阿弥陀堂だより の商品レビュー
売れない小説家の夫・孝夫と、医者であり心を病んだ妻・美智子が、夫の田舎である山村に暮らし、そこの生活に心穏やかなものを感じていきます。郷愁が溢れる谷中村と、阿弥陀堂に住むおうめ婆さんの何気なく語られる言葉に、普段は忘れている懐かしい心に、母親のようにそっと優しく触れられて優しく起...
売れない小説家の夫・孝夫と、医者であり心を病んだ妻・美智子が、夫の田舎である山村に暮らし、そこの生活に心穏やかなものを感じていきます。郷愁が溢れる谷中村と、阿弥陀堂に住むおうめ婆さんの何気なく語られる言葉に、普段は忘れている懐かしい心に、母親のようにそっと優しく触れられて優しく起こしてくれるような感覚になりました。 おうめ婆さんの生活は質素で、贅沢なものなど何もありません。「多くの事を聞いても心配が増えるだけだから、自分に合っただけの、なるべくいい話を聞きたい」という話に、情報が溢れすぎる今の社会に気付いてはっとさせられました。 美智子と同じように心が疲れたり、自分を見失いそうになったことがある人は、きっと感じるものがあるはず。心から優しく、温かい話。
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出てくる人皆優しく、しかも優しい筆致で描かれる夫婦の話。山本周五郎と同じ雰囲気が漂っています。しみじみ。
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忙しい毎日でピリピリしていたときに、友人が贈ってくれました。ゆっくりとした時の流れの中で、「生きる」とはどういうことか、改めて考えさせられました。「ただ生きる」ということの尊さ。そして、幸せの基準とは?無意味なものに振り回されがちな情報化社会で、立ち止まって考える機会を与えてくれ...
忙しい毎日でピリピリしていたときに、友人が贈ってくれました。ゆっくりとした時の流れの中で、「生きる」とはどういうことか、改めて考えさせられました。「ただ生きる」ということの尊さ。そして、幸せの基準とは?無意味なものに振り回されがちな情報化社会で、立ち止まって考える機会を与えてくれた本でした。大事件が起こるわけではないのに、読み始めると止まらない、不思議な本です。私も今度、癒してあげたい友人に贈りたいなぁと思っています。
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仮想の原風景で癒される、って部分もあるのかもしれません。でも、登場人物の考え方、行動に感動させられた、と思います。
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生きるということの不思議さ。 生きるということの意味。 生きるということの全て。 阿弥陀堂便りは、何気ない 日常の毎日で―。 それがどれほどのことかを 教えてくれる小説です。
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