モギ の商品レビュー
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2002年にニューベリー賞を受賞した、リンダ.スー.パークが書いた昔の韓国が舞台の物語。 モギは両親を亡くし、おじさんがいるであろう、焼き物(高麗青磁)の村のチョルポに連れて来られたが、おじさんは見つからずお寺に預けられる事になった。しかし、お寺も熱病が流行っていて預かれず、橋の下に住む片足のトゥルミじいさんに預けられる。それから10年、モギは稲穂を拾ったり、ゴミば箱を漁ったりしながら、トゥルミじいさんと仲良く暮らしてきた。 モギは、名焼き物師のミンの作業をかげから観ることを喜びとしている。ある日、誰もいなかったので、棚に置いてある乾燥中の作品を勝手に手にしてみていると、ミンに見つかってしまい、作品をダメにしてしまう。それの弁償としてモギはミンのところで働き始める。 トゥルミじいさんからは愛情と生き方を教えてもらい、ミンからは作成する厳しさを見せられ、ミンの奥さんからは優しさをもらう。 悪人が出てきてハラハラする場面もある。でも、それは良いほんの少し。全体としてモギの周りのおとなが素晴らしく、読者はモギの成長を暖かく見守りながら読み進めることが出来る。生きることは素晴らしいと感じられる、高学年マスト作品。
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6年教科書掲載本 川の下で暮らすみなしごモギ。 冒頭から、生きていく上で忘れてはならないと思える言葉の連続。そして、韓国の貧しい子どもの話つながりで、子どものとき読んだ「ユンボギの日記」を思い出した。 後半はドキドキハラハラ、そして最後は… なんの苦労も知らない、それでも今...
6年教科書掲載本 川の下で暮らすみなしごモギ。 冒頭から、生きていく上で忘れてはならないと思える言葉の連続。そして、韓国の貧しい子どもの話つながりで、子どものとき読んだ「ユンボギの日記」を思い出した。 後半はドキドキハラハラ、そして最後は… なんの苦労も知らない、それでも今の生活や自分の状況に不満を持つ子どもたちに読ませたい。
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友人から薦められてからずっと気になっていた本です。偶然見つけて、ようやく読めました。 高麗青磁の魅力に惹きつけられ、あることを境に職人のミンに弟子入りしたモギ。厳しい修行の中でも希望をもち、育ての親のトゥルミじいさんやおかみさんの優しさに支えられながら、尊敬する親方の下で過ごし...
友人から薦められてからずっと気になっていた本です。偶然見つけて、ようやく読めました。 高麗青磁の魅力に惹きつけられ、あることを境に職人のミンに弟子入りしたモギ。厳しい修行の中でも希望をもち、育ての親のトゥルミじいさんやおかみさんの優しさに支えられながら、尊敬する親方の下で過ごしていきます。 モギの正直で懸命な姿に胸を打たれます。そして、そんなモギを育てたトゥルミじいやんの言葉も素敵。二人の関係性がお互いを思いやっていて、じんわりします。 「死ぬばっかりが真の勇気ではないぞ」 今のこの情勢だからこそ、多くの人に届いてほしい言葉だなと思いました。
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朝のNHKのテレビ小説を、私は毎朝楽しみに見ています。現在スカーレットという日本の女性陶芸家の物語です。 モギも陶芸家のお話です。孤児のモギが赤ちゃんの時トゥルミ老人に育てられ、近所の実力ある陶芸家の下に弟子入りをするまでのストーリーが描かれています。残飯をあさるような生活をして...
朝のNHKのテレビ小説を、私は毎朝楽しみに見ています。現在スカーレットという日本の女性陶芸家の物語です。 モギも陶芸家のお話です。孤児のモギが赤ちゃんの時トゥルミ老人に育てられ、近所の実力ある陶芸家の下に弟子入りをするまでのストーリーが描かれています。残飯をあさるような生活をしていても、人間としての誇りを失わなわず、礼節を守る、そんなモギと、モギをそのように育てたトゥルミ爺さんの人柄に、大変感銘を受けました。
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地味ながら、とても味わい深い作品だった。 出勤途中のバスの中で眼をかっと見開いて読んでいたのは、そうしないと涙が出てきてしまうから。 モギは多分12歳くらい。 両親はいず、橋の下に住むトゥルミじいさんに育ててもらって10年。 毎日の食事をどうやって手に入れるかだけを考えて生きて...
地味ながら、とても味わい深い作品だった。 出勤途中のバスの中で眼をかっと見開いて読んでいたのは、そうしないと涙が出てきてしまうから。 モギは多分12歳くらい。 両親はいず、橋の下に住むトゥルミじいさんに育ててもらって10年。 毎日の食事をどうやって手に入れるかだけを考えて生きているモギの唯一の楽しみは、村の焼きもの師ミンがろくろを回すところを見ることだった。 トゥルミじいさんの語る言葉がモギを人として育んでいく。 ”森や、ごみ捨て場で食べ物を探したり、稲刈りのすんだ田んぼで落ち穂を拾ったりするのは、てまひまかけて働くわけだから恥ずかしいことではない。けれども、盗みと物乞いはしちゃならぬ。「働くものは胸をはって生きられる。盗むものはこそこそ生きるしかないのじゃよ」” ”「考えることにはな、効能がふたつ、あるわい。まず頭の体操になる。次に腹ぺこを忘れておられる。」” ”「学者さんがたはりっぱな書を読みなさる。おまえやわしは世の中を、じかに、しっかり読むんじゃわい」” ひょんなことから村一番の焼きもの師、ミンのところで働くことになるモギ。 無口で妥協を知らない職人気質のミンのもとで働くのは大変だったけれど、モギはミンのすることをよく見て、その意味を考え、助手としてどんどん成長していく。 ある時宮中御用達の焼きもの師を探しに、村にえらい役人が来る。 モギはミンの焼いた瓜型瓶を届けに遠い道のりを歩いて宮殿に向かう。 そんなモギを襲う試練とは。 モギを襲った試練は、12歳の少年を絶望のどん底に落とすけれど、そんなとき彼の心にトゥルミじいさんの言葉がよみがえる。 「死ぬばっかりが真の勇気ではないぞ」 そこからの怒涛の展開はもちろん感動的なのだけど、この作品は、その前段の何気ない日常が実にいい。 モギとトゥルミじいさんの、貧しいけれども思いやりにあふれ笑いの絶えない生活。 職人の厳しさを体現するミン親方と、優しい奥様。 あえて言葉にしない思いやりや、言葉とは裏腹の優しさ。 モギの素直で誠実な人柄が、どうやって育まれたのか。 それを想像するだけで、心が温かいもので包まれる気がする。
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これがアメリカでニューベリー賞を受賞したということが(2002年かな?)喜ばしいなー。奥付を見たら8刷りで、それもまた喜ばしい。 モギは、貧しいなかでも勤勉で前向き。「職人気質」が歩いているような親方について、無視され、怒られながらも必死に手伝いを続けていく。 それでも実の子ではないから弟子にはしてもらえない……。悲しみにうちひしがれそうになったところを支えるのが親方の奥さんであり、またトゥルミじいさんであり。まわりの人たちもよく描かれている。 あと、なんといっても皇帝の使者ですね。この人の目が確かであるということがとても大切だったわけで。それでなければお話としては成立しなかったかもしれない。 そこはちょっと都合がいいのかもしれないけど、やはりあらまほしき展開なのだと思いました。
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ニューベリー賞受賞作で感想文の課題図書になっただけあって、児童書として文句のつけようのない出来。 キャラクターの造形が(ステレオタイプではあるものの)きちんとしていて、ストーリーもいいし、終わり方も上手い。 国宝になったというその青磁が見たくてネット検索したら、全部入れないうちに...
ニューベリー賞受賞作で感想文の課題図書になっただけあって、児童書として文句のつけようのない出来。 キャラクターの造形が(ステレオタイプではあるものの)きちんとしていて、ストーリーもいいし、終わり方も上手い。 国宝になったというその青磁が見たくてネット検索したら、全部入れないうちに「青磁象嵌雲鶴文梅瓶」が出てきた。 読んだ人はみんな検索したと思う。 欠点がなさすぎて、「愛する本」とまでは思えないが、誰にでも安心して紹介できる名作であることは間違いない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
モギは小さいころ親を病気で亡くします。そして、橋の下で暮らすトゥルミじいさんに育ててもらうのです。 食べ物は人々が捨てたごみから探します。そうやって探すうち、村のやきものに興味をもちます。 自分でもロクロをまわしてやきものを作りたいという夢をもちます。 あるきっかけから村でも指折りの技術の持ち主ミンのもとで働くことになります。 最初は窯のまきを集めるところから。けれどけがまでして頑張ったモギにミンはどなります。 九日間同じ仕事をしたあと、今度は粘土運び。 二か月後。粘土を濾す仕事。 なかなかロクロをさわらせえてはもらえません。 仕事も詳しくは教えてもらえず、見よう見まねで覚えるモギ。 一年半後、ついに大事な仕事をまかされますが…。
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好きなことがあって 努力できるって幸せだよな 一所懸命になれるって素敵です 主人公の成長物語ではありますが 焼き物の工程や歴史を楽しめる本でもあります 陶芸博物館の先生がおっしゃっていたのは この時代の青磁だったろうか? 実物を確かめたくなります 自分も焼いたことあるけど 釉...
好きなことがあって 努力できるって幸せだよな 一所懸命になれるって素敵です 主人公の成長物語ではありますが 焼き物の工程や歴史を楽しめる本でもあります 陶芸博物館の先生がおっしゃっていたのは この時代の青磁だったろうか? 実物を確かめたくなります 自分も焼いたことあるけど 釉薬の違いって結構あるよね うちにあるのは、にごった緑色 澄んだ青に近い色の作品を見てみたい 古い時代の登り窯の見学をしたことがあって その時のことを思い出しながら読みました
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橋の下で暮らす少年の運命を変えたものは、あやしいまでに美しい高麗青磁の輝きだった。12世紀後半の韓国、青磁の村を舞台に、名焼きもの師の見習いとなった少年の物語。2002年度ニューベリー賞受賞作。
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