星々の舟 の商品レビュー
第129回直木賞受賞作 ある家族のそれぞれの葛藤や後悔、 理性と欲望の揺らぎ、 愛と嫉妬と孤独の物語 決してたどり着けない星を目指す 哀しい舟のように見えた しかし、その舟から 決して消えない2つの灯火が 闇夜に瞬くようにも見えた 最終話は、急に話の舵を切ったように感じた ...
第129回直木賞受賞作 ある家族のそれぞれの葛藤や後悔、 理性と欲望の揺らぎ、 愛と嫉妬と孤独の物語 決してたどり着けない星を目指す 哀しい舟のように見えた しかし、その舟から 決して消えない2つの灯火が 闇夜に瞬くようにも見えた 最終話は、急に話の舵を切ったように感じた 重之にとっては、それほどの事なのだろうけど 個人的には家族の話を もっと深堀りしてほしかったな そうだったなら☆5だった
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『PRAIZE』を読んだら、やはり村山由佳さんの直木賞受賞作品が気になって、この本を手に取りました。中身の濃い一冊でした。 六編の連作短編集は、ひとつの家族のひとりひとりの生きざまそのものが綴られていました。それは慈しむようなものではなかったけれども、引き込まれるように読み進め...
『PRAIZE』を読んだら、やはり村山由佳さんの直木賞受賞作品が気になって、この本を手に取りました。中身の濃い一冊でした。 六編の連作短編集は、ひとつの家族のひとりひとりの生きざまそのものが綴られていました。それは慈しむようなものではなかったけれども、引き込まれるように読み進めていきました。 特に〈名の木散る〉の章が衝撃的でした。祖父の重之が体験した過去の戦時中の出来事、日本が大陸で犯した罪が生々しく綴られていました。「赦されるのを前提に謝ることを、詫びとはいわない。」という言葉の奥にある気持ちを思うと、いたたまれませんでした。 小説の中の他人の人生を読むことで、思うことがたくさんできた小説でした。何が正しくて、何が悪いのか。そんなことを逡巡しながらの読書でした。 読了後、様々なことで悲しみや苦しみがあっても、生きていかなければいけないのが人なのかもしれないと思いました。 〈目次〉 雪虫 子どもの神様 ひとりしずか 青葉蘭 雪の澪 名の木散る
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直樹賞受賞の作品、とのことで読みました。 どうしようもなく切ないことも、許せないことも、時間が経過するとともに、心に受け入れやすくなっていくのか‥‥あるいは徐々に薄まっていくのか‥‥ どれにしろ、生きてゆかなくてはならない…からそれぞれの形で受け入れるのでかもしれない。
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直木賞受賞作。 前妻と後妻の子どもがいる家族を、それぞれの視点から描く、連作短編。 次男の暁。末の妹の美希。暁の妹で長女の沙恵。年の離れた長男の貢。貢の娘の聡美。そして偏屈な父親の重之。 主人公を変え、視点を変えて描いていく中でより深く見えていく家族の姿。 そして、生きるという...
直木賞受賞作。 前妻と後妻の子どもがいる家族を、それぞれの視点から描く、連作短編。 次男の暁。末の妹の美希。暁の妹で長女の沙恵。年の離れた長男の貢。貢の娘の聡美。そして偏屈な父親の重之。 主人公を変え、視点を変えて描いていく中でより深く見えていく家族の姿。 そして、生きるということ。 最初の暁でものすごく惹きつけられ、美希で失速したように感じた。 でもそれ以降はずっと面白く、重之にはやられた。 純文学に近い読後感。
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1つの家族の1人1人の底に流れる、心の奥底に押し込めて心の内で飼い馴らし、慈しみながらひっそりと抱えているもの。家族だからって全部を知っているわけでないし、知らない世界がある。それぞれのストーリーごとに引き込まれ、各話に深い読後感があった。重いテーマが多かったが、その重さが“痛み...
1つの家族の1人1人の底に流れる、心の奥底に押し込めて心の内で飼い馴らし、慈しみながらひっそりと抱えているもの。家族だからって全部を知っているわけでないし、知らない世界がある。それぞれのストーリーごとに引き込まれ、各話に深い読後感があった。重いテーマが多かったが、その重さが“痛み”を伴っているので色んな意味で考えさせられました。今のこの年齢で出会えてよかった作品です。
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今まで村山さんの作品に縁がなく初めててにとった作品です。心の機微が波のように優しく届きました。とても優しい文体で、生きることの悲しさと美しさを感じました。人はみんな、悲しみを携えて生きていくのです。それが、その人の優しさになるのでしょうか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
村山由佳さんの本だったので、手に取りそのまま冒頭を読み始めた。 舞台が札幌だったので、そのまま読み進めた結果、あっという間に第一章の「雪虫」を読み終えてしまった。 村山由佳さんの小説は「おいしいコーヒーのいれ方」から読んでいるが年を重ねるにつれて表現が露骨になり、内容がエグくなってきている。 今回の話も同じ。 恐らく連れ子の妹と関係を持つことになるのだろうと読み進めると予想は出来たが、まさかそれ以上の結末が待っていようとは。。。 自分の今身動きが取れずにもがいている状況を重ね合わせると、その切なさや苦しさがそのままダイレクトに自分の中に入ってきて、心臓の鼓動が止まらなかった。 行動したいのに、行動してはいけない状況、そして悪い結果になるのではないかという恐れ。 恋愛って辛くて怖いよね。そのくせちょっとでも進展すると百人力。 そのほかのストーリーも「子どもの神様」は不倫のお話。 「ひとりしずか」は「雪虫」のアナザーストーリー。やはりこの二人の話の構成は面白い。ただ、エグイ。背景が色々とエグ過ぎてげんなりはする。反面、こういう経験がある人も目に見えていないだけでいるのかもなと思ってしまう。 「青葉園」はこの年になると共感できる。家族がそれぞれの道を歩き始めて、自分って一体何のために働いて家族を養っていたんだっけ?自分って何がしたくて生きているんだっけ?って思うことがある。 土いじりって面白いよね。ただ、植物を育てること自体は大学のころから好きだった。それが野菜や食べられるものに変わってきてる。 そして、一回り以上年下との不倫。経験ないから分からないけど、妻からあまり相手にされていないなら他に興味も移るよね。しかも、労せず相手が慕ってくれるなら興味本位で手も出るでしょう。 「雲の澪」・・・高校生の孫の話。最初は単なる高校生の恋愛話だと思いきややはりそこは村山由佳。全然そのまま話を終わらせず、気分が悪くなるくらい性格の悪い元同級生とカスのような彼氏。強姦されるシーンなどなくて本当によかったと思う反面、結構被害にあっている若い女性はいるのかなと思って、胸が痛くなった。ただ、この話が本当にきれいにまとめられているのは祖父の存在と言葉。他のストーリーで見ていた重之とこのストーリーとで見せる祖父の顔があまりに違うが、人なんて見る人から見て変わるものだということが本当によく分かる。「おれらはみんな、生まれる前からお前のことを、それは大事に思っとったんだ」というセリフは本当にその通りだと思う。だから、私なんかと言うセリフを安易に使って欲しくない。自分は自分一人の力で生きてきたわけではなくたくさんの人の助けがあって生かされてきたということを思い出さなくてはいけない。そこには必ず自分のことを大事に持ってくれている人たちの思いがあるから。 最後の「名の木散」⋯戦争ということを考えるいい機会を与えてくれた。理不尽だが従わなければいけない環境。人が狂気に満ちていく様、慰安婦問題。「犬ではないもの」というセリフ。どんなにひどい状況でも人でいたいというプライドを感じて何とも応援したくなった。 よく、戦争体験談を絶やしてはいけないなんて話を聞くけど、本当に戦争で苦しんだ人からすると話をしたいだけではなく、思い出したくもない。それだけ悲惨な体験だったんだと考えさせられた。 今は物価高だ、ハラスメントだと騒いでいて、それはそれで大変だけど、まだマシな時代で、比較すれば幸せな時代だなと言う感想をもった。 自分より上を見れば上がいるし、下を見れば下がいる。 あとは自分がどちらを向けば前向きに生きていけるかだろうと思う。 歳を重ねるごとに読んでみたい小説だった。 きっと感想も変わる物だと思う。
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「しろがねの葉」に続き、期せずして直木賞受賞作ウィーク。「赦し」を書きたいのだな、というのがひしと伝わる。許されたいから謝るのは違う、という表現が深い。 謝ることで赦されることは、きっとあるけれど。 そこの主従は入れ替わってはならないのだろう。
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ある家族を1つのテーマにして、それぞれの章で主人公が変わっていきます。どれも深い悲しさをはらんでいて、胸がギュッと締めつけられているようでした。 それだけ物語への没入感があったということ。
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感想 戦争にかき乱される。家族という形は境界を失っていく。皺寄せは子供達に来る。どんな形であれ恋は恋。幸せのきっかけとなると良いな。
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