屍鬼(5) の商品レビュー
面白かったが…、展開が血なまぐさい。屍鬼を狩る描写や、その行為で正気を失っていく人たちの描写が恐ろしい。 人がたくさん死ぬストーリーは、読後感が悪くて苦手。スピーディだが、あまりに惨たらしい展開と詳細な描写に、気分が悪くなった。 しかも話の展開はほとんど予想通りだし。 やっぱりサ...
面白かったが…、展開が血なまぐさい。屍鬼を狩る描写や、その行為で正気を失っていく人たちの描写が恐ろしい。 人がたくさん死ぬストーリーは、読後感が悪くて苦手。スピーディだが、あまりに惨たらしい展開と詳細な描写に、気分が悪くなった。 しかも話の展開はほとんど予想通りだし。 やっぱりサイコホラーは苦手だな…
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ついに読了。 屍鬼を狩る側の人間達の、恐怖、戸惑い、強い怒り、哀しみ、絶望をひしひしと感じつつも、人間として生きていて、その記憶も持ちながらも屍鬼としてしか生きられない事実に苦しみ、悩み、狩られることに恐怖を覚える「起き上がった」人たちに同情してしまう自分…。 読者という視点で客観的に読んでいて、いつの間にか人間達の常軌を逸したような行いに恐ろしさを感じ、いやいや、実際死体が動いたり、家族がやられたらこういう気持ちにもなるでしょうとわかってはいるけれど…と、そんな思いになってしまう自分に驚く。 好きなキャラクターは敏夫先生だったなぁ。 かおりも昭も夏目も頑張った! 夏なのでホラーを、と思って読みましたが、まんまとはまりました。
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読了。 静信がようやく自分の意思で動き出したが、やはりそちら側につくのか…といった思い。結果、何もしていない母達が殺される事になるのだが、それに対して動揺するわけでもなく後悔するわけでもなく、人間も屍鬼のことも、俯瞰する視点になったということか。 尾崎医師は一転攻勢に出るが、今までの流れから、人間が屍鬼を退治しめでたしめでたしとなるわけがなく、狩る側の怒りや狂気、狩られる側の一抹の期待と絶望、屍鬼として生き残る事を拒否した者も、屍鬼だと言うだけで問答無用に狩られる悲哀、読んでいく中で目を背けたくなることも起きる。 人はいつどこで生まれるかを選ぶことはできず、人としてしか生きられない。屍鬼も、起き上がってしまったからには屍鬼としてしか生きられない。それを拒絶することは生を終わらせること。 もし、初めから屍鬼として生まれたのならば、まだ割り切ることもできるかもしれないが、人として生きた記憶を持ちながらというのは、あまりにも残酷。 沙子は、生を終わらせることもできず、屍鬼として神に見放された存在だと開き直って生きることもできず、人として生きていくことももはや叶わない。 あの廃屋で決着をつけられていた方が良かったのではないかと思ってしまう。
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ついに終わった。 最後どうなったら終わりかと思ったけど、まさかの若御院が屍鬼になって沙子と歩むだなんて。 でも途中から人間側も屍鬼ではないのに殺していったりほんと人間も怖いことになってたし、もう村は滅びるしかなかったのかも。 名前だけでは屍鬼だったか人間だったか読解できなくなってきてそこが残念だったけど(自分の記憶力のせいです)、それぞれの人のストーリーもちゃんとあって引き込まれました
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この作品の怖さの一つは、一旦死んで屍鬼(起き上がり)になると、人を襲って吸血しないと生きられなくなり、しかも“生前”の記憶、意識は保持され、狭い村の設定故、必然的に襲う相手が家族や知人になってしまう、という所にある。数多い登場人物の中で、同業故か尾崎敏夫に肩入れしてしまうが、屍鬼...
この作品の怖さの一つは、一旦死んで屍鬼(起き上がり)になると、人を襲って吸血しないと生きられなくなり、しかも“生前”の記憶、意識は保持され、狭い村の設定故、必然的に襲う相手が家族や知人になってしまう、という所にある。数多い登場人物の中で、同業故か尾崎敏夫に肩入れしてしまうが、屍鬼になった妻を実験台にして抹殺方法を調べるなど、手段の問わなさっぷりがアブナイ。極限状況に追い詰められたら、人も鬼も変わらない、という所がまた別の怖さである。
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全五巻からなる超大作、読み終わった満足感は半端ないです。 一体なにが正しかったのか、人を襲う屍鬼、屍鬼を襲う人々、最終的に分別がつかなくなり、人を襲う人々、屍鬼達の悲哀。 命の価値観が歪められてしまうような、複雑な気持ちです。 ただ、めっちゃくちゃ面白かった。
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終始敏夫の立場から読んでいたので静信や村の人たちにイライラしてしまった でも実際にこんなことが起こったら私は村の多くの人たちと同じように現実から目を逸らすと思うし、静信の「呼吸や心拍が止まっていたら本当に死んでいるのか?」という問いには答えられないと思う。 屍鬼は操られているわけ...
終始敏夫の立場から読んでいたので静信や村の人たちにイライラしてしまった でも実際にこんなことが起こったら私は村の多くの人たちと同じように現実から目を逸らすと思うし、静信の「呼吸や心拍が止まっていたら本当に死んでいるのか?」という問いには答えられないと思う。 屍鬼は操られているわけでもなく、生前の記憶を引き継ぎ、思考があるというところが厄介だと思う。桐敷家の人々はともかく、起き上がりの人々たちもまた被害者で、生きたかったはずなのに殺されて、また生を得て。それに執着することの何がいけないのか。どうしても人間の敵とは割り切れない。
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模倣犯と同じ作り方で、必要か?と思う。しかし、まだ模倣犯よりも読みやすかった。されど五巻はやはり長い。
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なんて悲しい物語なんだろう。 勧善懲悪ではない。 どちらが良くてどちらが悪いのか、そんなものを考えることすらできない。 ただ生きるために、ただ大切なものを守るために、ただ自分の望みを叶えるために、自分の手を血で染めた者たちの物語。 医者に1番共感できた。1番人間らしい思考だと思...
なんて悲しい物語なんだろう。 勧善懲悪ではない。 どちらが良くてどちらが悪いのか、そんなものを考えることすらできない。 ただ生きるために、ただ大切なものを守るために、ただ自分の望みを叶えるために、自分の手を血で染めた者たちの物語。 医者に1番共感できた。1番人間らしい思考だと思った。正義の名のもとに残虐になってしまう所も本当に人間らしい。 僧侶はやっぱり嫌い。最後までイライラした。相手のことを想っているふりをして自分のことしか考えていない自己中心的な思考の持ち主。あんたのせいでみんな死んだんだよ… 沙子は可哀想だなぁ。ひたすら可哀想。だから美しいし魅力的。辰巳の言いたいことがよくわかる。沙子はずっと見守りたくなる儚さと危うさがある。 自分の罪を自覚しながらも、自分の欲求に忠実な幼い心のままの少女。 自分だったらどうするかなぁ。 もし自分が屍鬼になったら、多分人を殺して生き延びようとする。 もし自分の大切な人が屍鬼に殺されたら、きっと私は躊躇わずに杭をその胸に打つ。 もし自分の大切な人が屍鬼になってしまったら…多分匿うだろうなぁ。この人だけは見逃してくれって泣いて村人に許しを乞うだろう。 私はどうしようもなく普通の人間だなぁ、と思った。 とても残酷で悲しい物語だった。 再読だけど内容全て忘れていたので最後まで楽しめた。 また5年後に読みたい。きっとまた忘れてるので同じように楽しめると思うw
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