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プラネタリウムのふたご の商品レビュー

4.3

141件のお客様レビュー

  1. 5つ

    72

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    21

  4. 2つ

    3

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2011/07/16

まだ読んでいない方はこの感想を読まないで下さい。涙が出た。澱のように溜まったものを洗い流すそんな涙が出た。たしかにかなしい出来事だけど、そのかなしさのせいでエリダヌス座の輝きが、まるで水しぶきみたいに光って見えてくる。・・・・・どんなかなしいつらいななしのなかにも、光の粒が、救い...

まだ読んでいない方はこの感想を読まないで下さい。涙が出た。澱のように溜まったものを洗い流すそんな涙が出た。たしかにかなしい出来事だけど、そのかなしさのせいでエリダヌス座の輝きが、まるで水しぶきみたいに光って見えてくる。・・・・・どんなかなしいつらいななしのなかにも、光の粒が、救いのかけらが、ほんのわずかにせよ含まれているものなんだよ。それをけして見のがしちゃならない。読み終わってまずこの泣き男の言葉を思い出した。物語の始まりから、何かかなしい出来事が起こる予感がした。それはだんだんと確実に起こる事として予測されていた。この泣き男の言葉もその伏線の一つなのだろう。四六時中灰白色のもやを出す馬鹿でかい工場の煙突、その3本の煙突のてっぺんについた強力なライトで一年中白夜の中にいる村、白夜のほの白い夜空よりも偽者でも砂をまいたように光るプラネタリウムの夜空。その夜空と静かに響く泣き男の解説に心を癒されていく村人や工員たち。北の山という聖域、熊送りの儀式、盲目の魔女のような老女、そしてやってきた手品師の一座。物語の舞台は不思議な静けさと神秘さと胡散臭さを持っている。小熊のパイプの名前の由来や、氷山の話や「ゆがんでいる」といわれたことが物語の後半にだんだんと意味を持ってくる。だまされることは、だいたいにおいて間抜けだ。ただしかし、だまされる才覚が人にないと、この世はかさっかさの、笑いも何もないどんづまりの世界になってしまう。客は気持ちよくだまされたいから手品を見にやってくる。いろんな現実がどでかい雪玉みたいに追っかけてくる。手品の舞台ってそんな雪玉からの避難小屋なんだよ。だまされる側にいたタットルとだます側になったテンペル。老犬の死、老女の死、そして最後に訪れる死。それらが涙を誘う。北の山で始めて本当の夜空を見た人々、そして遠く離れた土地で同じ夜空を見上げる人々。住んでいるところは様変わりしていっても夜空は同じ輝きで頭上にある。外に出て夜空の星をながめたくなるようなラストだった。07・2・4

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2009/10/04

2007年10月15日読了。初いしいしんじ作品。プラネタリウムで拾われた双子の物語。姿はそっくりでも、まったく違った道を歩んでいく双子と、それを見守る物静かな父親、そしてずっとどこかで繋がっているおおきな星空。文体がとても優しくて、読んでいてずっと励まされているような、慰められて...

2007年10月15日読了。初いしいしんじ作品。プラネタリウムで拾われた双子の物語。姿はそっくりでも、まったく違った道を歩んでいく双子と、それを見守る物静かな父親、そしてずっとどこかで繋がっているおおきな星空。文体がとても優しくて、読んでいてずっと励まされているような、慰められているような気持ちになりました。疲れた心におすすめ。

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2009/10/04

プラネタリウムで拾われたふたごと温かい人々の奇跡のような物語。魔法なんて何一つ起きないし、大切なものは不意に逝ってしまう。でも誠心誠意騙す人と心から信じる人がいれば、世界はもう一度輝き出す。読むと涙が止まりません。

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2009/10/07

随分前(4年?)に読んだのですが、忘れられないので追加。 ものすごい泣いた・・・!本で泣いたのはこれが初めてだったかも。

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2009/10/04

分厚いけどそんなことなんでもない。あっという間に読みました。やっぱりいしいしんじさんの世界観は大好きで、不思議なことも全部当たり前になっちゃいます。 人はだまされる才能があるから幸せになることもできる。

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2009/10/04

どっしりと読み応えのある長編小説。 ひょんとしたことから違う道を行くようになる プラネタリウムで育てられた双子の話。 「○○にまつわる話」って、いしいワールドにピッタリはまる。

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2012/08/11

誰にでもできること。でも私がやるべきこと。 「立派に、本心からやりとおすならば、そいつは、なんだって立派な仕事なんだよ」 上手に信じて、優しく騙されて、一所懸命生きてみたら、幸せになるのは案外たやすいのかもしれない。

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2009/10/04

プラネタリウムという場所も双子という設定も好きな私は 読む前からすっごい楽しみだったのですが、 読んでみたら好き要素が満遍なく散りばめられていて すごく気に入りました。悲しい別れが多い気もしたけれど、 単純なハッピーエンドより心に残る気がします。

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2009/10/04

これを読んでおもったのは、いしいしんじははっきり言って残酷。つうかずるい。いつも誰かが死んじゃう。けど、目を逸らしてはいけないんだよなあ。カルマの法則というか、ほんとうにそうだよなあっておもう。長編だけど挑戦する価値あり。言わずもがな感動。

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2009/10/04

プラネタリウムと双子。気になるアイテムが揃ったら読むしかない。...あたたかいんだけど救われない気持ちになった。ちょっと苦手な文体。

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