銃 の商品レビュー
銃を持ってしまった人間の心理描写が見事。普通の大学生が徐々に人の道を踏み外していく。銃に魅せられ、銃に人間が操られ、人間の奥底にある狂気が目覚めていく高揚と恐怖。彼の行く末は予感していたが、彼が最後につぶやいた言葉がリアルで恐ろしい。
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ここまで救いのない話は珍しい。けど、これはきっとハッピエンドであるに違いない。ごちゃごちゃした憂鬱な世界でやっとのことで導き出された、光をもたらす回答であるに違いない。
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ふとしたことから銃を拾った大学生の主人公。 その時から彼の人生は銃に支配されてしまう。 彼の心理描写がリアルで怖くてたまらなかったが、ページを次々めくってしまった。 読み終わった今もなんだか怖くてドキドキしている。
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「読書芸人」を観て、又吉さんがこの方のファンだと言っていたので 興味を持って借りてみました。 又吉さんが好きだというのがわかる感じがしました。 なんだか、不気味だったな~。 最初、雨の中を主人公が延々歩いているんだけど、 その行動も意味不明だし、「私」はという一人称だし、 ...
「読書芸人」を観て、又吉さんがこの方のファンだと言っていたので 興味を持って借りてみました。 又吉さんが好きだというのがわかる感じがしました。 なんだか、不気味だったな~。 最初、雨の中を主人公が延々歩いているんだけど、 その行動も意味不明だし、「私」はという一人称だし、 絶対「無職で酒びたり」の主人公だろうと思っていたら、 合コンとかにも行っちゃう普通の大学生なんだもの。 その普通の生活と、その彼が頭の中で考えていることの ギャップが気持ち悪くて、だけど銃を拾ってしまって この人はどうなるんだろうと、先が気になってしまった。 私が銃を拾ったら、どうするかな……。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ある夜、男は拳銃を拾った。その日を境に男の見ている景色がガラリと変わったー非日常的な存在の出現に、高揚し、心酔し、取り付かれてしまう様を生々しく、リアルに描ききっています。拳銃に全てを吸いとられた男は果たしてどうなるのか、最後まで目が離せませんでした。達観していた刑事がなんとも不気味です。
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ある日、「私」は自殺した死体を見つけその傍にあった銃にひきつけられる。銃って改めて「人を殺す以外の目的を持たない物質」なんだなと思いました。クライマックスの逡巡は本当にハラハラしました。そしてこのラスト。「どうして」ではなく「最初からこういうものだったのだ」という気がします。主人...
ある日、「私」は自殺した死体を見つけその傍にあった銃にひきつけられる。銃って改めて「人を殺す以外の目的を持たない物質」なんだなと思いました。クライマックスの逡巡は本当にハラハラしました。そしてこのラスト。「どうして」ではなく「最初からこういうものだったのだ」という気がします。主人公は銃そのものに近づきすぎたのかもしれないですね…。
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銃を拾ったことによって、退屈な日常に光を見出した主人公。 本当は異常なことなんだけど、物語が主人公の一人称で書かれているので心理描写がものすごく細やかでリアルで、自分の中にすっと入ってきてしまった。 もっとこの人の本読みたい。
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第34回新潮新人賞。『遮光』『土の中の子供』→本作の順で読みました。「昨日、私は拳銃を拾った。これ程美しいものを他に知らない。」から始まる真っ直ぐな物語。ラストシーンの「おかしいな」「おかしいな」と呟きながら弾を込めるシーンは背筋が凍りました。
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銃を拾った大学生。 その銃に魅せられる大学生。 ずっと一人称で続いていきますが、そのためか、 その大学生の内面の変化が非常にわかりやすい。 そして、結末が・・・・ しかし、文章は少し読みづらいかな。
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内容(「MARC」データベースより) 昨日、私は拳銃を拾った。これ程美しいものを、他に知らない-。銃に魅せられてゆく青年の心象と運命を、サスペンスあふれる文体で描く。第34回新潮新人賞受賞作、第128回芥川賞候補作。
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