シェエラザード(下) の商品レビュー
読みたくて、続きが知りたくて、なのに間に挟まった卒論の締め切り。文献を読みつつで集中できなかったのが残念。
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『順ちゃん。私、あなたを捨てるわ。』愛してるからこそ、別れる。自分自身の為に、別れる。 こんな別れがあっても、悪くない。
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攻撃されないはずの病院船がなぜ撃沈されたのか。 その謎が明らかに。 「われわれが平和と繁栄のうちに葬り去っていたもの。 忘却することで自分の幸福が約束されるのだと信じていたもの。 弥勒丸は日本人の良心そのものだった。」 海の男たちの誇り高き生き方に憧れる。 われわれは...
攻撃されないはずの病院船がなぜ撃沈されたのか。 その謎が明らかに。 「われわれが平和と繁栄のうちに葬り去っていたもの。 忘却することで自分の幸福が約束されるのだと信じていたもの。 弥勒丸は日本人の良心そのものだった。」 海の男たちの誇り高き生き方に憧れる。 われわれは忘れてはいけないことを忘れてしまい, 安穏と生活しているのかもしれない。
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愛されたことは忘れても、愛したことは忘れない。何事にも共通する言葉ではないかと。自分から動かないと人生だって自分のものには出来ないのかもしれませんね。
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浅田次郎さん初読。“奇跡を書く作家”なんて言われてたりもしてますが ほかの作品も“奇跡”と言えるような内容のものが多いのかな。これは、阿波丸事件 という実話をもとにした上下巻。いちどNHKでもドラマ化されたようですね。。。 タイタニック号よりも被害者数の多い2千名超とともに沈んだ...
浅田次郎さん初読。“奇跡を書く作家”なんて言われてたりもしてますが ほかの作品も“奇跡”と言えるような内容のものが多いのかな。これは、阿波丸事件 という実話をもとにした上下巻。いちどNHKでもドラマ化されたようですね。。。 タイタニック号よりも被害者数の多い2千名超とともに沈んだ海難事故。事故、というか戦時中のことですし事故ではなく目的を持って故意に沈められた、というのがやはり実情なのでしょうね。真実は今も海の底。 沈没船とともに沈んだ2兆円の金塊。引き上げるための100億の融資を求める台湾政府の謎の男。裏社会、詐欺、そういう内容かと思いきやさにあらず。弥勒丸という美しい船の哀しい運命、戦争の理不尽さに 途中から胸のなかに鉛を入れたような気持ちで読み進んでいきました。弥勒丸にかかわるさまざまな登場人物の思いが交錯し、戦時下の秘密任務を背負った弥勒丸の歴史がすこしずつ読者に明らかにされていく。第二次大戦の背景ってこうだったのかもしれない、、軍人たちのやりとりもリアルさがあります。負け戦を最初から見通していた参謀。 正義の二文字で封印した胸の内で、自らの良心を殺していった男たち。「いやなことは忘れてしまわないと人間は生きてはいけない。」 「時代の苦悩はその時代を生きたものだけが背負えばいい、変に申し送ろうとするから、間違いをくりかえす。」「ゴミを拾うと、人間はそのかわりに誇りを捨てる。同じ分だけのね。」「本土決戦とは何だ。一億玉砕とは何だ。それは、国があとかたもなく滅びるということではないのか。」「偶然とは事実の免罪符でしかない。」 登場人物の台詞に何度も立ち止まり深く考えさせられました。 過去と現在が折り重なるように語られるドラマの構成は ちょうど船のスクリューのように話の中へ読者を引き込んでいきます。 ラストはとても哀しい。物語のラストというより、弥勒丸の最期。 狂気と理不尽の海の上を 優雅に進んでいく貴婦人のような弥勒丸の姿が、はっきり見えた気がする。 「シェエラザード」はもともとはアラビアンナイト・ストーリーであり、それを題材にしたリムルスキー・コルサコフの交響曲だそうです。この曲は弥勒丸船内でいつもかかっていたレコードの曲。海上の貴婦人の運命を彩るように奏でられていたこの曲がタイトルになっているところもぐっとくる。 読み応えのある作品でした。よー、そろー。
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最高でした。最初は引き揚げまでを描くのかな?と思っていたけど、そんなシーンはまったく必要なく、弥勒丸をめぐる人間ドラマですね。土屋が百合子達を船に乗せまいと乗船受付から追い返す姿には胸を打たれ、森田船長をはじめ船員達が悟りを開いたかのごとく弥勒丸とともに沈みゆく姿には感動です。ク...
最高でした。最初は引き揚げまでを描くのかな?と思っていたけど、そんなシーンはまったく必要なく、弥勒丸をめぐる人間ドラマですね。土屋が百合子達を船に乗せまいと乗船受付から追い返す姿には胸を打たれ、森田船長をはじめ船員達が悟りを開いたかのごとく弥勒丸とともに沈みゆく姿には感動です。クライマックスの「シェエラザード」の章では宋英明の語りによって弥勒丸の最後が描かれますが、こうした独白の使い方は浅田次郎の真骨頂。本当にうまい。
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戦時中の豪華客船、「弥勒丸」。 この船は戦時中赤十字のしるしを掲げていたはずが、敵に撃沈されてしまった。 その原因は、何か。 弥勒丸に積まれていたはずの黄金を掘り起こすため、情報収集に乗り出すが。 いろいろと情報を探っていくと、弥勒丸が受けていた命は意外なことだった・・・!!とま...
戦時中の豪華客船、「弥勒丸」。 この船は戦時中赤十字のしるしを掲げていたはずが、敵に撃沈されてしまった。 その原因は、何か。 弥勒丸に積まれていたはずの黄金を掘り起こすため、情報収集に乗り出すが。 いろいろと情報を探っていくと、弥勒丸が受けていた命は意外なことだった・・・!!とまぁ、上巻を読んで感じていた血湧き肉踊るような話ではなく、以外性がありました(笑)
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前半、やや冗長な印象もありましたが、「シェエラザード」というタイトルの通り、怒涛の如く捲し立てていきます。ヒロインの辿り着いた答えが良いです。
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2007/2/12読了。 以前、NHKのドラマを見たことがあったので、映像ありきで読み進んでいきました。(誰が出ていたかはあんまり覚えていないけど、長塚京三と小澤征悦が出てたのは確か)最後の独白部分は、まさにシェエラザードの四楽章コーダ以降を連想させます。歴史ものが好きな方はぜひ...
2007/2/12読了。 以前、NHKのドラマを見たことがあったので、映像ありきで読み進んでいきました。(誰が出ていたかはあんまり覚えていないけど、長塚京三と小澤征悦が出てたのは確か)最後の独白部分は、まさにシェエラザードの四楽章コーダ以降を連想させます。歴史ものが好きな方はぜひ。
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『われわれが平和と繁栄のうちに葬り去っていたもの。忘却することで自分の幸福が約束されるのだと信じていたもの。 弥勒丸は日本人の良心そのものだった。』
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