小さき者へ の商品レビュー
親だから 子供だから 妻だから 夫だから 孫だから 祖母だから うまく言えないこともある。上手にあしらうことができず流せないことがある。素直に思った気持ちを伝えられたら、物語はおきない。 私のその中の一人だと、つくづくいやになるほど感じている。そんな私にもエールをおくる小説。
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一つ一つの短編が胸にじんとくる物語で、共感したり涙ぐんだり、とても楽しめる小説だった。 以下、読んだ順 「小さき者へ」・・・私にはまだ思春期の子供がいないが、いずれ子どもが育って中学生になったときのことを考えながら、親の立場に立って読んだ。「おまえのおとしたものを一緒に拾ってや...
一つ一つの短編が胸にじんとくる物語で、共感したり涙ぐんだり、とても楽しめる小説だった。 以下、読んだ順 「小さき者へ」・・・私にはまだ思春期の子供がいないが、いずれ子どもが育って中学生になったときのことを考えながら、親の立場に立って読んだ。「おまえのおとしたものを一緒に拾ってやる」ことしかできない主人公の父親の姿に涙が出た。私も子どもが苦しんでいたら、きっと助けることができず、一緒に苦しむことしかできないような気がした。 「海まで」・・・去年76歳で亡くなった母のことを思い出しながら読んだ。この小説に出てくる「おばあちゃん」は何歳なのか分からないけど、うちの母のように独居老人であるが、うちの母のようには認知症はまだ始まっていない。久しぶりに会うおばあちゃんと一緒にお風呂に入りたがったり一緒に寝たがるミツルはちょっと異常に感じた。父方の祖母に対して、しかも同居でなくたまにしか会わない祖母に対して、そこまで親しくする孫の方が珍しい、というか、現実味がない。 「フイッチのイッチ」・・・親が離婚した子どもの話。私の親も私が中学生のときに離婚しているので、主人公たちの気持ちは少しは分かるような気持ちがするのだが、父親が母親と再婚したがっていると勘違いする田中圭祐には「そりゃねーだろ」と突っ込みながら読んだ。芹沢組が最初に山野にした意地悪(椅子の上に座って聞こえないふりする)っていうのは、子どもっぽくて、ありえない気がした。中学生が、そんなあからさまな意地悪をするか?転校生の椅子に居座るって、小学3年生か、4年生くらいの意地悪だよね?? 「団旗はためく下に」・・・この話に出てきた佐々木という人は、次の小説に出てくる佐々木という人と同じ人かと思ったけど、違うのね。 「青あざのトナカイ」・・・失業した中年が主人公。萌えた。 「三月行進曲」・・・なんつーお人好しな主人公だろうと思った。こんな旦那さんをもった奥さんは気の毒だ。ジュンとケイジの関係は、腐的には非常においしいのかもしれないと思いながら読んだが、私はガキには全く萌えないので、どちらかというと主人公の少年野球の監督について妄想を広げて楽しく読んだ。
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親子関係、特に父親に焦点を当てた6編の短編小説集。それぞれにすれ違ってしまう、子供の心理、父親の心理がよく描かれている。普段は忘れてしまっているが、大人もみんな昔は子供だったんだということを感じさせられた。特に、「小さき者へ」「団旗はためく下に」「三月行進曲」が心に残った。
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短編6つ。 田舎で一人暮らしする親。そんな親のことを考える日が誰にでもくるのだろう。どうするか。 息子への想いを手紙に綴るのもいいけれど、どうせなら実際に話したほうがさらに伝わりそう。手紙でしか伝えられないそんなところにまできてしまったということか。 いずれもジンとくる話しだった...
短編6つ。 田舎で一人暮らしする親。そんな親のことを考える日が誰にでもくるのだろう。どうするか。 息子への想いを手紙に綴るのもいいけれど、どうせなら実際に話したほうがさらに伝わりそう。手紙でしか伝えられないそんなところにまできてしまったということか。 いずれもジンとくる話しだった。
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6つの短編小説。 1つ1つの話は全く違うテーマだけど 全てに「後悔」という言葉が共通している気がする。 特に『団旗はためく下に』にはすごく考えさせられた。 人生は常に後悔することの連続で AとBを迷って、どちらを選択しても 必ずいつか後悔の念が発生する。 けれど...
6つの短編小説。 1つ1つの話は全く違うテーマだけど 全てに「後悔」という言葉が共通している気がする。 特に『団旗はためく下に』にはすごく考えさせられた。 人生は常に後悔することの連続で AとBを迷って、どちらを選択しても 必ずいつか後悔の念が発生する。 けれど、その時、「Aを選べばよかった」 「Bを選んでいればどうなっていただろう」 と考えるのではなく 自分が選んだ選択を、これから自分の道で正解にしていけばいいんだ。 相変わらず、文章の構成がとても綺麗で 素直に胸にスーッと染み込んでくる重松作品。 最近の携帯小説作家には絶対に出せない味です。
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久しぶりの重松作品。 何となく「こどもの日」ということで手にとってみました。 内容は…父親と子供(中には直の親子でないのもあったが)との関係を軸にした短編6本。特に重松作品は今の自分の年代、社会では中堅どころになっているか、挫折を経験しているか、そんな世代が主人公のことが多いので...
久しぶりの重松作品。 何となく「こどもの日」ということで手にとってみました。 内容は…父親と子供(中には直の親子でないのもあったが)との関係を軸にした短編6本。特に重松作品は今の自分の年代、社会では中堅どころになっているか、挫折を経験しているか、そんな世代が主人公のことが多いので、何となく自分と比べて読んでしまう。 どの話もどこかでじわっとするところがあり、また自らを振り返り共感するところもしばしば。これを女性が読んだらどう感じるのかなと、ふと思ったり。 生きてきた中で落としてきたものを拾って確認するかのような、そんな大人と子供の心の機微を感じるストーリーでした。
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短編集。 読みはじめてすぐ、重松清の小説だ、と感覚を思い出します。 著者出身が広島方面ということもあって、広島が拠点になることが多い…ことが広島出身にとってはうれしくもありますが少し気になってきました。 「海まで」 不器用で扱いにくくて損をするタイプのカズキにどちらかというと似...
短編集。 読みはじめてすぐ、重松清の小説だ、と感覚を思い出します。 著者出身が広島方面ということもあって、広島が拠点になることが多い…ことが広島出身にとってはうれしくもありますが少し気になってきました。 「海まで」 不器用で扱いにくくて損をするタイプのカズキにどちらかというと似てるので、少し心苦しかったと同時に、重松清はそこまで深く書けるのかと驚きました。主人公の、親孝行や親への態度に悩みながら生きてる姿が現実味があって生々しかった。 「フイッチのイッチ」 両親の離婚…せつなかったけど、一人の男の子の成長を感じました。 「小さき者へ」 「団旗はためく下に」 思ってもないことを口にしてしまう娘に共感。 「青あざのトナカイ」 "血は止っても青あざくらいは残るのかもしれない" 「三日月行進曲」
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親と子の心のすれ違いに悩む6つの物語。 田舎に住んでいる母親と息子に挟まれて悩む父、家庭内暴力でひきこもりの息子に読まれないであろう手紙を書き続ける父、親の離婚に心を悩ます子供、 娘が父を思う心、仕事に失敗した父、少年野球の監督として少年たちの微妙な友情に関わる父・・・。 読...
親と子の心のすれ違いに悩む6つの物語。 田舎に住んでいる母親と息子に挟まれて悩む父、家庭内暴力でひきこもりの息子に読まれないであろう手紙を書き続ける父、親の離婚に心を悩ます子供、 娘が父を思う心、仕事に失敗した父、少年野球の監督として少年たちの微妙な友情に関わる父・・・。 読んでいて胸がせつなくなり、どれもすっきりとした結末にならないのだが みな少しだけ希望の光が見えるような終わり方で、暖かい思いに包まれた。
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なんで自分自身と重なるのか不思議、勿論、小説の方がドラマチックで素敵な結末だけど。 団旗はためく下に:結婚式でエールと校歌は定番だった 小さき者へ:息子の部屋に、私のCDや本があると、普段会話してなくても安心?する
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
重松得意の色んな立場にある「お父さん」が主役のお話が6つ詰まった短編集です。 1篇目の「海まで」は孫兄弟の2人を理不尽に弟ばかりえこひいきするおばあちゃんのことが最後までイラっとしすぎてしまってなんか駄目でしたw 私は母方の祖母にはとにかく可愛がられたしたくさん遊んでもらったのでこんな理不尽な思いをもしも自分がさせられていたら・・・と思うといたたまれなく駄目でした。 ただでさえ叔父にこどもが生まれた時には既に小3だったにも関わらずただの従姉妹だし祖母にとっては初めての内孫だったのだからしょうがないのに「こどもがえり」をした記憶すらあるくらいのおばあちゃん子だったので(苦笑) お話の最後でおばあちゃんが頑なになることも年を重ねると言うことの一部でしょうがないんだよ、って感じでまとめられますが結局腑に落ちないままもにょっとしっぱなしで終わってしまいましたw 2編目の「フイッチのイッチ」 これには私自身小4で両親が離婚し母親と2人暮らしをしていたので思い当たること、見に覚えがあることが多すぎて胸に迫るものがありました。 こどもは両親の離婚に際して「別れて欲しくない!お父さんかお母さんのどちらか一人だけを選ぶなんて出来ない!今のまま一緒に暮らしたい!」とばかり思います。 アルコール依存・ギャンブル・女遊び・働かない・暴力をふるう、これらの大きな問題があればまた話は別ですが離婚の殆どの理由はこの短編にあるように「性格の不一致」が占めます。 両親の離婚によってこどもの生活は大きく変わります。 学校での立場・家庭での役割・親戚や近所の人から好奇の目で見られること、そして「欠損家族のこども」になるということ。 これらはその子のその後の人生にも大きな影響を与えます。 不幸な結婚生活を無理矢理継続させることより、母子(父子)家庭になっても充足した家庭を築くことのほうが生産的かもしれませんし実際そうでしょう。 この1篇は、離婚を真剣に考えている両親に読んでみて欲しいと思いました。 こどもはこどもなりに、小さな脳みそで抱えきれない程のたくさんのことを考えているのだということに気づいて欲しいです。 3編目「小さきものへ」 中学生の息子による家庭内暴力のお話です。 お父さんからだけの視点で息子へ渡せない手紙を書き綴る形でお話は進みます。 どこかの家庭で今まさに起きていそうなお話で胸が痛くなりました。 どうしたらいいのかわからない!どうしてくれよう!という激しい思いを暴力という形でしか表せない我が子から、どうぞ両親だけは逃げずに受け止め続けてあげて欲しいです。 周囲の人の支えも勿論必要ですが。 4編目「団旗はためく下に」 中学生の女の子の「なんとなくだけ絶対なの!」って台詞に「あ~そんな時期あったなぁ、わかるわかるw」と微笑ましく読みました。 そして「押忍」の精神にちょっと感動しました。 どこまでも黙って耐え忍んでいるけれど気持ちは前へ押しているのだ、と。 まぁ今となっては古き良き時代のお話かもしれませんがw 5編目「青あざのトナカイ」 これも全国いろんなところで同じようなことが起きているだろうなぁ、と胸が苦しくなるお話でした。 フランチャイズシステムの下あえぎ苦しむ加盟店々長は全国津々浦々にあまたといることでしょう。 本部は絶対損しないシステムフランチャイズ。 コワイコワイ。 ラスト「三月行進曲」 微妙な少年たちの友情のもつれを描いています。 でも彼らはきっと一生の友達でいられるんだろうな、とうらやましくもあります。 いつかきっと笑い話になる日がくることでしょう。 と、ちょっとレビューが助長しすぎましたw 失敬!
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