パイド・パイパー の商品レビュー
とても良い本。かなり古い本の復刻版だが、今読んでも面白かった。第二次世界大戦が始まったばかりのフランスでお爺さんと子供達がイギリスまで逃亡する話だが、悲壮感はほとんどない。最後の最後に進退極まった所を、どう切り抜けるかは見もの。映画で見たいと思った。
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100冊ビブリオバトル@オンライン第7ゲームで紹介された本です。オンライン開催。チャンプ本。 2020.08.22〜23
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1942年に書かれたイギリスの冒険小説。 あらすじとしては、第二次世界大戦初期にドイツ軍がヨーロッパ各地に電撃的に展開した1940年の夏のフランスが舞台。 戦況がこれほど悪化するとは思わず、フランスの田舎で静養していたイギリス人元弁護士の老人が祖国イギリスへ帰るまでの苦難の道のり...
1942年に書かれたイギリスの冒険小説。 あらすじとしては、第二次世界大戦初期にドイツ軍がヨーロッパ各地に電撃的に展開した1940年の夏のフランスが舞台。 戦況がこれほど悪化するとは思わず、フランスの田舎で静養していたイギリス人元弁護士の老人が祖国イギリスへ帰るまでの苦難の道のりのお話。 最初に国連職員の二人の幼子を託され、その後もドイツ軍の侵攻の中の混乱した状況でイギリスを目指して進む間にどんどん預かる子供が増えてくる。 この老人は寛容な心と忍耐力でその子供を受け入れ道中の困難度はますます上がる。 さて、老人と子供達は無事イギリスへ渡れるのでしょうか?? と言うお話。 "パイド・パイパー"とはドイツ民話の「ハメルンの笛吹き」の意。 旅をしていく中で子供達が集まってくる様を表したと思われます。 特に派手なドンパチがある訳でも、脱出の奇策がある訳でも無いが、この老人の実直さと老人、女性、子供の無力さ、純粋さを描きながら戦争の悲惨さが淡々と描かれている。 悲惨な状況を描きながらもイギリス独特のユーモアも忘れない感じの良い文章。 イギリスに渡る直前の難関の解決仕方が少々不自然であり少し残念。 全体としては、なかなか面白い小説でした。
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創元推理文庫だったのでてっきり推理物かと思いどんな内容か事前知識なしに読み進めたら、意外にも感動系ロードストーリー。回想型なので結末は予想できるものの、旅の展開からドキドキハラハラ、途中からどんどんハマっていって感動しました。
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表紙は 中央はハワードことジョン・シドニー・ハワード 左はロニー ことロナルド・キャヴァナー 右はシーラ・キャヴァナー
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戦争中の冒険小説。 タフで誠実なおじいさんがこども達を引き連れてイギリスに渡る。 愚痴も言わず、尋問にも負けずに正直に答えてく姿はすばらしい。
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「パイドパイパー」とは「ハーメルンの笛吹き男」のこと スイス国境近くのディジョンで釣りをしようとしていた70歳のイギリス人ハワードは、ドイツ軍のフランス進撃とイギリス軍のダンケルク撤退を知って、イギリスへ帰国しようとする。 ところがドイツ軍がスイスに侵略する噂に心配した国連に勤...
「パイドパイパー」とは「ハーメルンの笛吹き男」のこと スイス国境近くのディジョンで釣りをしようとしていた70歳のイギリス人ハワードは、ドイツ軍のフランス進撃とイギリス軍のダンケルク撤退を知って、イギリスへ帰国しようとする。 ところがドイツ軍がスイスに侵略する噂に心配した国連に勤めるイギリス人夫婦から、2人の子供を連れてってほしいと頼まれる。 ゆく先々で子供は増え、最終的に7人それもイギリス人、フランス人、オランダ人、ポーランド系ユダヤ人、ドイツ人と、縁もゆかりもない子供たちを連れてイギリスを目指す。 戦争で交通手段もままならない中、乳母車とともに大勢の子供を連れて「ほとんど歩いて」イギリスを目指す姿は、ハーメルンの笛吹き男そのもの。 作られたのは1942年、第2次大戦真っ只中で戦争の行く末はまだ混沌としているとき。 作者はハワードを必要以上に「戦時の英雄」として語っていない。 むしろ、故郷イギリスで突然の不幸から孤独となり、生きる希望を失った老人の再生物語として描き、読者の共感を呼びよせている。 ロンドン空襲のさなか主人公ハワードが「私」に語る帰国までの道のりは、誰かに必要とされる喜びとそれにこたえようとする充実感にあふれている。 現代にも通じる主題を持ち、読む手を止めさせない「ロードムービー」でした。
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こんなに面白い本に出会えるとは。。。 だから読書はやめられないと思います。 パイド・パイパーとは「ハーメルンの笛吹き」のこと。 あるきっかけから、子供二人を連れてフランスからイギリスへ第二次世界大戦中に逃げることに。 また様々で出来事から三人・四人と増えていく。 無事、逃れるこ...
こんなに面白い本に出会えるとは。。。 だから読書はやめられないと思います。 パイド・パイパーとは「ハーメルンの笛吹き」のこと。 あるきっかけから、子供二人を連れてフランスからイギリスへ第二次世界大戦中に逃げることに。 また様々で出来事から三人・四人と増えていく。 無事、逃れることが出来るのか。 もちろん、悪役はナチスドイツであるけれど、 この小説のもっとも良いところは悪役が一人もいないこと。 一読するべき。 追伸…この本は出版されたその年に映画化されたそうです。 それも戦時中の1942年。戦時中に出版されたのもびっくりだし、映画化されたのもびっくり。
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英国冒険小説の雄ネヴィルシュートの代表作は「渚にて」よりこっちだと聞き、表紙の絵を見てうっそーと思ったが読んで納得した。表紙に騙されてはいけない。こんなほのぼのとした話ではない。パイドパイパーはハメルンの笛吹きのことだがそれは何を意味するのか。第二次大戦下の戦火強まるフランスで、...
英国冒険小説の雄ネヴィルシュートの代表作は「渚にて」よりこっちだと聞き、表紙の絵を見てうっそーと思ったが読んで納得した。表紙に騙されてはいけない。こんなほのぼのとした話ではない。パイドパイパーはハメルンの笛吹きのことだがそれは何を意味するのか。第二次大戦下の戦火強まるフランスで、70歳の元弁護士イギリス人のハワードはイギリスに帰るにあたり世話になったホテルのメイドに2人の子供を連れて行って欲しいと頼まれる。心よく引き受けたもののドイツの侵攻激しくパリ陥落も間近、行く先々で人に助けられながらも託された子供は6人まで増える。100人の敵と戦うわけではない、未知なる世界を旅するわけでもない。戦時下に一人の老人が大人として男として父として子供たちの保護者として、どう振る舞い、どう生きるか、どう帰り着くのかという老人冒険小説である。それがむしろ現実に生きる我々にはリアル過ぎて多分子供にはわからない面白さなのだ。その生き様はジョンバカンと同じくイギリス紳士の矜持であり、戦争の緊迫感の中で各国の登場人物が交わす友情や信頼が身に沁みる。そしてこの話が1942年パリ解放前、大戦ど真ん中に出版されていることに驚く。つまりネヴィルシュートはこれをー現実の中で書いたのだ。ニコルとジョンの恋はおそらく当時多くの恋人たちを引き裂いた戦争の現実であり、親を失った子供たちも同様である。有難う、戦争が終わったら必ず会おうという別れの挨拶。一期一会で出会い、命を賭けて助け合う人たちの生き方そのものに胸が熱くなる。善意というよりも生きるか死ぬかという時に人は何かに縋る、必死で互いに縋るから互いに助け合う結果になる。人生ってそういうものじゃないかと思う。
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隠居生活の元弁護士ハワードは、第二次大戦の戦火が広がる中、イギリスからフランスのジュラの山村へ釣りに出かける。戦局に関心をはらっていなかったハワードは、フランスがドイツに攻め込まれ危機的な状況になりつつあるのを理解していなかった。ジュラではゆっくりと釣りを楽しんでいたが、スイスも...
隠居生活の元弁護士ハワードは、第二次大戦の戦火が広がる中、イギリスからフランスのジュラの山村へ釣りに出かける。戦局に関心をはらっていなかったハワードは、フランスがドイツに攻め込まれ危機的な状況になりつつあるのを理解していなかった。ジュラではゆっくりと釣りを楽しんでいたが、スイスもドイツの手に落ちるのではないかという噂の中、帰国を決める。同じ宿に泊まっていた国際連盟職員の妻から、子ども二人をいっしょにイギリスまで連れ帰ってほしいと頼まれる。列車を乗り継いで帰れると引き受けたハワードだったが、ドイツ軍の侵攻で交通機関は寸断され食料も泊まるところも無くなっていく。バスに乗り換え、最後は歩いてイギリスを目指す。子ども二人でも大変なのに、戦争孤児やユダヤ人の子どもや次々と子どもを託される。英仏海峡を望む町までたどり着いたとき、とうとうゲシュタポに見つかりスパイの容疑をかけられてしまう。 面白かった。何度か映画化・テレビ化されているそうだが、そうしたくなる展開だと思う。出版されたのが1942年だが、まだ戦争が終わっていないではないか。 「渚にて」の著者でもある。 余談だが、ジュラ地方はジュラ山脈に由来し地質年代のジュラ紀もこの地域に多く見られる地層だからだとか。豆知識が増えた。
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