晩鐘(下) の商品レビュー
真裕子が建部に心を許し、一緒に歩いていくことを決めた下巻。 事件は無くならない。 真裕子の中からも消えることはない。 でも、全てを知っている建部がいてくれたら、真裕子は前を向くことが出来る。 そして、義弟の俊平も大切な存在。 被害者遺族が、少しずつその傷を癒していける展開に安堵...
真裕子が建部に心を許し、一緒に歩いていくことを決めた下巻。 事件は無くならない。 真裕子の中からも消えることはない。 でも、全てを知っている建部がいてくれたら、真裕子は前を向くことが出来る。 そして、義弟の俊平も大切な存在。 被害者遺族が、少しずつその傷を癒していける展開に安堵のため息をつきました。 一方、香織は仕方ないとしても、大輔には心配していた以上のことが起こってしまった。 環境のせいとは言え、かなり荒んだ子に育ってしまっていたことで、同情できずに読み進めていましたが、最後の展開はかなりキツかった。 ひとつの事件が周りに与えた影響。 実際にもこういうことは起こっているのかもと思わされました。
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「風紋」の続編下巻。 建部と歩んでいく決心をし、立ち直ろうとする真裕子。 東京での生活に閉塞し、父親の事件に近づいていく大輔。 真裕子ら被害者家族と、香織、大輔ら加害者家族の将来の明暗が分かれていく。 一つの犯罪が巻き起こすエネルギーの凄まじさを感じるストーリー。 ...
「風紋」の続編下巻。 建部と歩んでいく決心をし、立ち直ろうとする真裕子。 東京での生活に閉塞し、父親の事件に近づいていく大輔。 真裕子ら被害者家族と、香織、大輔ら加害者家族の将来の明暗が分かれていく。 一つの犯罪が巻き起こすエネルギーの凄まじさを感じるストーリー。 因果というものを感じずにはいられない。
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負の連鎖、逃れられないのか。 堪らなく、悲しい話だった。義弟の俊平くんが、子供らしくかわいかった。彼が、暗い話の中で唯一明るさをくれた。 上下合わせて長編だったが、全く苦にねらなかった。
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『風紋』の続編。 読中、寝ても覚めても登場人物たちのことが気になってたまらなく、頭から離れないほどの強烈な衝撃を受けた。 犯罪加害者と被害者、その家族、親族、周りの者たちが受けるその爆風ともいうべき余波。 すさまじい小説だった。
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下巻。重い。読後もいろんな考えがぐるぐる廻っている。 加害者の身内というだけでどこまでもついてくる。 生まれてきて、ただ生まれてきただけなのに、 いつの間にかその役割を背負うことになってしまってた。 一生ずっと離れない。 松永を取材することはなかったから、その前後の事情はとうとう...
下巻。重い。読後もいろんな考えがぐるぐる廻っている。 加害者の身内というだけでどこまでもついてくる。 生まれてきて、ただ生まれてきただけなのに、 いつの間にかその役割を背負うことになってしまってた。 一生ずっと離れない。 松永を取材することはなかったから、その前後の事情はとうとうわからない。 どんな人だったのかも、とうとうわからない。 もうそれを知っても、救われるとは思えない。 第9章の大輔の中の「向こう」の話を、大輔はしゃべるだろか。 大輔と作者と読者しか知らない心の中だ。 ともかく、哀れでたまらない。 変わりつつある真裕子と建部さんの魅力だけが救いと思う。
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本プロでよく名前を見ていたので借りました。予想以上の厚さにびっくり!これは鬼兵と同じ厚さ、読みきれるか、と思っていたら予想以上の面白さに夜なべして読んでしまった。 残念なことに「風紋」の存在を知らなかったのでこちらから読んでしまったが、それでも面白かった。犯罪被害者と加害者の家族...
本プロでよく名前を見ていたので借りました。予想以上の厚さにびっくり!これは鬼兵と同じ厚さ、読みきれるか、と思っていたら予想以上の面白さに夜なべして読んでしまった。 残念なことに「風紋」の存在を知らなかったのでこちらから読んでしまったが、それでも面白かった。犯罪被害者と加害者の家族、それらは全て被害者なのだと改めて思う。 香織がどのようにしてこんな女になって言ったのか、それが風紋を読めば解るのだろうが、平凡な主婦として子供の母親であったかもしれないのに、ここに出てくる女は子供に対する愛しかたを忘れてしまい,生きることに生き残ることに執着している女になってしまった。それでも愛情をかけてくれる祖父母がいたのにどんどん破滅へと向かう大輔、連鎖を断ち切ることが出来なかったのはその年齢のせいだろうか。 「手紙」を読んだときにも思ったが、犯罪が一つ起きるとその周囲の人たち全てが何らかの形で被害者であり加害者になるのだと思う。子供が犯罪を犯したときその子をそんなふうに向かわせてしまった罪、そんな犯罪を食い止める事の出来なかった罪、愛するだけではそうにもならなかった罪。そして一生逃げる事の出来ない傷を受ける。 真裕子について言えば、その傷を傷として持ったまま生きていけるようになったのは7年という歳月もあるのかもしれない。建部の力もあるかもしれないが・・・。 7年だから小学生なのだろうが、小学生だからこの結末なのかもしれないが、もう少し大人になってからにしてほしかった。せめて小説の中くらい小学生にこんなことさせないでほしいと思ってしまう。 今「風紋」を読もうかどうか迷っている。この厚さなんだろうし、その結末もわかっているし。でも香織の変化と松永の弟の絶望を知りたいとも思う。 乃南アサ、「凍える牙」以来最近「氷雨心中」くらいしか読んでいないが、なかなか
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「風紋」の続編。 主人公の男の子が小学生であったことが辛かったです。 加害者の家族、被害者の家族、事件は終わることなく永遠と続いていくんだな・・って思います。 もう一人の主人公が最後は幸せになれそうでほっとしました。彼女を支える新聞記者が第三者として、客観的に事件を整理していって...
「風紋」の続編。 主人公の男の子が小学生であったことが辛かったです。 加害者の家族、被害者の家族、事件は終わることなく永遠と続いていくんだな・・って思います。 もう一人の主人公が最後は幸せになれそうでほっとしました。彼女を支える新聞記者が第三者として、客観的に事件を整理していってくれるので、納得しながら読みました。
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内容(「BOOK」データベースより) 殺人犯の父親を持った少年。運命が変わったあの日から七年、心に癒しがたい傷を負った人々の物語。話題作「風紋」続編。
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「風紋」から7年後の物語。世間ではとっくに過去となっている事件も、当事者たちの中では未だ消えることなく、日々心身を苛み続けている、という重い話。読み応えは前作以上にばっちりなのだけれど、重くてつらいのも前作以上。いい作品であることは間違いないけれど、この結末はちょっとあんまり、か...
「風紋」から7年後の物語。世間ではとっくに過去となっている事件も、当事者たちの中では未だ消えることなく、日々心身を苛み続けている、という重い話。読み応えは前作以上にばっちりなのだけれど、重くてつらいのも前作以上。いい作品であることは間違いないけれど、この結末はちょっとあんまり、かもしれない……。すごーく良いのだけれど、「おすすめ!」とは少し言いにくい雰囲気の作品。 被害者の身内と加害者の身内、いったいどっちが「まし」なのか。較べられる問題ではないだろうけれど、これを読むと、「加害者の一族はみんな加害者」的な扱いを受ける加害者の家族が実はいちばんの被害者なのかもしれない、と思う。「殺人犯の家族は殺人犯になる」ことがもしあるとすれば、それはそういった周りの偏見のせいだろうなあ、とそう思わされてしまう。作中に「連鎖」と題された記事が出てくるけれど、この物語がまさにそう。「悲劇の連鎖」は被害者側だけでなく、加害者側により一層起こってるんだよなあ。 被害者の家族は完全にとはいかなくても立ち直ることができるけれど、加害者側はそう簡単にいかないのかもな、という印象のこの話。こういった物語が昨今の犯罪抑止に役立たないものかな……。少なくともこんなの読んだら、犯罪起こそうって気には絶対ならないだろうけど。
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上巻に続きどんどん読めました。 丁寧な心理描写は良かったのですが、それに比べると最後の展開が…うーん、ややガッカリ。 お母さんの死を乗り越えて少しずつ元気になっていく女性の方の話は良かったけど、反対側は…こういう方向に向かわなければならなかったのはなぜでしょう。 加害者の家...
上巻に続きどんどん読めました。 丁寧な心理描写は良かったのですが、それに比べると最後の展開が…うーん、ややガッカリ。 お母さんの死を乗り越えて少しずつ元気になっていく女性の方の話は良かったけど、反対側は…こういう方向に向かわなければならなかったのはなぜでしょう。 加害者の家族も一生重い十字架を背負って生きなければならない、というのはわかるのですが、知らずに育った子なのになぜ?と。
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