらずの乙川節です。 特に目立った作品は無いのですが、一方で破綻もありません。というより、全てが及第点を楽々超えて行きます。 どちらかと言うと、大きなストーリーの流れより、小ぢんまりとしたストーリを丁寧に描くのが美味い作家さんのようです。そういった意味で、この人の短編は読...

相変わらずの乙川節です。 特に目立った作品は無いのですが、一方で破綻もありません。というより、全てが及第点を楽々超えて行きます。 どちらかと言うと、大きなストーリーの流れより、小ぢんまりとしたストーリを丁寧に描くのが美味い作家さんのようです。そういった意味で、この人の短編は読み応えがあります。

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2016/10/03

山本周五郎賞受賞作。 この5短編の作者名を伏せて、次の3人(①山本周五郎②藤沢周平③乙川優三郎)から作者を選べ。 こんな問題があったら、全て正解できるだろうか、そんな妄想が浮かんだ(笑) 市井の人々、とりわけ社会の片隅に生きる人々への優しいまなざしを持った3人の作家。 山本周五郎...

山本周五郎賞受賞作。 この5短編の作者名を伏せて、次の3人(①山本周五郎②藤沢周平③乙川優三郎)から作者を選べ。 こんな問題があったら、全て正解できるだろうか、そんな妄想が浮かんだ(笑) 市井の人々、とりわけ社会の片隅に生きる人々への優しいまなざしを持った3人の作家。 山本周五郎、藤沢周平亡き後、その跡を継ぐ作家として、今後とも乙川優三郎氏に期待したい。

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2016/09/28

時代小説マストリードから。短編集だし、そんなに本も厚くないから、軽い内容かと思って読んだけど、良い意味で期待は裏切られました。世知辛い現代だけに、純真を描くためには時代小説の形態がより好ましいんですね。現代が舞台だと、ともすればあざとく感じられかねない内容も、時代背景も相俟って、...

時代小説マストリードから。短編集だし、そんなに本も厚くないから、軽い内容かと思って読んだけど、良い意味で期待は裏切られました。世知辛い現代だけに、純真を描くためには時代小説の形態がより好ましいんですね。現代が舞台だと、ともすればあざとく感じられかねない内容も、時代背景も相俟って、心に響く感動物語に仕上がっています。もちろん背景設定だけじゃなく、その筆致とか心象描写の妙とか、それがあってこその素晴らしさなんですが。5つの短編から成る本で、全てが好きってのもなかなか無いことで。男女の葛藤が根底に流れるテーマだけど、恋愛ものがあまり好きでない自分ですら、大いに満足させられる内容でした。

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