姫椿 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
飼い猫が死んでしまったOL、経営に行き詰まり、死に場所を探す社長、三十年前に別れた恋人への絶ち難い思いを心に秘めた男、妻に先立たれ、思い出の競馬場に通う大学助教授…。 凍てついた心を抱えながら日々を暮す人々に、冬の日溜りにも似た微かなぬくもりが、舞い降りる。 魂を揺さぶる全八篇の短篇集。 ・・・『鉄道員』や『プリズンホテル』から浅田さんファンになったという人がとても多いと聞いたことがあるけど、私はこの本が浅田さん初です。 第一編の『シエ』はとてもとても切なくて素敵なお話。 本屋さんで立ち読みでもいいから、『シエ』だけは読んで欲しい位の勢いで、お勧めします!
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家にあったので読んでみたシリーズ。 電車の中で読んでたのですがじわじわ涙でてきて 我慢するの大変だった 最初のお話が一番好きかな
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この人の短編はいいね。すっきりオチがあるわけでもないから、ストン!とくるわけでもないけど、切なくなったり不思議がったりしみじみしたりさせてくれる。作者の境遇があらゆる所に浮遊している感じ。人は苦労すると優しくなれるのか、と思いたくなる文章のタッチ
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短編集完読。短編集はあまり好きではないが、浅田次郎作品は好きで何冊か読んでいる。 p.9.0 シエ。 善人と悪人を見分けられる想像上の生き物。人の悲しみや苦労をご馳走にして幸せな人生にしてくれる。浅田次郎のメルヘン。シエは自分自身の中に住んでいるかいないかということかな。 ...
短編集完読。短編集はあまり好きではないが、浅田次郎作品は好きで何冊か読んでいる。 p.9.0 シエ。 善人と悪人を見分けられる想像上の生き物。人の悲しみや苦労をご馳走にして幸せな人生にしてくれる。浅田次郎のメルヘン。シエは自分自身の中に住んでいるかいないかということかな。 p.70.0 姫椿。 「人間なんてあなた、そんなものですよ。まことに都合よくできている。悪い思い出はどんどん忘れてしまって、楽しいことだけを覚えているものです」そういうものかなぁ・・・ 「貧乏はしていましたが、辛くはなかったんです。どうして楽しかったことまで忘れたんだろう」 「楽しいことが多すぎるのではありませんか。今の若い人の悩みはたいがいそんなところです。贅沢ですな」 =山茶花らしい。 昔の若いころの思い出が今日の日の命を救った。 失ったものは何だったのだろう。 p.75.0 再会。 一人の人間が実はいろいろな人生(の選択肢)があって、同時期にそれぞれの生活をしていたら怖いよね。今の自分を見つめ直して。これが現実。 p.115.0 マダムの喉仏。 ゲイの生きざま。男が男のまま女として生きる。どっちがほんとの生活なのか。現代ではいろいろな生き方があり、しかも多様化していて、それが世間的には認められている風潮。変な世の中。 p.161.0 トラブル・メーカー。 ここまで読んで、以前にも読んだことがあったと思いいたる。最後のなんとも嫌な結末。トラブル・メーカーとはかかわりたくない。思い通りにいかないのが人生と思いきや、周りが何と思おうと思い通りにしたいことをしてる人もいる。 p.205.0 オリンポスの聖女。 孤独じゃないのかな。孤独が好き? 愛する気持ちとは必ずしも結婚とは結びつかないけれど、愛する気持ちも自分の信念もずっと持ち続けるのってエネルギーいるよね。 片や事実上夫婦だけど籍はいれないという事実婚は最近の結婚の形。普通の結婚生活も続けるにはエネルギーいるけどいづれも出会い、ともに生活している。結婚という契約書があるかどうかの違いだけと言ったって、それが大きな違いなんだと思うよ。とくに子供がいたら。 p.235.0 零下の災厄。 「それにしてもレイコという女はいったい何者だったんだ」 「さあ。べつに知りたくはないですね。小説じゃないんですから、詮索することに意味はないでしょう。事実を知るよりも、謎のままあれやこれやと想像したほうがずっと楽しめます」 もしかしたら小説家は卑賤な職業なのかもしれない。 そう思うと、柴君の語った零下の夜気が、ひんやりと背筋に這い上がってくるような気がした。(以上ラストを引用) “事実を知るよりも、謎のままあれやこれやと想像したほうがずっと楽しめます”事実は小説より奇なり。小説は楽しむに限る。 p.267.0永遠の緑。 いいな~。最後に良い話だった。父と娘の二人暮らし。大学の先生が競馬好きってあるのかなと思いつつ父と母の結婚も娘の縁も競馬場が背景になっている。賭けごとする場所だけれど賭けることより楽しんでいるのが良いのか、爽やかな話。
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日常の人々に起こる「奇跡」を描くことが多い著者であるが、 今回は特に驚きのラストが多い。 おすすめは「xie」。ラストに涙。
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短編集。 この本は姉に借りて読みました。 「シエ」「永遠の緑」は是非読んで貰いたい! 「姫椿」「マダムの喉仏」は時間があれば! 「シエ」は本当に号泣でした。 ラストのシエ視点からの所がもう… 涙が溢れて溢れて止まりませんでした。 読んだ後、とても暖かくなり、 ...
短編集。 この本は姉に借りて読みました。 「シエ」「永遠の緑」は是非読んで貰いたい! 「姫椿」「マダムの喉仏」は時間があれば! 「シエ」は本当に号泣でした。 ラストのシエ視点からの所がもう… 涙が溢れて溢れて止まりませんでした。 読んだ後、とても暖かくなり、 そしてこれから先の事を考えさせられる事間違いなしです! 中には「再会」「トラブル・メーカー」等 実際にありそう…と思い、考えると怖い気もする話もありで、楽しめました! 1冊でいろんなジャンルが入ってるので、 さくっと読めます。
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『オリンポスの聖女』。短編だし物語的にありそうな話だけど何故か涙が出てくる。『死』とかではなく『愛』で泣いたのは多分これが初めて。何で涙が出るのか未だ分からない。年齢重ねないと分からないのかも。 好き嫌いは分かれそうな作品かな。
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短編集 「マダムの喉仏」は今まで読んだことある作風と少しちがくて新鮮だった 「永遠の緑」好きです
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短編集。 どの物語も良かった。 マダムの喉仏とトラブルメーカーが面白かった。 きっと起こらないけどもしかしたら起こるかもしれないくらいの世界がよかった。
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「シエ」だけまず読んだのですが、 浅田小説はどうもわたしの涙腺を刺激するのが上手い。 染みるようなやさしさ。 こんなに優しくて悲しい生き物がいるならわたしも会いたいよ。
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