オーデュボンの祈り の商品レビュー
評判がよかったから一度読んでみようかな、とデビュー作のこちらを購入しました。読みやすいですね。わりと変わった世界観なのにするすると心に入ってくる小説でした。他の作品も読んでみたいなー。
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初めて読んだ伊坂作品。独特の文章運びに脱帽です。ファンタジーなんかなと思ったけどまた違う様子で。ありえなさげな設定と普通が交じり合う話で面白い。
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第5囘新潮ミステリー倶樂部賞受賞作。 しかもこの作品は作者のデビュー作だといふのだから恐れ入る。 一讀して、奇妙な味はひの小説だと思つた。 言葉を話し未來を語る「かかし」だとか、ルールとして認知され殺人を赦されてゐる男だとか、反對のことしか話さない畫家だとか、奇妙な人物ばかり登...
第5囘新潮ミステリー倶樂部賞受賞作。 しかもこの作品は作者のデビュー作だといふのだから恐れ入る。 一讀して、奇妙な味はひの小説だと思つた。 言葉を話し未來を語る「かかし」だとか、ルールとして認知され殺人を赦されてゐる男だとか、反對のことしか話さない畫家だとか、奇妙な人物ばかり登場する。 あまりに奇妙な人物だらけなので、警官のくせに警察の權威を利用して惡辣の限りを盡すやうな人間が、むしろあたりまへの存在のやうに思へてしまふ。 しかも舞臺となるのは誰にも存在を知られてゐない孤島。 こんなシュールな設定なのに、いつのまにか此の世界に惹きこまれてしまふのが不思議だ。 「かかし」は何故殺されたのか? 畫家は何故正反對のことしか話さないのか? ミステリーとしても讀めるが、人間存在そのものについて考へさせられる作品でもある。 輕いタッチで描かれてゐるので、讀みやすい。 私はなんとなく村上春樹の初期作品を讀んだときの印象を思ひ出した。 新しい才能の登場である。 2004年2月2日讀了
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伊坂幸太郎の原点。彼なりのミステリ感が書かれている。名探偵が自分の存在が事件を生むという考え方はある意味で正しい。ただ完全ではない。そこに作家、そして読者がいて初めて事件が生まれる。そして、そのことに名探偵が悩み、自殺する。その苦悩をかかしで描いた。巧いな〜
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肝心な説明が抜けてたりして、少し取っ付き難いところがあったり、ファンタジーな設定ですが、謎が謎を呼び、最後には「ああ」と納得出来ました。
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特殊設定物のミステリであり、異世界ファンタジー物のようにも思えるという不思議な作品。この舞台だからこそ使える設定と複線が随所にちりばめられており、最後の謎解きの場面で驚かされる。文体や展開はあとの活躍にも納得できる巧さ。個人的にこういう雰囲気が好きってのもある。
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コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。仙台沖に浮かぶその島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し、未来を予知するというカカシ「優午」だった。しかしある夜、何者かによって優...
コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。仙台沖に浮かぶその島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し、未来を予知するというカカシ「優午」だった。しかしある夜、何者かによって優午が「殺害」される。なぜカカシは、自分の死を予測できなかったのか。「オーデュボンの話を聞きなさい」という優午からの最後のメッセージを手掛かりに、伊藤は、その死の真相に迫っていく。 (amazonのレヴューより) テーマは良いと思うのだけれど、内容に対してページ数が多すぎるような気がした。登場人物をもっと少なくして話をコンパクトにまとめた方が良かったのでは・・・。
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「この島が悪い方向へ進むことがあっても、救えないだろうと、優午は自分の腑甲斐無さを呪うのでもなくて、そう言ったよ。『ただ、私は祈りますよ』と」
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初めて読んだ時は村上春樹風かな?と思ったけど。読み終わってからダンダン好きになってきた不思議な作品。サクラが最高!!
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「重力ピエロ」を読んで興味を持ったので買ってみた作品。私と本の趣味の似ている方も、こちらは「陽気なギャングは地球を回す」を先に読んでこの本を買われたと言うこと。なかなか作家として魅力ある方です。 この作品は、第5回新潮ミステリー倶楽部の受賞作品であり伊坂幸太郎さんのデビュー作でも...
「重力ピエロ」を読んで興味を持ったので買ってみた作品。私と本の趣味の似ている方も、こちらは「陽気なギャングは地球を回す」を先に読んでこの本を買われたと言うこと。なかなか作家として魅力ある方です。 この作品は、第5回新潮ミステリー倶楽部の受賞作品であり伊坂幸太郎さんのデビュー作でもあります。多分、応募作品の中では、この作品だけが飛びぬけて異色だったのではないだろうか?まるで星の王子様やアリスの不思議の国の世界(^^) しゃべることが出来て未来が見える案山子や、犯罪者を殺しても罪に問われないルールの桜や、うそしか言わない画家など、奇妙な人が住む島。こうした状況だけで相当にシュールです。しかも、会話は例のごとくすばらしい。ここの住人に性格が会話ににじみ出ています。謎は、なぜ案山子は殺されたのか、未来の見える案山子はなぜ阻止しなかったのか?この島に足りないものとは??。まるで舞台劇を見ているような作品でした。 2004.3.17
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