地獄の季節 の商品レビュー
(2004.05.06読了)(2003.03.28購入) 「新・考えるヒント」のための第2弾、ランボオ。Jean-Nicolas-Arthur Rimbaud通常、アルチュール・ランボーと呼んでいるけど、フランス語の読みは難しい。 中原中也の詩は一度ではなかなかわからず、読み直す...
(2004.05.06読了)(2003.03.28購入) 「新・考えるヒント」のための第2弾、ランボオ。Jean-Nicolas-Arthur Rimbaud通常、アルチュール・ランボーと呼んでいるけど、フランス語の読みは難しい。 中原中也の詩は一度ではなかなかわからず、読み直すと少しは、心に響くものもあったけど、ランボオはさらに一段と心に響きにくい。難儀なことだ。家の神さんは詩に対する、音楽に対する、感性がなかなか優れているけれど、僕はなかなか大変だ。 著者 ランボオ 1854年10月20日 アルデーヌのシャルルヴィルで生まれる(フランス) 1870年 「酩酊船」 1873年 「地獄の季節」執筆 「飾画」もこの頃 1873年7月10日 ヴェルレーヌによるピストル事件 1874年 ロンドンでフランス語の教師 1875年 ストッツガルトで家庭教師 1876年 オランダ植民地志願兵としてジャヴァ滞在 1877年 サーカス団の通訳としてスウェーデン、デンマークを巡回。 マルセーユで荷揚人足。 1878年 キプロス島の石切り場の監督 1880年 紅海の入り口のアデンとアビシニアのハラルを根拠地として商業取引。 (アデンは、イエメンの都市。アビシニアは、エチオピアのこと) 1891年2月 ハラルで滑液膜炎にかかる 1891年5月 マルセーユへ 1891年11月10日 死亡 37歳 ランボオが生まれた1854年は、ペリーが再度やってきて日米和親条約が調印された年である。1868年が明治元年。1877年西南戦争。ランボオが作品を執筆していた1870年から1875年ごろは、日本では明治が始まったばかりの頃ということになる。 ランボオの作品は中原中也も翻訳しているし、小林秀雄も訳している。感受性ゆたかな人々に訴えるもののある作品なのだろうと思う。 感受性の鈍い僕にはなかなか難儀なことである。インターネットで、ランボーを検索してみたら、ランボーの詩は、青春時代の書きなぐりだというような説もあった。16歳から20歳ぐらいまでの時期で作品の製作は終わっている。 「地獄の季節」の冒頭の作品には「俺の生活は宴であった」「俺は『美』をひざの上に座らせた。苦々しいやつだと思った。」「俺はとうとう人間の望みという望みを、俺の精神の裡に、悶絶させてしまったのだ。」というような文章がある。青春の傲慢とでもいうものであろうか?文章の才能を感じさせるものでもあろう。 「一番高い塔の歌」には、次のような一説がある。 時よ、来い、 ああ、陶酔の時よ、来い。 青春の謳歌であろうか?高らかにうたう。 「飢」という詩は次のように始まる。 俺に食いけがあるならば まず石くれか土くれか。 毎朝、俺が食うものは 空気に岩に炭に鉄。 実に自虐的だ。これも青春特有の空元気か。 何度も眺めていれば面白いものも見つかるようだ。
Posted by
インテリチックで美の感性にあふれている 悪徳まみれを装いすぎてる感もある マッチョイズムにたいしてある種の恐れと憧れを抱いているかもしれない
Posted by
この激しさで以って魂をぶつけた詩作をこの後一切捨ててしまった、 彼の絶望はいかばかりだったのかと思います。 しかし詩作に熱中しているときの、 天才的な勘でする言葉遊びを楽しむ子供のようなランボーを想像するのは和みます。
Posted by
薄くて安くて貧乏人に嬉しい 下準備に『ランボオの手紙』をオヌヌメします 難解だけど何故か繰り返し読んでしまう作品です 色んな訳を読み比べると面白いかも 原文読めるのが一番なんだろうけど
Posted by
ランボオは120年前くらいにこんなこと言ってる。”ところで暮らせるものだけは、決して手に入るまい、僕は静かに生きも静かに死にもしまい、これほど確かな事はありますまい。””要するに、回教徒が言う「世の定め」だ。これが人生です。人生は茶番ではない。”言い切ったね。問題ない。そのとおり...
ランボオは120年前くらいにこんなこと言ってる。”ところで暮らせるものだけは、決して手に入るまい、僕は静かに生きも静かに死にもしまい、これほど確かな事はありますまい。””要するに、回教徒が言う「世の定め」だ。これが人生です。人生は茶番ではない。”言い切ったね。問題ない。そのとおり。そっから。人って歩き出す。カッコいい。
Posted by
読んでいる私がこのなかの「俺」になってしまいそうな錯覚を覚えて気味が悪かったんだけれどもそんなことは思い違いであってただとても面白かっただけなんです
Posted by
今の段階では全読していない。昔、教科書にのっていて忘れられなかった詩が入っているので買ってみた。訳者は違うが。 また見つかった、 何が、永遠が、 海と溶け合う太陽が。 頷いた。
Posted by
初めて読んだランボーの詩がこれで、かなり衝撃を受けた。あまりにもインパクトが強すぎて、『地獄の季節』での一人称は、「俺」以外だと違和感を感じるくらい。誤訳も多いと聞くが、私はこの訳詩が一番好き。
Posted by
何だか息が詰まります。 退廃的で美的。 首を傾げてるんだけど、綺麗さは分かってる。そんな読後感。
Posted by
自分には詩を楽しむという能力がないことを知った本。 100年位フランス語を猛勉強する機会に恵まれたら、原著にトライしてみようと思います。
Posted by