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秘密の花園 の商品レビュー

3.4

85件のお客様レビュー

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2014/03/22

カトリック系の女子高に通う那由多、淑子、翠、それぞれの視点で描かれる連作短編集。表向きはお嬢様学校に通う恵まれた高校生だが、三人三様の秘密、心の闇を抱えている。 幼い頃に受けた心の傷から乾いた心を持て余し、すべてを押し流してくれる洪水を待ち望む那由多と、パンドラの箱に残された希望...

カトリック系の女子高に通う那由多、淑子、翠、それぞれの視点で描かれる連作短編集。表向きはお嬢様学校に通う恵まれた高校生だが、三人三様の秘密、心の闇を抱えている。 幼い頃に受けた心の傷から乾いた心を持て余し、すべてを押し流してくれる洪水を待ち望む那由多と、パンドラの箱に残された希望が一番やっかいな災厄だと言う翠が印象的。わずかでも希望があるからこそ期待し、その先には絶望もあり得る。思春期特有の孤独感や疎外感、嫉妬、恐れ、もどかしさが美しい文章で綴られる。個人的には翠に最も共感できる。

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2014/03/21

私は、なにをしているんだろう。 どうしたら「私」でいられるんだろう? カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。 性格の異なる三人の「私」は、家族、学校、男たちの中にあって、それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。 「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑...

私は、なにをしているんだろう。 どうしたら「私」でいられるんだろう? カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。 性格の異なる三人の「私」は、家族、学校、男たちの中にあって、それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。 「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。 甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靭な魂。 自分を生き抜いていくために「私」が求めていたことは――。

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2014/02/18

#読了。カトリック系の女子高に通う3人の少女たちが、それぞれ主人公となる3編。心の奥底に潜む・・・といった感じは分かるのだが、あまり共感はせず。横浜が舞台となっているのでもしやと思ったら、三浦さんって横浜雙葉なんですね。

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2013/12/11

三篇の関連した短編?中編?からなる物語。キリスト教女子高でのちょっと輪から外れた少女三人の青春σ(^_^;)?ではないな。モヤモヤした悩み、イライラ、閉塞感、無力感、友達との距離感を描く。 ・母の死、閉塞感、無気力と対処 ・高校教師との恋、友人との距離 ・産まれなかった兄への偏...

三篇の関連した短編?中編?からなる物語。キリスト教女子高でのちょっと輪から外れた少女三人の青春σ(^_^;)?ではないな。モヤモヤした悩み、イライラ、閉塞感、無力感、友達との距離感を描く。 ・母の死、閉塞感、無気力と対処 ・高校教師との恋、友人との距離 ・産まれなかった兄への偏執、殻に閉じこもる性格への自己嫌悪 の三篇。 あまり爽やかさはない。一篇目は読んでて辛かったが、二篇目からはペースにはまり、すらすら入り込んだ。三篇目はどっちがどっちだか読んでて混乱。少々読みにくかった。 考え方、想い、悩む。モヤモヤした感じで答えを探している様は人間らしく美しいと思います。 聖書の逸話は勉強不足でいまいち理解できてない。

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2013/05/07

多感な年頃って自分の世界がとても狭くて、だからこそ抱える闇の深さにはまって底のない沼に落ちたかのような絶望感に陥ってしまう。世界はもっともっと広くて自分のそんな闇なんて本当にちっぽけなんだって気がつくのは一体いつだったろうか(ああでも那由多の場合はちっぽけでないけど)。那由多、翠...

多感な年頃って自分の世界がとても狭くて、だからこそ抱える闇の深さにはまって底のない沼に落ちたかのような絶望感に陥ってしまう。世界はもっともっと広くて自分のそんな闇なんて本当にちっぽけなんだって気がつくのは一体いつだったろうか(ああでも那由多の場合はちっぽけでないけど)。那由多、翠、淑子、3人の心の奥に潜む秘密。那由多と翠の関係性が特に良くてかなり好き。男が決して入り込めない女子同士の、妙に確立した世界観がこの二人にあって読んでいてうっとりするくらい良かった。あとがき冒頭の小さなお話が可愛い。 (2011年9月読了)

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2013/03/15

三人の女子高生たちの日常。 若さ故の熱狂などそこには皆無だ。 彼女たちのうちに秘めた衝動が緊張感を生み出している。 音が聞こえない小説だ。 女子校といえば、女の子達の教室ではしゃぐ声で溢れているはずなのに。 それぞれの女の子たちの心の叫びが、ピーンと張り詰められて、そこ...

三人の女子高生たちの日常。 若さ故の熱狂などそこには皆無だ。 彼女たちのうちに秘めた衝動が緊張感を生み出している。 音が聞こえない小説だ。 女子校といえば、女の子達の教室ではしゃぐ声で溢れているはずなのに。 それぞれの女の子たちの心の叫びが、ピーンと張り詰められて、そこには音の入る好きすらない。 彼女たちの心は時に冷ややかに、時に振れ幅も大きく。 静かな湖面に、一滴のしずくが落とされて、湖面全体に波紋が広がるように。 それぞれの女の子のうちに秘めた一見たわいもない事件が動いてしまう。 オイラは男だけど、高校時代といえば、学校内に気の置ける友人が一人もいなかったので、彼女たちの心情がとても理解できる気がする。 大人に至る過程の中のごく短い一時期を、抑えた筆致で描いていて、味わい深い。

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2013/02/03

ナユタとスイ。 ここまで巧みに綺麗なことばで会話しあう少女たちがいるだろうか。 私は先生と恋に落ちたわけではありませんが、 淑子の気持はよく分かります。 なぜ女はある特定の男性1人のことで頭がいっぱいに満たされてしまうのでしょう。 相手は決してそうではないのに、第三者から見るとと...

ナユタとスイ。 ここまで巧みに綺麗なことばで会話しあう少女たちがいるだろうか。 私は先生と恋に落ちたわけではありませんが、 淑子の気持はよく分かります。 なぜ女はある特定の男性1人のことで頭がいっぱいに満たされてしまうのでしょう。 相手は決してそうではないのに、第三者から見るととてもむないしいことなのに。

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2012/10/29

横浜のミッション系女子高に通う3人の女の子が、それぞれの悩みやトラウマを抱えつつ生きていく話。 読後感がどうにもよくない。なんだか不安になって終わってしまった。筆者自らのあとがきを読んで少し救われたけれど…。 女子高ってあんなに窒息しそうじゃなかったけどなぁ。もっとサバサバし...

横浜のミッション系女子高に通う3人の女の子が、それぞれの悩みやトラウマを抱えつつ生きていく話。 読後感がどうにもよくない。なんだか不安になって終わってしまった。筆者自らのあとがきを読んで少し救われたけれど…。 女子高ってあんなに窒息しそうじゃなかったけどなぁ。もっとサバサバしてた経験を持つ私にはちょっと共感できなかった。 吉田秋生の櫻の園っぽい作品ではありました。

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2012/10/26

図書館にて。 繊細で危なっかしい女子高生3人の物語。 あとがきにあるとおり、3人はたくましく生きていくと思うけど、平岡先生は救いようがない。 淑子はこれに懲りて、ああいう男にひっかからないように生きていってほしい。

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2012/09/10

三浦しをんさんの作品はこれが初めて。少女視点じゃ違和感があるかもしれないけれど、個人的には好きな文体。

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