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月の裏側 の商品レビュー

3.4

313件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

    118

  4. 2つ

    31

  5. 1つ

    5

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2024/05/17

アニメ「サマータイムレンダ」を見て、なんだか似たような雰囲気の小説を昔読んだ気がする...と記憶と実家の本棚を掘り返して再読。 全体の雰囲気は似ているがこちらの方がより不気味。長靴を履いて寝るのはどんなにか気持ち悪いだろうと変にリアルに想像してしまう。恩田陸作品らしいゆっくり背筋...

アニメ「サマータイムレンダ」を見て、なんだか似たような雰囲気の小説を昔読んだ気がする...と記憶と実家の本棚を掘り返して再読。 全体の雰囲気は似ているがこちらの方がより不気味。長靴を履いて寝るのはどんなにか気持ち悪いだろうと変にリアルに想像してしまう。恩田陸作品らしいゆっくり背筋が冷えていく感じの世界観が好き。

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2024/05/12

無意識をひとつにする、何か、はユングの集合的無意識と通じる概念だと思った。個人は繋がっているのかいないのか、繋がっているとして自分は本当にある自分なのか、共通する何かの部分なのか、、郷愁を感じる街でのミステリアスな事件を下敷きに、自己を揺さぶられるような読後感

Posted byブクログ

2024/01/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恩田陸氏の初期の作品。モダンホラー。 とある町で人が失踪するも、無事帰ってくるという事件が多発。彼らは『盗まれて』しまったのか。 ・・・ 本作、失踪後に当人が帰ってきます。その時の意識だけないのですが、あとは普通なのです。 こうした筋から、自然と洗脳とか、死とかを考えました。 意識や記憶の連続性を自認できる場合、周囲から『お前洗脳されたんだ』と言われても『はあ?』って思うでしょう。もし死後の世界があるとして意識や記憶があり『あ、俺死んだんだ』ってわかったら、死への恐怖は薄いのではないでしょうか。 本作の『盗まれる』というのは言わばこのような状態。ただし『盗まれている』間は記憶がない。だったら別に恐怖とかは余りないんでないの?と感じました。 で、思いました。 意識・記憶の一体性・連続性こそがアイデンティティなのであり、これが保持されない(というか確証できない)のが死であり、だからこそ、死は怖いのではないでしょうか。 まあその意味では本作は余り怖くはなかったかな。 ・・・ いつも書きますが、恩田さんは作風の広さが半端ないです。創造意欲はどこから湧くのでしょうか?感心してしまいます。 青春小説やエンタメ小説としての恩田さんしか知らない方はこうしたモダンホラー系も読んでみていただきたいです。

Posted byブクログ

2023/10/10

SFホラー。 何が本当で、何が嘘かはわからないけど 大多数になればそれが本当になる。 この世の中には説明ができないこと、説明しなくてもいいことがあるんじゃないか。 そうなのかもしれないな。 登場人物の多聞さんがでてくる不連続の世界 を続いて読みたい

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2023/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ジャック・フィニィの「盗まれた街」は過去に読んだことがある。面白かったのは覚えているがラストの記憶がない。オイラの頭はほんとに残念だ。盗まれた人がどういう風に帰ってくるのか事実を知った協一郎、多聞、高安、藍子が世間にその証拠を出さない理由にいまひとつ納得ができないけど、最後まで相手の姿かたちをはっきりさせないままこれだけドキドキさせてくれたことに感心。というか相手が敵なのか味方なのかもよくわからない。殺される訳でじゃない、少しの間世の中から消えてまた帰ってくるだけだ。それを四人がそれぞれどんなふうに捉えるのか、ってことだ。多聞の盗まれても盗まれなくても一緒じゃないの?的な考え方って長生きしそうだな。 ”真実は男のものだが、真理は女の中にしかない。男はそれを求めて右往左往するだけだ„ って言葉が頭に残ったんだけど、なんか解せないんだよなぁ。   

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2023/08/07

なかなか理解するのが難しかった 勝手な解釈だけど月の裏側って、月は存在して見ることができるけど裏側はここからは決して見えないもの 存在するけど見えないものって、人の意識とか深層心理だったり、人によって見るあるいは想像する、思うことがそれぞれ異なるという側面を描いたのかなぁと。

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2023/08/05

全体的にどんよりとした雰囲気の中で、唯一教え子の多聞ののほほんとした性格に救われた。 恩田作品の中でも突出した不可解な気味の悪さ。この世には説明できないことが、私たちの知らない間にどんどん生まれているのかもしれない。 ☆印象的な言葉☆ 「人間は、一人では生きていけないが、一人で...

全体的にどんよりとした雰囲気の中で、唯一教え子の多聞ののほほんとした性格に救われた。 恩田作品の中でも突出した不可解な気味の悪さ。この世には説明できないことが、私たちの知らない間にどんどん生まれているのかもしれない。 ☆印象的な言葉☆ 「人間は、一人では生きていけないが、一人で何もできないわけではない」

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2023/07/30

私は何者か? スピ系に興味がある。 人は言葉を発しなくても、感覚的にわかってしまうのでは?といったことは、ずっと感じていたけれど (そのせいで生きづらい) 目に見えない意思により、潜在最終的には、みな同じことを考えるように、意識を操作されて?いるのであれば 「人間はそのままで完...

私は何者か? スピ系に興味がある。 人は言葉を発しなくても、感覚的にわかってしまうのでは?といったことは、ずっと感じていたけれど (そのせいで生きづらい) 目に見えない意思により、潜在最終的には、みな同じことを考えるように、意識を操作されて?いるのであれば 「人間はそのままで完璧」という自己肯定感低めの人向けの言葉と相反する。 さて、私はナニモノか? どう生きていったらいいんだろう? 読んでいて、ところどころ、ツジツマが合わないところがあって、ん?って思ってしまった。 そこは、読んでいる人が落ち込まないように、現実には戻すために、あえて、なのか? 笑

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2023/04/26

忽然と姿を消した人がある日突然失踪中の記憶を失って戻ってくる…こんな事件が3件連続で発生。 結局多聞はすでに盗まれていたのかそれとも長靴のおかげで盗まれていなかったのか…。 なんだかちょっと気持ち悪いホラーのようなお話でした。

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2023/03/18

個人的には怪談小説のような印象を受けた。 失踪ののち、ひょっこり戻ってくる。まさに怪談の神隠し系の話である。 恩田陸特有の叙情的な文章も相まって、余計にそのような感じを受けた。 なによりも文章が綺麗。内容としてはホラーとかSFのジャンルになるだろうし、映像化したら結構どぎついシー...

個人的には怪談小説のような印象を受けた。 失踪ののち、ひょっこり戻ってくる。まさに怪談の神隠し系の話である。 恩田陸特有の叙情的な文章も相まって、余計にそのような感じを受けた。 なによりも文章が綺麗。内容としてはホラーとかSFのジャンルになるだろうし、映像化したら結構どぎついシーンとかあるんだけど、この文章のためか、ずっと綺麗な物語を読んでいるような感じだった。 個人的に好きな文章。 「都心のマンションの中で、ラジオやTVを点けっぱなしにして読む本と、こんなに静かな闇の底で、畑の真ん中の一軒家で一人読む本って同じなのかな」 今自分が住んでいるのが、畑の真ん中の一軒家で、夜になれば本当に真っ暗な場所に住んでいるためか、この一文が凄く印象に残った。

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