ジャンプ の商品レビュー
めんどくさい主人公しか書けないのかな、この作家さんは。 という感じ。 何だそのオチは、というかミステリアスな失踪事件が、めんどくさい性格の主人公の男の執拗なんだか、あまりにも無頓着なんだかよくわからない行動原理により、結果的にラストに至るも読者のカタルシスがまるっきり得られない...
めんどくさい主人公しか書けないのかな、この作家さんは。 という感じ。 何だそのオチは、というかミステリアスな失踪事件が、めんどくさい性格の主人公の男の執拗なんだか、あまりにも無頓着なんだかよくわからない行動原理により、結果的にラストに至るも読者のカタルシスがまるっきり得られない、なんだかなぁという話になっている気がする。 まあ、これが佐藤正午氏の持ち味、というか才能なんだろう、とは思いますけれど。
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リンゴを買って戻ってくると言った彼女が そのまま失踪。犯罪に巻き込まれたのか 何なのか、全く不明。 切ない結末。 最後の最後、駅の空気感まで伝わってくる 描写が良いです。
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「月の満ち欠け」で佐藤正午のファンになり、二作目として読んだ作品。 正直読むまでかなり時間がかかり、途中つまらないかもしれないと読む気力を無くしたりもした。 主人公が謎に自信溢れた推理家で(そしてその推理は尽く外れている)、女性をなんとなく見下した感じのする語り部をするので、その...
「月の満ち欠け」で佐藤正午のファンになり、二作目として読んだ作品。 正直読むまでかなり時間がかかり、途中つまらないかもしれないと読む気力を無くしたりもした。 主人公が謎に自信溢れた推理家で(そしてその推理は尽く外れている)、女性をなんとなく見下した感じのする語り部をするので、その主人公目線の小説を読むこと自体が自分向きでなかったのかもしれない。 しかし中盤から後半戦。恋愛小説なのかミステリーなのかサスペンスなのかわからない佐藤正午作品の「ゾッとさせる感じ」、あれが来たことで一気に本を読むスピードが高まった。このゾッがわたしはたまらないのである。 わたし向きかどうかなど考えもせず、まもなく佐藤正午作品3冊目に手を出すだろう。 それにしても腑に落ちなかったのは、主人公と主人公が血眼になって探していたガールフレンドについてカップルらしい思い出エピソードや、主人公が彼女をどんなに愛しているかみたいなものが語られなかったことである。 なんだか彼が本当に彼女を愛しているのかわからないまま読者は一緒に行方を追う羽目になり、それが結末に現れていたような気がする。
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”謎”に引っ張られて一気読みしてしまったが、最近『ルビンの壺が割れた』を読んだこともあって、落ちが中盤くらいから予測できてしまっていた。 あと、どう考えても一番キャラが立ってたのは、妻の座を勝ち取ったあの女の人でしょう…。あのひとに比べたら失踪した子の方が普通な感じだったように思う。 あと、カクテルをなぜ飲んだのか、といったことが分岐点的に語られるけど、落ちを考えるとカクテルや失踪したことはあまり関係無かったような気がするので、ちょっと腑に落ちなかった。
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読むのにすごーく時間がかかってしまった。 けど、なんか、わかるなあ、最近特に。 社会-わたし=どうなる?会社-わたし=なにか変わる?きっとうまく代替されるしきっといつのまにか忘れられるしあ〜懐かしいねなんてたまあに思い出されるくらいなんだろう。そう思うと、なんだか今自分がここにい...
読むのにすごーく時間がかかってしまった。 けど、なんか、わかるなあ、最近特に。 社会-わたし=どうなる?会社-わたし=なにか変わる?きっとうまく代替されるしきっといつのまにか忘れられるしあ〜懐かしいねなんてたまあに思い出されるくらいなんだろう。そう思うと、なんだか今自分がここにいる意味は何にも無いように感じるし、別に自分の居場所はここじゃなくてもいいような気もする。そんなこと考えてるようじゃだめなのかな、もっとがむしゃらに、ここじゃなきゃ生きていけない場所、ここがわたしの生きる場所なんだと心から思える場所を見つけたいな
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まぁ、あってもおかしくないような? そんな軽い気持ちて読み進めるが、気づくと夢中になって読んでました。 結末は、あっ!って思ったんだけど、まぁそうだよねー と納得。 読みやすくておもしろい作品でした! アブジンスキー飲んでみたい!
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アブジンスキーというカクテルが始まりか? その日の夜、彼女が突然失踪する。 その真実を探っていくがなかなか辿りつかない。 既に諦めた時に…真実が明らかになる。 1人の男の回想のような感じ。 なので…まどろこっしい部分もあるが それがまたリアルに感じられ、この先どうなるの?と ワ...
アブジンスキーというカクテルが始まりか? その日の夜、彼女が突然失踪する。 その真実を探っていくがなかなか辿りつかない。 既に諦めた時に…真実が明らかになる。 1人の男の回想のような感じ。 なので…まどろこっしい部分もあるが それがまたリアルに感じられ、この先どうなるの?と ワクワクで読み進められた。 結末は想像通りだったけど…。楽しかったです。
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初めての佐藤正午。 お試しと思ってbookoffで108円の棚から見つける。 彼女がいなくなった…みたい…? 探すの?ミステリ?犯罪もの?いやいやひたすら彼の心の中の逡巡。で、一月経ち、半年経ち、五年経つ。そうだよな、悶々としたまま生きていくのってどんな気分なんだろう。行方不...
初めての佐藤正午。 お試しと思ってbookoffで108円の棚から見つける。 彼女がいなくなった…みたい…? 探すの?ミステリ?犯罪もの?いやいやひたすら彼の心の中の逡巡。で、一月経ち、半年経ち、五年経つ。そうだよな、悶々としたまま生きていくのってどんな気分なんだろう。行方不明ではないことはわかったけれど、その次の悶々は、なぜ自分には連絡がなかったんだろう。半年間のお付き合い期間って微妙だから…。 でも最後に、 …え…。 これはなかなか面白かったです。
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だれが何と言おうとこの作品が好きである。 「リンゴを買って五分で戻ってくる」と言い残し、そのまま消えてしまった恋人を、主人公は血眼になって捜し求める。手がかりらしきものは見つかるが、いずれも決定打にはいたらない。やがて主人公は彼女のことを忘れてゆき、他の女性と結婚する。五年後、...
だれが何と言おうとこの作品が好きである。 「リンゴを買って五分で戻ってくる」と言い残し、そのまま消えてしまった恋人を、主人公は血眼になって捜し求める。手がかりらしきものは見つかるが、いずれも決定打にはいたらない。やがて主人公は彼女のことを忘れてゆき、他の女性と結婚する。五年後、全くの偶然から二人は再会し、思いがけない真実が明らかになる――。 冒頭の一文から引き込まれ、読むのをやめることができない。緻密な描写は実話かと見まごうばかりのリアリティにあふれ、会話のやりとりも絶妙である。全篇を覆うサスペンスタッチの語り口と、最後に待っている意外な哀しい(そして怖い)結末。ラストシーンは何度も読み返し、すでに結末が分かっているのに胸の高鳴りを抑えることができなかった。 読み終えた後にもう一度冒頭部分を読み返して欲しい。主人公は「これでよかった」と思っているのか、それとも後悔しているのか? 言葉とは裏腹の行動によって主人公の心情を浮き彫りにするのは佐藤正午の得意技である。 「失踪をテーマに現代女性の意志を描いた…」云々というキャッチコピーは鵜呑みにしない方がいい。そんなものとは関係なく純粋に楽しむことができる恋愛ミステリーであり、間違いなく佐藤正午の最高傑作であろう。もともと純文学出身の作家だけあって、みずみずしい文体にはわざとらしい表現は一つもない。個人的には日本の文学史に残るべきと言い切ってしまいたいくらいの名作である。
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「Y」に続いて、昔読んだ佐藤正午作品を再読。「Y」も人生という時間の物語だったが、本作も似たところがある(SFではない)。いろんな人の時間が絡み合って、近づいたり離れたりする。それが人生。みたいな。
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