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一瞬の光 の商品レビュー

3.7

240件のお客様レビュー

  1. 5つ

    50

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

    76

  4. 2つ

    17

  5. 1つ

    6

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2020/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

よかった。とてもよかった。こんな形で一緒になってほしくなかったけど、最後お互いの気持ちに気づけてよかったとは思う。いつものことながら白石一文の描く主人公が登場人物たちを分析するくだりが精緻で普段我々も感じているなんとなくの雰囲気とかを的確に表現している。

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2020/07/29

これが白石さんのデビュー作かぁ…という感じ。(良い意味で) 内容重め、香折のことイマイチ好きなれない、でも先が気になって一気読みだった。 読後感もよくないけど、なぜか惹きつけられるのが白石作品。笑

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2020/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

社内抗争の荒波と、虐待を受けた過去をもつ女性との交流の中で自分を見つけていく。 大事が起きたとき、なぜ私がことにあたらないでおられようと考える、その意思こそが人間の道徳観念を形作ってきた、という一文が心に刺さった。 誰かに大切にしてもらうことを良しとする事が自分自身を大切にすることにつながり、人を大切にする中で自分を見つけ出していく。

Posted byブクログ

2020/03/17

ゼミ課題の用例探しで適当に取った一冊。 用例だけ探そうと思って読み飛ばししてたんだけど、内容がなかなか面白くて(てか斬新で)途中から要点だけ読むようになりました 東大卒のエリートサラリーマンが、ある短大生との出会いを通して本当に大事なものを見つけていくというストーリー。 ...

ゼミ課題の用例探しで適当に取った一冊。 用例だけ探そうと思って読み飛ばししてたんだけど、内容がなかなか面白くて(てか斬新で)途中から要点だけ読むようになりました 東大卒のエリートサラリーマンが、ある短大生との出会いを通して本当に大事なものを見つけていくというストーリー。 最初は『なんだこの主人公』って思いました。 事情が事情でも彼女と同棲中なのに別の女の子を自分の家に入れるって…笑 発言がいちいちエリートすぎるし笑 行動も高慢というか自己満というか(ラストも含め)… でも、だんだんと女子大生の過去が明らかになって 兄の追跡を受けていくうちに 『こんなの現実にあったら…』と思わされます。 現実的にこういうことに悩まされてる人いるのかな?って、“悩む”って言葉じゃ軽すぎるんだろうけど。恐怖、に近いかな。フィクションであってほしい そんな事態から逃げないで(一時的に彼氏に預けたのは逃げたともとれるが)彼女を守ろうとするうちに主人公がだんだんと大事なものに気づいていく。 ハッピーエンドではないんだけど、主人公にとっては大事なものに気づけたことがハッピーエンドだったのかなぁ…なんて。 ラストシーンの後がどうなろうと、後悔はないんだろうな。浩介はね。 香折の気持ちはどうだろう。浩介はヒーローじゃないかもね、見方によるとは思うけど。 背表紙に感動の大作って書いてあったけど…なんか普通の感動とは違う感動でした。 主人公の設定が一般サラリーマンじゃないだけに心情の変化が心を打つというか。 兄からの追跡がちょいちょいグロいので想像力豊かだと恐怖倍増。 要点読みだったので時間があったらもう一回読みたいと思います。 読み終わった後に『ふぅ~』っていう気持ちにならなかったので☆四つ。

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2020/02/20

主人公がなんだか人間味がなく、感情移入できないため、あまりのめり込んで読むことができない小説です。 でも同じ社畜として共感できる部分は多かったです。

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2019/12/30

大手企業の出世頭として嘱望されていた橋田浩介は、派閥抗争に破れた。それはトップに君臨して会社を牽引していた人物の裏切りだった。彼の手腕を認めた反対派の誘いがあったが、彼はそれまでの闘志も意欲も失ってしまっていた。 面接官として出会いバーで二度目の出会いをした香折が、男に絡まれてい...

大手企業の出世頭として嘱望されていた橋田浩介は、派閥抗争に破れた。それはトップに君臨して会社を牽引していた人物の裏切りだった。彼の手腕を認めた反対派の誘いがあったが、彼はそれまでの闘志も意欲も失ってしまっていた。 面接官として出会いバーで二度目の出会いをした香折が、男に絡まれているたのを助けたことでかかわりが出来る。 辞表を出した後も、複雑な生い立ちをした香折が気にかかり、何かと面倒を見る羽目になる。 浩介には上司の縁続きの女として完璧な彼女、瑠衣がいた。人が振り返る美しさと聡明さを持ち絶品の料理まで作る。ひたすら愛し続けてくれる彼女はいたが、孤独で人生を投げたような香折が常に気になっていた。 彼は、辞表を出した後でも、理想的な家庭を築けそうな瑠衣との人生を選べば、社内でも安定して昇進していけただろう。別の道を選んでもそれでも着いて行くと瑠衣はいっていた。 作者は瑠衣の美しさ純粋な愛情を浩介にぶつけてくる。そして親と兄からDVを置け続け、欝に悩み、今でもおびえて暮らす香折が常に心にある浩介を書く、女として愛しているのではない、瑠衣を置いてでも香折には手を差し伸べねばと思っている。 エリートとして抜擢された地位が揺らぎ、会社経営の暗部を見てしまった、確かに現代社会には明るい面は少ない、彼はそれを是として飲み込んできたが、わが身に及んだ深い人間不信の感情は、拠って立ってきた大きな柱を微塵に砕くものだった。 生活はそう純粋な温室で育つようなものではない、濁った水に揉まれていると、澄んだ流れに出会うこともある。 読者としては、孤独な戦いをしてきた浩介に瑠衣という贈り物をささげたくなる。香折は兄に襲われ人事不省から回復しても意識がいつ戻るかわからない。浩介に関わって欲しくないと読みながら思う。 浩介の決断は作者の書くという姿勢が見える。 非の打ち所のない瑠衣と傷だらけの香折、どちらに寄り添って生きるか。感動的な幕切れを書いた、白石という作家が世に出た読み甲斐のある作品だった。 社内の抗争、政治がらみで経営の深部までの話は浩介の立場を現すものだろうが、結果的に人間性を探るものならもう少し簡単でもいいような気がした。 たがそれは欲張りな感想で、この作家のものをもう少し読んでみたくなった。

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2019/06/06

自分を愛していないと人を愛することはできないが、人を自分以上に愛して初めて本当に自分を愛することができる

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2018/07/16

【あらすじ】 三十八歳という若さで日本を代表する企業の人事課長に抜擢されたエリート・橋田浩介。彼は、男に絡まれていたところを助けたことがきっかけで、短大生・中平香折と知り合う。社内での派閥抗争に翻弄されるなか、橋田にとって彼女の存在は日増しに大きくなっていった。橋田は、香折との交...

【あらすじ】 三十八歳という若さで日本を代表する企業の人事課長に抜擢されたエリート・橋田浩介。彼は、男に絡まれていたところを助けたことがきっかけで、短大生・中平香折と知り合う。社内での派閥抗争に翻弄されるなか、橋田にとって彼女の存在は日増しに大きくなっていった。橋田は、香折との交流を通じて、これまでの自分の存在意義に疑問を感じ、本当に大切なことを見いだしていくのだった…。―混沌とした現代社会の中で真に必要とされるものは何かを問う、新たなる物語。各紙誌書評で絶賛と感動の声を集めた気鋭のデビュー作、待望の文庫化。 【感想】

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2018/05/08

読みやすい文章の中に、生きるとは何か、愛とは何か、という示唆が散りばめられていて、素敵な小説だった。 自分を愛していないと人を愛することはできないが、人を自分以上に愛して初めて本当に自分を愛することができる というメッセージは心に刺さった。 自分も死にたいと思った時に必ず顔...

読みやすい文章の中に、生きるとは何か、愛とは何か、という示唆が散りばめられていて、素敵な小説だった。 自分を愛していないと人を愛することはできないが、人を自分以上に愛して初めて本当に自分を愛することができる というメッセージは心に刺さった。 自分も死にたいと思った時に必ず顔が浮かぶ人がいる。その人のことを思うと、自分の死後その人はどれだけ悲しむだろうかと思うと死ぬことなどできないと思わされる。 もし自分が1人だけだったら自殺など簡単にできてしまう気がするが、私はその人を自分以上に大切にしたいと思えるから自分のことも大切にしようと思うのだ、と本書を読み終えて言語化できた。 『僕のなかの壊れていない部分』も良かったが、哲学書のようで、小説という観点だと個人的に本書の方が好みだ。

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2018/03/13

ドロドロの社内政治。 ドロドロの崩壊家族。 そこから人を救うのは、純粋な愛情? 一気読みでした。

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