よろずや平四郎活人剣 新装版(下) の商品レビュー
映像が目に浮かぶような趣向
映像が目に浮かぶような趣向。読む時代劇といった感じ。 個人的には下巻は懲りすぎの感じ。上巻の方が好み。
いけだ
連作短編シリーズ、一…
連作短編シリーズ、一話完結で12編を収める。水野忠邦が進めた天保の改革が江戸庶民の生活を圧迫し、低迷する経済政策に絡む政治的暗闘、平四郎と昔の許婚早苗との関係はどうなるのか。江戸庶民の生活を浪人平四郎の眼を通して活き活きと描く。エピローグは「燃える落日」である。念願の剣道場を開設...
連作短編シリーズ、一話完結で12編を収める。水野忠邦が進めた天保の改革が江戸庶民の生活を圧迫し、低迷する経済政策に絡む政治的暗闘、平四郎と昔の許婚早苗との関係はどうなるのか。江戸庶民の生活を浪人平四郎の眼を通して活き活きと描く。エピローグは「燃える落日」である。念願の剣道場を開設する運びとなり、「平四郎さまのために、お食事を作ってさしあげられるようになるとよろしいのですけど」、「いつかはそうなる」と平四郎。恋は成就し、二人の友人にもかすかに明るい夜明けが感じられる最終章である。天保十四年閏九月十三日、老中
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2024/12/3読了予定。時代は江戸末期に差し掛かる天保の改革で江戸市中には鬱屈感が漂っていた。(政治的背景と主人公の立ち位置:老中主座水野忠邦、奉行鳥居耀蔵らの改革体制派と批判的勢力の老中堀田正睦がいた。平四郎は幕臣で堀田方につながる目付で知行千石の旗本神名監物の末弟で部屋住...
2024/12/3読了予定。時代は江戸末期に差し掛かる天保の改革で江戸市中には鬱屈感が漂っていた。(政治的背景と主人公の立ち位置:老中主座水野忠邦、奉行鳥居耀蔵らの改革体制派と批判的勢力の老中堀田正睦がいた。平四郎は幕臣で堀田方につながる目付で知行千石の旗本神名監物の末弟で部屋住。そもそも平四郎は父親が台所方の女中に手をつけて生まれた経緯があるだけに肩身が狭く兄に頭が上がらない。平四郎には早苗と言う養子縁組を直前にした貧乏旗本の許嫁がいたが、その縁組先の家が突然に取り潰させられ縁組が破談になった過去を抱える。つまり浪人)平四郎の時代認識は、彼の言葉で言えば「武家が武家であることだけであがめられた時代が、徐々に過ぎつつあるのを平四郎は感じている。」そんな平四郎は村松町与助店に仲裁屋「よろずもめごと仲裁つかまつり候」の看板を掲げた。
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藤沢周平「よろずや平四郎活人剣(下)」、2003.12発行。短編連作12話、全486頁。いくつかは上巻からの続編。平四郎のよろずもめごと仲裁も堂に入ってきました。平四郎の許嫁で、家の借金のため高利貸しに買われてた早苗が平四郎の元で一緒に暮らすことができるようになったラストに大拍手です。
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内容(「BOOK」データベースより) 世に揉め事の種はつきぬとはいえ、依頼主のもち込む話は多彩を極める。中年夫婦の離縁話、勘当息子の連れ戻し、駆け落ち娘の探索等々。武家と違い、万事気侭な裏店にも、悲哀にみちた人生絵図がある。円熟期にあるこの作家の代表的連作シリーズ、愈々佳境。人...
内容(「BOOK」データベースより) 世に揉め事の種はつきぬとはいえ、依頼主のもち込む話は多彩を極める。中年夫婦の離縁話、勘当息子の連れ戻し、駆け落ち娘の探索等々。武家と違い、万事気侭な裏店にも、悲哀にみちた人生絵図がある。円熟期にあるこの作家の代表的連作シリーズ、愈々佳境。人の姿、世の姿の哀切な陰影を端正に写し出す話題作。
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緩み具合といえば、友人(?)明石半太夫。 詐欺漢まがいのこの人物の造形もさることながら、主人公とのつきあいぶりが、いかにも古き良き江戸の、人と人との関わりを彷彿とさせる――もちろんそれは創作された世界ではあるが、そういう緩さもありえたのだろうと思わせてくれる―― もう一人の友人...
緩み具合といえば、友人(?)明石半太夫。 詐欺漢まがいのこの人物の造形もさることながら、主人公とのつきあいぶりが、いかにも古き良き江戸の、人と人との関わりを彷彿とさせる――もちろんそれは創作された世界ではあるが、そういう緩さもありえたのだろうと思わせてくれる―― もう一人の友人、朴訥な人柄の北見十蔵、そして主人公である神名平四郎、この三人の掛け合いぶりは目が離せない。 といってもそれは、この長編を構成する背景の一つに過ぎない。 連作短編という形式で、さまざまな事件を織り込みながら、作者の練達の筆は、物語を絞めたり緩めたり思うがままに、われわれに読むことの楽しさを提供してくれる。
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解説にある表現力の凄さ、自然な肩肘張らない言葉の並べ方、読んでいる時は殆ど気づかずに過ごしてしまった。ただ、独特の雰囲気に引き込まれて、次を読みたいという感覚に支配されて一気に読んだことは事実。日常生活を淡々と送るような文章が藤沢の真骨頂なのであろう。新しく珍しい知識や斬新な視点...
解説にある表現力の凄さ、自然な肩肘張らない言葉の並べ方、読んでいる時は殆ど気づかずに過ごしてしまった。ただ、独特の雰囲気に引き込まれて、次を読みたいという感覚に支配されて一気に読んだことは事実。日常生活を淡々と送るような文章が藤沢の真骨頂なのであろう。新しく珍しい知識や斬新な視点といった刺激を求めて読書をするのではなく、たただ日常のなかで時間を楽しむために読むものであろう。ストーリー構成もいくつかの次元を輻輳させ立体的にし重厚感を出している。大人の読み物である。
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時代物は相変わらず苦手ではあるが、大分世界観に慣れてきた。 貨幣価値も自分なりに今の価値に置き換えて読み進めることもできるようになった。 この話は、用心棒でも岡っ引きでもない、仲裁屋さんの物語。 弁口とまぁ剣術も武器にするわけだが、戦っても峰打ちで実に平和的だった。 藤沢周平...
時代物は相変わらず苦手ではあるが、大分世界観に慣れてきた。 貨幣価値も自分なりに今の価値に置き換えて読み進めることもできるようになった。 この話は、用心棒でも岡っ引きでもない、仲裁屋さんの物語。 弁口とまぁ剣術も武器にするわけだが、戦っても峰打ちで実に平和的だった。 藤沢周平先生の作品は、どれも大筋が一本あって、短編が続くパターンのようだ。 勧善懲悪でハッピーエンドは日本人には大いに受けるだろう。
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下巻。 主人公が商売として、よろずもめ事をおさめるわけだけども、おとしどころがなかなか良いのよね。キレイゴトじゃなく、人間臭くて。
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下巻は、平四郎がよろずもめごと仲裁を行いながら、平四郎の兄で目付の神名監物の用心棒などを、無理やり引き受けさせられながら、許嫁であった早苗を親の借金のかたに菱沼の妻としていた惣兵衛が、南町奉行鳥居耀蔵にこれまでの行状をとがめられ、捜索を受けているのを兄と目撃する。明石、北見と共に新しく道場を開設するという計画が再び実現にむけ前進し、早苗の離縁状を菱沼惣兵衛から取り、鳥居耀蔵の裏切りで老中水野忠邦失脚するまでを描く。天保の改革が行われた時代の流れとその影響を受けた江戸長屋情景が見事に描かれた名作。
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