ルール の商品レビュー

古処誠二(著者)

2009/10/04

戦争を知らない世代による戦争で恐らく最も過酷だった世界の話。知識としてしか知らなかったこの世界の話が、とてつもないリアリティをもって語られる。人間が生きていくにあたり、どこまでが守るべきルールなのか。なぜ生きるのか。何のために生きるのか。そういうものを突きつけられた気がする。最後まで目を離すことが出来なかった。傑作だ。

2009/10/07

描かれている状況は“凄惨”の一言に尽きる。熱に倒れ、体に蛆が湧き、皮膚は爛れ、幻覚を見る。それでも、死なない。体は「生きる」ことを欲する。「生きる」ためには食わなくてはいけない。人として最後の「ルール」が立ちはだかる。
　そして一番恐ろしいことは。彼らは一年前は故郷で家族と暮らし、仕事をしている、そんな普通の人たちだったのだ。