時間は実在するか の商品レビュー
時間論では避けて通れないマクタガート論文の紹介と検証、そして著者の自論展開という構成というか章立てがスッキリしていて、全体的にはわかりやすくなっている。当然個々の部分はある程度の理解力がないと難しい所もあるが。特に読み応えがあるのは4章の検証部分でここは力作だと思う。この部分だけ...
時間論では避けて通れないマクタガート論文の紹介と検証、そして著者の自論展開という構成というか章立てがスッキリしていて、全体的にはわかりやすくなっている。当然個々の部分はある程度の理解力がないと難しい所もあるが。特に読み応えがあるのは4章の検証部分でここは力作だと思う。この部分だけでも英訳して世界に発信してみてもいいのではと思うが、既にやっているのかもしれない。5章についてはチャレンジな部分もあり賛否はあるだろうが、印象としてはマクタガートから離脱すると言いつつもAB系列の呪縛からは逃れられず、やはりマクタガートの磁力の強さが感じられた。
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「時間の非実在性」はどう考えられてきたか◆「時間の非実在性」の証明◆照明は成功したのか◆もう一つ別の時間論-第四の形而上学的な立場
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時間について、物理・科学側からではなく、哲学側から考察した本。 未来はまだ存在しない。過去はもう存在しない。今、この現在しかないとしても、では未来はどこから来るのか?時間については、誰しも一度は疑問に思い、考えを巡らせたのではないでしょうか。 物理の世界でも、「Time-Spa...
時間について、物理・科学側からではなく、哲学側から考察した本。 未来はまだ存在しない。過去はもう存在しない。今、この現在しかないとしても、では未来はどこから来るのか?時間については、誰しも一度は疑問に思い、考えを巡らせたのではないでしょうか。 物理の世界でも、「Time-Space」であり時間と空間は切り離せないものだったり、相対性理論で実証されたように時間は可変だったり、湯川博士は時間も原子のように最小単位があると提唱してたり、ホーキング博士はこの宇宙が始まる前は虚数の時間が流れていたと論じたり、その正体を掴めていません。 前半は、哲学的に時間の「実在」について考察した古典の紹介。この辺りは議論され尽しているからか、とても分かりやすかったです。ここでの結論は「時間は実在しない」。 後半は、前半の論考に対する著者の考えが展開されるのですが、これがまだまだ揉んでいく必要がある段階に感じられ、分かり辛いし、厳密性にも欠いているように感じられました。 (ここでの結論は、読んでのお楽しみ、なのかな?^^;) 時間と言うテーマを使った、哲学的考察の講義の本、というのが実態かもしれません。
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マクタガートをだしに入不二ワールドが展開される。結論としては,時間は実在するかという問い自体が失効する,ということですね。正直マクタガートの議論は消化不良ですが。
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マグナダカートの時間の非存在という主張を、入不二が徹底的に検証しながら、新しい形而上学的な時間論を構築してゆく。 飛んでいる矢は静止している、という古代ギリシアからつたわるパラドクスへの鮮やかなテーゼはスマートで面白い。
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時間は実在すると云う疑問は、我々の直感を揺さぶり、深遠な矛盾へと導く。生命は誕生から死まで、時間と共に流れる。では、一瞬の仮象である我々の生の一時性を、切り取られた時間の一部分として考えるなら、この世の誕生から流れる時間とは、永遠なる全体者なのだろうか。自分が今、生きている事を、...
時間は実在すると云う疑問は、我々の直感を揺さぶり、深遠な矛盾へと導く。生命は誕生から死まで、時間と共に流れる。では、一瞬の仮象である我々の生の一時性を、切り取られた時間の一部分として考えるなら、この世の誕生から流れる時間とは、永遠なる全体者なのだろうか。自分が今、生きている事を、流れる時間に重ねてみる問題は、生の一過性から来る、「我々の死は、もう其処まで来ている」と云った恐怖や嫌悪によって、否定され、諦められる問題だと云わざるを得ない。余りに、時間は豊かで力強く、永遠で有り過ぎるのだ。時間は実在するか。それは、私と云う存在が、そもそも限られた生を受け持つが故に、否定される問題だと思われる。しかし、時間を崇める、信仰する事によって、永遠の存在と一体化しようとする営みも一方で、私達は行う。認識主体である人間は、時間と一体化できない故に、切り離された時間を取り戻そうとするのではないだろうか。刻々と流れる時間を感じることは、殆どその者にとって宗教的な次元に属する事なのだと思う。時間の実在は証明できない。この結論をどう受け止めるかは、読者それぞれの生の在り方が、時間と如何に関係するかを考える問題なのだろう。
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図が分かりにくい。時間が実在しないことを示したとされるマクタガートの論文を追い、主張と誤謬を考察して時間の新しい概念を提案している。
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時間に関する形而上学的考察。結論としての『「時間は実在するか」という問いは、失効する』はちょっと拍子抜け。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
イギリスの哲学者マグダガートによる「時間の非実在性」の証明を追った本。難解でよくわからない。 ただ,少なくとも相対論に関する正確な理解なしに,時間を哲学することができるとは思えない。マグダガートの時間論には思想史的価値しかないのではないかと思った。
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読み始めるたびに挫折する本。 決してつまらないわけではなく、むしろ面白いのだけれど、どういうわけか毎回毎回中断させられる。 読み始めたのは5年以上前なんだけど、いまだに読み切ってない本。 いまだに時間に関する本を開くと大抵マクダガートが出てくるなぁ。
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