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の商品レビュー

3.5

44件のお客様レビュー

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2016/07/22

凄いわ。これがデビュー作なんて。 拳銃に憑かれた男の行く先は‥。 作品を覆う空気感が、いい。 淡々とした中にのぞき見える、ぐろぐろとしたエネルギーが、いい。

Posted byブクログ

2016/07/16

中村文則さん初読み。こんなにも引き込まれるとは・・・。主人公の内面をこっそりとずっとのぞいていたような気持ちになり、現実との境がわからなくなりそうな不思議な読書体験だった。コーヒーをやたらと飲む主人公に影響されて、わたしもやたらとコーヒーを飲んだ。中村文則さんの作品は全作読みたい...

中村文則さん初読み。こんなにも引き込まれるとは・・・。主人公の内面をこっそりとずっとのぞいていたような気持ちになり、現実との境がわからなくなりそうな不思議な読書体験だった。コーヒーをやたらと飲む主人公に影響されて、わたしもやたらとコーヒーを飲んだ。中村文則さんの作品は全作読みたいと思う。

Posted byブクログ

2016/04/23

これだ。これこそ中村文則だ。 たぶん中村さんの初期作品であるこの本には、すべてがつまっていると言ってもいいのではないだろうか。 ほんの偶然から銃を手に入れた大学生が、それに魅入られて破滅していく過程を驚くほど丹念に描き切っているこの本に、そして僕も魅入られてしまった。 ただ一言で...

これだ。これこそ中村文則だ。 たぶん中村さんの初期作品であるこの本には、すべてがつまっていると言ってもいいのではないだろうか。 ほんの偶然から銃を手に入れた大学生が、それに魅入られて破滅していく過程を驚くほど丹念に描き切っているこの本に、そして僕も魅入られてしまった。 ただ一言で言えば「疎外感」であり、それは社会からの疎外感、他人からの疎外感、自分からの疎外感である。中村作品のほとんどすべてに通底しているこの感覚を、今までで一番強く感じた作品だった。 とにかく素晴らしい。本当の傑作だ。

Posted byブクログ

2015/11/29

図書館本 第34回 新潮新人賞 著者の処女作。 生死を扱う物(武器)を手に入れた優越感から狂気に変わっていく様。遮光と内容は同じものではあるが物を違う事にすることでアプローチを変えている。

Posted byブクログ

2015/11/15

銃をたまたま手にするといった非現実に、 坂道を転がるように蝕まれていく様子が怖すぎました。 人からみても明らかにおかしくなっている姿を自身が把握出来なくなっていく様が克明に描かれていて。 決して読後感は良くないのに もやもやとしたものやじわじわと恐怖が募ってきて、ある意味で印象...

銃をたまたま手にするといった非現実に、 坂道を転がるように蝕まれていく様子が怖すぎました。 人からみても明らかにおかしくなっている姿を自身が把握出来なくなっていく様が克明に描かれていて。 決して読後感は良くないのに もやもやとしたものやじわじわと恐怖が募ってきて、ある意味で印象深い作品だったのかと。

Posted byブクログ

2015/10/02

以前読んだ中村文則の本がちょっと意味不明だったので、ブクログで見つけて気になってたこの本でリベンジ。 たまたま手に入れた銃に魅入られ、取り憑かれていく大学生を描いたもの。 最初は淡々とした描写が続いて退屈だなぁと読んでいたのですが、警官に目をつけられたあたりから面白くなってきて、...

以前読んだ中村文則の本がちょっと意味不明だったので、ブクログで見つけて気になってたこの本でリベンジ。 たまたま手に入れた銃に魅入られ、取り憑かれていく大学生を描いたもの。 最初は淡々とした描写が続いて退屈だなぁと読んでいたのですが、警官に目をつけられたあたりから面白くなってきて、徐々に狂気に蝕まれていく主人公から目が離せなくなり、一気に読んでしまった。 実際に人を撃とうとしたシーンの心理描写は鬼気迫るもので、こっちまで心臓が痛くなった。172ページの「私は気がつくと地面を見ていた。」から、思考があっちこっちに飛んでる様子が明らかに精神の均衡を失っているようでぞっとした。読み終わった瞬間よりも、時間が経ってからじわじわ効いてくる。 他の作品も読んでみよう。

Posted byブクログ

2015/09/13

銃に魅入られた大学生の話。銃が頭の中心にあって、その他の全てがぼんやりと過ぎていく様子は淡々と無機質で得体の知れない不気味さに満ちていました。大学に行き、講義を受け、コンパに行き、友達と話し、女の子と付き合い…学生なら当然のことなのに、銃が中心になることで異空間の出来事のように読...

銃に魅入られた大学生の話。銃が頭の中心にあって、その他の全てがぼんやりと過ぎていく様子は淡々と無機質で得体の知れない不気味さに満ちていました。大学に行き、講義を受け、コンパに行き、友達と話し、女の子と付き合い…学生なら当然のことなのに、銃が中心になることで異空間の出来事のように読み手にまで伝わってきます。猫を撃ち、刑事をはぐらかし…1度は銃の魔力から解放される方向かと思いきや…。でも、彼はずっとずっと前から狂っていたのかも知れない。おかしいな、と呟く彼はその後上手く弾を籠めることが出来たのか気になります。

Posted byブクログ

2015/08/13

中村文則のデビュー作。彼の作品を読むのは初めてでしたが「教団X」とか話題だし、少し期待しすぎたかも。 主人公西川の一人称ですべて描かれていますが 、この西川自身のキャラというか、考えや気持ちがイマイチよく分からない。 「私は……だった。」「私は……と思った。」「私は……した。」...

中村文則のデビュー作。彼の作品を読むのは初めてでしたが「教団X」とか話題だし、少し期待しすぎたかも。 主人公西川の一人称ですべて描かれていますが 、この西川自身のキャラというか、考えや気持ちがイマイチよく分からない。 「私は……だった。」「私は……と思った。」「私は……した。」「彼女は……した。」 と、箇条書きの様な文章の作りで、読んでいてもそこに気持ちが全く入っていけないんですよ。 さらに友達との会話になると、「マジで〜。…俺なんかさ〜」といきなり今どきの若者言葉になったりして、え?この人どんな人物なわけ?と戸惑ってしまいました。 あと、村上春樹を意識してる?と思わせる様な雰囲気も少し気になりました。 ストーリー自体は良かったと思います。拳銃という非日常的な物をたまたま手に入れてしまった事で、西川がだんだんと狂気に満ちていく様と、ラストの呟きはすごく印象的でした。 主人公の内面と外見が違和感なく描かれていたら、文句なく素晴らしかったのではないかと思います。

Posted byブクログ

2015/02/15

20150215 文体とか雰囲気とかかなり好きだけど、後味悪かった。 銃に取り憑かれた男の話。 ラストシーンが忘れられない。 どんどん正気を失っていって、ダメ男な主人公が一度殺人をやめることによってまともになるのが印象的。 それから銃にあそこまで入れ込んでしまうというのは、自...

20150215 文体とか雰囲気とかかなり好きだけど、後味悪かった。 銃に取り憑かれた男の話。 ラストシーンが忘れられない。 どんどん正気を失っていって、ダメ男な主人公が一度殺人をやめることによってまともになるのが印象的。 それから銃にあそこまで入れ込んでしまうというのは、自分を支える確固たるものがないせいだと思った。 しかし主人公を含む多くの人間がそうなんだろう。 取り憑かれる対象が銃ではなくて恋愛とかであるだけで。

Posted byブクログ

2014/08/20

ある日、偶然拾った銃に、翻弄されていく大学生の話。 昨日、私は銃を拾った。 もともと何事にも冷静、客観的な「私」が、銃を手にしたことによって壊れていく狂気にゾクゾクした。 半分〜ラストは、ゾクゾク感に押されて一気に読んだ。 決して後味は良くないけど、狂気にハマった。

Posted byブクログ