聖なる黒夜 の商品レビュー
新宿のホテルの一室でヤクザの大幹部が殺された。その事件を担当した刑事と容疑をかけられた企業舎弟の男を中心に繰り広げられるミステリーサスペンス(ラブ?)。文庫だと上下あわせて1200pの長編なんだけど、さらさら読めたので長いとは感じなかった。けど、とにかく登場人物が多い!「あれ?こ...
新宿のホテルの一室でヤクザの大幹部が殺された。その事件を担当した刑事と容疑をかけられた企業舎弟の男を中心に繰り広げられるミステリーサスペンス(ラブ?)。文庫だと上下あわせて1200pの長編なんだけど、さらさら読めたので長いとは感じなかった。けど、とにかく登場人物が多い!「あれ?こいつ誰だっけ?」と何度おもったことか……。 殺人事件の犯人捜しが軸としてあるけど、しっかりめのドロドロの愛憎劇。儘ならないことばかり。表現はあっさりしてるけど、まあまあ濡れ場もあるし、男同士が多い……てか、主だった二人が男……なのでそうゆうのが苦手な人はしんどい、かも? 爆モテ主人公・麻生警部……なんであんなモテんのか全然わかんなかったり、韮崎誠一が好きな男すぎて殺されたの許せなかったりしたけど(殺されんと話始まらん)、一気に読んじゃうくらいに面白かったです。 わたしは巻末に収録されてたサイドストーリーが結構好きでした。上下どっちも良かった。特に上巻の話は「ええ……マジでガチなピュアピュアのファーストラブだったんだ……練くんってば……」と彼の健気さに胸がきゅっとなった。
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正統派、と言って良いのかどうかわからないが、平成を舞台にした濃密なハードボイルド小説である。ミステリ的な描写も見られるが、キャラクターが似たり寄ったりで、誰が誰なのか判別しづらい。世界観は嫌いではないが、合わなかった一冊。
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1995年という昭和の雑多な世界が残った世界。多角関係と愛憎を、深く描きながらとミステリーとしても秀逸です。 一筋縄ではいかない憎悪や執着、それを愛と呼ぶ人々。久しぶりに心揺さぶられる作品に出会いました。
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面白かった。この本で、柴田よしきさんを知り他の本を読み始めた。文庫本にサイドストーリーがあることを知り、それも読みたいと思う。 悪魔のように悪賢く、美しい男妾あがりのヤクザ…それが、十年振りに麻生の前に現れた山内の姿だった。十年前の気弱なインテリ青年はどこに消えたのか。この十年...
面白かった。この本で、柴田よしきさんを知り他の本を読み始めた。文庫本にサイドストーリーがあることを知り、それも読みたいと思う。 悪魔のように悪賢く、美しい男妾あがりのヤクザ…それが、十年振りに麻生の前に現れた山内の姿だった。十年前の気弱なインテリ青年はどこに消えたのか。この十年の間に何が起こったのだ?新宿を牛耳る大暴力団の幹部・韮崎誠一惨殺事件を捜査する麻生は、次第に過去に追い詰められ、因縁の波に翻弄されて暗い闇へとおちていく…。愛と宿命に操られた者たちの果てしなく長い夜。人間の原罪を問うて、深い感動を呼ぶ傑作。(アマゾンより)
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練と麻生の間にそういう事があったのね~…。 そしてこれからこの関係性の中に、緑子が入ってくるってわけか…。 世間は狭いというのが如実に表れるこの作品。 あぁ、犯人はやっぱりあの人か~とか、麻生の奥さんの相手はひょっとしてあの人か?とか、わかってしまうものだった。 でも世間て本当に狭い。 ーーーーーーーーーーーーーー 内容(「BOOK」データベースより) 悪魔のように悪賢く、美しい男妾あがりのヤクザ…それが、十年振りに麻生の前に現れた山内の姿だった。十年前の気弱なインテリ青年はどこに消えたのか。この十年の間に何が起こったのだ?新宿を牛耳る大暴力団の幹部・韮崎誠一惨殺事件を捜査する麻生は、次第に過去に追い詰められ、因縁の波に翻弄されて暗い闇へとおちていく…。愛と宿命に操られた者たちの果てしなく長い夜。人間の原罪を問うて、深い感動を呼ぶ傑作。 内容(「MARC」データベースより) 東日本連合会長春日組の大幹部・韮崎が、高層ホテルのバスルームで殺害された。現場へ駆けつけた捜査一課の警部・麻生の目の前に、十年前自らの手で逮捕した山内が現れた。気弱な大学生だった山内は韮崎の片腕になっていた-。 (Amazonより)
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柴田よしきさんを初読み 2段の670ページで読み応えあり。 登場人物が多いが、みなストーリーに絡みあってる 読み進むにつれ関係が深く見えてきて ほどけてくるのが面白かったが 堕とされる、堕ちていく人だらけー なんか重ーい読後感 そう感じる人間描写が凄いってことだけどね。 ...
柴田よしきさんを初読み 2段の670ページで読み応えあり。 登場人物が多いが、みなストーリーに絡みあってる 読み進むにつれ関係が深く見えてきて ほどけてくるのが面白かったが 堕とされる、堕ちていく人だらけー なんか重ーい読後感 そう感じる人間描写が凄いってことだけどね。 山内練、麻生龍太郎
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柴田よしき氏の『聖なる黒夜』を読了。別にこのタイトルだから読み始めた訳ではないのだが、この間ブックオフで見つけた本作をちょうどこの連休始めに読み始め、今日やっと読み終わった思い長編だ。 まず読み終わっての感想だが今年読んだ小説の中で一番のめり込めた小説という事だ。上下段組で67...
柴田よしき氏の『聖なる黒夜』を読了。別にこのタイトルだから読み始めた訳ではないのだが、この間ブックオフで見つけた本作をちょうどこの連休始めに読み始め、今日やっと読み終わった思い長編だ。 まず読み終わっての感想だが今年読んだ小説の中で一番のめり込めた小説という事だ。上下段組で670ページ強とかなりの大作ではあるのだが飽きて読み進むのがつらいという部分がほぼなかったといえるくらい熱く緻密に書き進められていて、読む方も練り込まれたストーリーにぐんぐん引き込まれあっという間に読み進む事が出来るという作品である。 内容はというと犯罪に絡んだ警察サスペンス小説といえるだろうが、佐々木譲氏の作品や今野敏氏の警察物とは全く違ったとってもダークなというかいままで警察小説では読んだ事のないえぐい生々しいお話が展開されるのが特徴だ。 例えば主人公はノンキャリアでありながらも捜査の天才と言われる(オブケと隠語で呼ばれる)警察幹部なのだが、彼がバイなのかヘテロなのかがわからなくなるような彼が剣道の世界であこがれていた先輩(警察内では別部署であるが位が下にいる微妙な関係)との男同士の駆け引きが物語を面白くしている。また事件の天才と言われる彼が唯一犯した過去のえん罪事件により刑務所に行き人生に絶望した男がやくざとつきあいながら経済ゴロとし暗躍するのだがその男と主人公のあやしい絡み。それらの男同士の物語の伏線として語られるそのえん罪事件により刑務所に行った頭脳明晰な男が巻き込まれる男だけの非日常の性の世界などなど冷静に読まないとちょっとどぎつさに物語の筋を読み間違ってしまいそうな世界がつぎつぎと展開されるので、人によってはそのえぐさにやられてしまいサスペンス構成の素晴らしさを見失う人もいるかもしれないが、個人的には素晴らしいサスペンスがく組み上げられていると感銘を受けた。 逆に感じたのが、そういったえぐい表現の中に巧く組み込まれている、普通に人間が生きて行くなかで出会う不条理だけれども運命かもとおもえる出来事や人間関係の中で人はどうやってその現実に意味を見いだしたり、あきらめたり、絶望したりするかという人間の様々なありようを登場人物それぞえに見事に演じさせているのが素晴らしいところだと思えた。 そんな人のダークサイドに光を当て、正義とは、正しい裁きとはということを考えさせてくれる良質なサスペンスを読むBGMに選んだのはKeith Jarettの"Tokyo 96 ". 随分昔の録音なのに瑞々しいなあ。
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ヤクザの大幹部がホテル浴室で殺された 組同士の抗争なのか?それとも個人的な恨みか? 捜査する刑事、麻生は、10年前に自分が逮捕した 青年が、殺されたヤクザの愛人をしていたことを知る。 簡単な暴行未遂のはずだった過去の犯罪に 驚愕の事実が。。。? RIKOシリーズの麻生と練のそ...
ヤクザの大幹部がホテル浴室で殺された 組同士の抗争なのか?それとも個人的な恨みか? 捜査する刑事、麻生は、10年前に自分が逮捕した 青年が、殺されたヤクザの愛人をしていたことを知る。 簡単な暴行未遂のはずだった過去の犯罪に 驚愕の事実が。。。? RIKOシリーズの麻生と練のそもそもが これを読んでわかって「なるほど~」 こうやって麻生は堕ちていったのか。。 及川が哀れだなぁ
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花咲慎一郎シリーズと関係ありそう・・・と思って借りました。 登場人物は警察とヤクザなのですが、ある意味で少女漫画のようなお話が熱く悲しくかなり長く続きました。 でも、最後まで意外に入り込んで読めたのは、作者のうまさかなぁ。 花咲シリーズの練や女医さんが出てきました。
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エンターテイメントなミステリ。ヤクザの大幹部韮崎が何者かにホテルの一室で殺される。犯人を追ううちに刑事の麻生は過去自分が逮捕した若者で現在ヤクザの資金調達を請け負うことを生業としている山内練と再会する。そのことから過去に解決されたと思っていた事件の真相や、複雑な人間関係が明らかに...
エンターテイメントなミステリ。ヤクザの大幹部韮崎が何者かにホテルの一室で殺される。犯人を追ううちに刑事の麻生は過去自分が逮捕した若者で現在ヤクザの資金調達を請け負うことを生業としている山内練と再会する。そのことから過去に解決されたと思っていた事件の真相や、複雑な人間関係が明らかになっていく、といったストーリー。物語上の現在、1900年代の話と、過去の時間軸である1980年代の2つの話が交互に書かれて徐々に真相に迫っていくというスタイル。 ヤクザの大幹部韮崎とその子飼いで肉体関係のある山内練、刑事の麻生とその大学の剣道部の先輩でありマル暴の及川。この4人の愛憎渦巻くラブストーリーでもあります。この執着心が濃く、いっそヤンデレ感すらある同性愛ラブストーリーに目くらましされてこう・・・序盤の伏線が目立たないっていう効果すらある気がする。 基本的に線の細い美少年な練が悲劇のヒロイン的な役割なのかと思いきや実はそのポジションは麻生のほうだった~っていう驚きがありました。こう、周りの愛が深いわりに麻生自身は淡々としているというか、あんまり他人に依存しないんですよね。だから頑固でちょっと鈍感。作中でも言われていたように自己完結している人間なんでしょう。 いろいろな人間関係や事件が絡み合って、最後はしっかりまとまって終わるので読後感もよかったです。おすすめ。
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