阿弥陀堂だより の商品レビュー
阿弥陀堂だより(文春文庫) 著作者:南木佳士 発行者:文藝春秋 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 第100回芥川賞受賞作品
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難病の小百合ちゃんがおうめ婆さんを取材して村の広報に掲載する『阿弥陀堂だより』の短くも優しい記事文が、疲れた心に沁みてくる。 医師である主人公の妻の心を病むまでの仕事ぶりはすごいし、売れない作家でダメな感じと見える主人公の、故郷の山に移住して妻を再生させるまでの献身ぶりは素晴らし...
難病の小百合ちゃんがおうめ婆さんを取材して村の広報に掲載する『阿弥陀堂だより』の短くも優しい記事文が、疲れた心に沁みてくる。 医師である主人公の妻の心を病むまでの仕事ぶりはすごいし、売れない作家でダメな感じと見える主人公の、故郷の山に移住して妻を再生させるまでの献身ぶりは素晴らしい。 ダイヤモンドダストと違い、結末が死ではなくそれぞれの障害を乗り越えて生きていく、と言うのがまた良かった。
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新聞で南木さんの書いた文章を読み、興味を持って読んだ。 コロナ禍の中で重たい内容ではあったけど、最終的には晴れやかな気分になったのでよかった。生と死、死生観。所詮、人の命も自然の一部の流れ・・。 まあ、でも次は軽めの小説を読みたい気もする。
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心を病んだエリート医者の妻と作家兼ほぼ主夫の主人公。田舎っていいな。闇雲に頑張り続けることだけが人生ではないと思った。
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小さな山奥の村、その山里の山の方の阿弥陀堂に暮らす老婆。祖先の霊を守ってくれる老婆にお礼として、老婆には食糧が運ばれる。 40年、50年この閉ざされた風景から一歩も外に出ないで暮らしてきた老婆。 都会で精神的に病んだ妻と売れない作家の自分。口の聞けない若い女性。圧倒的な大自然のな...
小さな山奥の村、その山里の山の方の阿弥陀堂に暮らす老婆。祖先の霊を守ってくれる老婆にお礼として、老婆には食糧が運ばれる。 40年、50年この閉ざされた風景から一歩も外に出ないで暮らしてきた老婆。 都会で精神的に病んだ妻と売れない作家の自分。口の聞けない若い女性。圧倒的な大自然のなかで、生きるとは何か、考えさせられる名作。 田舎で暮らし、病気と単なる身体の故障の違いとは、心が病んでるかどうかであると気づく妻。 深いですね。
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地に足がつく….というか、土地に根付いて身も心も健全に生きたくなるな。 『器に合った分の、それもなるたけいい話を聞いていたい』 このSNS時代にグッと来る言葉だ。
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六川集落出身の孝夫が結婚し妻を連れて移住してくる。そこで暮らしながら出会う人との触れ合いが描かれている。 タイトルでもある阿弥陀堂は、山の中腹にあるお堂で、選ばれたお婆さんが守っていくしきたりになっている。 96歳のおうめ婆さんはそこに住み、祖先の霊を守っていてくれるのでそのお布...
六川集落出身の孝夫が結婚し妻を連れて移住してくる。そこで暮らしながら出会う人との触れ合いが描かれている。 タイトルでもある阿弥陀堂は、山の中腹にあるお堂で、選ばれたお婆さんが守っていくしきたりになっている。 96歳のおうめ婆さんはそこに住み、祖先の霊を守っていてくれるのでそのお布施として村人は食料や燃料を運ぶ。 病んでいた人々がおうめ婆さんと、この村での暮らしで元気を取り戻していく。 映画化もされている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人生の折り返しに差し掛かり、故郷の集落に戻った夫婦の生活を描いた物語。 おうめさんの飾らない、それでいて核心をつく言葉が深く心に染み入って、何度か涙を拭った。 季節が巡り生命が芽吹きまた枯れていく、それをあるがままに受け入れることの美しさを感じた。 心に柔らかな温もりが灯るような一冊。
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ミステリーばかり読んでいた身には起伏のない展開がしんどかったが、次第になじんでくる。幸せに生きるとはどういうことか、どのように死に向かっていくのか。医者でもある著者が抑えた筆致で問うてくる。しかし私には、ここに出てくるどの人の生き方もできないな。
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売れない物書きとキャリアウーマン医師の妻、妻が体調を崩し、夫の故郷の田舎村に帰る。自然、田舎の人達に触れながら第二の人生をゆっくりとでも健康に歩んでいく姿を描く。 知人に「オススメ」と言われもらった本、座禅をやっていることもあり、タイトルにも惹かれ読んでみる。 父も田舎暮らしをし...
売れない物書きとキャリアウーマン医師の妻、妻が体調を崩し、夫の故郷の田舎村に帰る。自然、田舎の人達に触れながら第二の人生をゆっくりとでも健康に歩んでいく姿を描く。 知人に「オススメ」と言われもらった本、座禅をやっていることもあり、タイトルにも惹かれ読んでみる。 父も田舎暮らしをしていて、私もリタイアしたら田舎暮らしもいいなと思ったり、物語の自然とふれあう良さもわかるのだけれども、全体としては物足りなさを感じたかな。
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