敬虔な幼子 の商品レビュー
表紙下部にはミセス・レジーラ・ダウディの表記。 見開き左のページに英文、右ページに絵と訳文が記載されている構成。英文をゆっくり読んで、右のページに移るという変わったリズムで読めました。 読み終えて想起したのはトリアーの『Dancer in the Dark』。行き過ぎた信仰心...
表紙下部にはミセス・レジーラ・ダウディの表記。 見開き左のページに英文、右ページに絵と訳文が記載されている構成。英文をゆっくり読んで、右のページに移るという変わったリズムで読めました。 読み終えて想起したのはトリアーの『Dancer in the Dark』。行き過ぎた信仰心。本人にとっては幸せで、なすべきことをなしたように見えなくもないですが、それは狂気と紙一重で、側から見たら不幸であり、異常ともとれます。 幼子の信仰心も途中から欺瞞がうっすらとコーティングされており、自分は天に昇れる、神に愛されていることを疑わず、他者の行いや書物に書かれている神に関する内容も自己の判断基準によって評価が下される危うさもはらんでいます。皮肉の利いた良いタイトル。 今月中にもう何冊か読みたいと思います。
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ゴーリー三冊目。 読んできた二冊に比べて、はるかに理解しづらいような。 それがゴーリーの味ったら味なんだろうけど、解釈があいまいだと釈然とはしないなぁ。
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タイトルの通り、敬虔なヘンリー・クランプ坊やが、その敬虔さにより天に召されてしまうまでの話。 仏教・神道を身近において育った身としては、キリスト教の在り方は理解できるとしても、(抑圧的な)キリスト教徒の行動までは「うーん」となる。ストーリーは揶揄したりする内容ではないんだけども。...
タイトルの通り、敬虔なヘンリー・クランプ坊やが、その敬虔さにより天に召されてしまうまでの話。 仏教・神道を身近において育った身としては、キリスト教の在り方は理解できるとしても、(抑圧的な)キリスト教徒の行動までは「うーん」となる。ストーリーは揶揄したりする内容ではないんだけども。 お墓の「E.G」って、あっ……
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キリスト教の教えに敬虔で幼くして亡くなった子が主人公。 短い絵本で、物語はシンプル。 禁欲的な教えを信じ、その通りに生きた子ども。 読み終わった後に、何が面白いのか、単純すぎてポカーンとしてしまう。 あとがきの柴田さんの指摘(両親に手伝いを申し出た時になぜ後ろ手に金槌が?)と...
キリスト教の教えに敬虔で幼くして亡くなった子が主人公。 短い絵本で、物語はシンプル。 禁欲的な教えを信じ、その通りに生きた子ども。 読み終わった後に、何が面白いのか、単純すぎてポカーンとしてしまう。 あとがきの柴田さんの指摘(両親に手伝いを申し出た時になぜ後ろ手に金槌が?)という部分で、確かに不思議だなーともう一度見返してしまう。 でも、もしかしたら子供なりに何かを直そうとして準備しているのかも知れないし、悪意があるとか、敬虔であることを疑ったり批評したりしようとしているようにも見えない。 キリスト教の禁欲的な教えは、子どもの直観からすると違和感を覚えるものが多数。それを良く理解していることを喜ぶのは、むしろ大人。大人の押し付けに対する批判という風に読む人もいると思う。 でも、私はそこまでの意図を感じなかった。 また、聖者伝説のように描写するのであれば、もっと目がきらきらしたすごい人風に描くこともできるだろう。ゴーリーはそんな描写はしない。 ゴーリーは、ある意味リアリティーを追及している。 本当に敬虔な子どもがいたら、こんな感じじゃない。 とフラットに読み手に投げかけている。 一般的なとぼけた子どもが、立派なことを言って、守りぬく。 幼子としての特異性をそのまま異物感があるまま描き出すことを目的としたのではないだろうか。 この物語を読む人が、この特異な子どもをどう扱うかによって、その場面場面の読み取られ方が違ってくる。 子どもがどんなに敬虔に信じていても、周りから「うそっぱちだ、いいこちゃんぶってるんだ」と思われたら、『ただのクレイジーな子ども』としてつまはじきだし。『すばらしいできすぎた子』だとしたら、偶像化され、ひたすら賞賛されるのだろうし。 その子供が凄いというのではなく、その周りが自分の考えと照らし合わせて上でどのような態度をとるのか。 読み手の人間の器をを図られているような怖ろしさも感じる。
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神を深く愛し、3歳という幼さで自らの邪心に気づく。純な信仰心に従った坊やの言動は狂気さえ感じるほど。 淡々とした語り口と善も悪も読み取れないゴーリーのイラストがマッチしている。ゆえに読んだ回数だけ解釈が生まれる作品だと感じた。 坊やは幸せだったのだろうか、、、
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題名通り、この世で生きていくにはあまりにも純粋な、信心深い幼子のお話。文章は淡々と彼を綴るのにゴーリーのイラストはなぜか物悲しさに加えてどこか不自然な不安定さと恐ろしさ、見方によっては滑稽ささえも滲ませます。さらさらと最後まで読むことはできますが、そういうわけで読み終わってからも...
題名通り、この世で生きていくにはあまりにも純粋な、信心深い幼子のお話。文章は淡々と彼を綴るのにゴーリーのイラストはなぜか物悲しさに加えてどこか不自然な不安定さと恐ろしさ、見方によっては滑稽ささえも滲ませます。さらさらと最後まで読むことはできますが、そういうわけで読み終わってからも何度もページをめくってはイラストを眺めてしまいました。彼は読み手に何を受け取ってほしかったのか、何度見てもよくわかりません。そこも味なのですけど。
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心に闇のある子、っていう触れ込みだったから、単純に悪魔の子を想像しながら読んだんだけど、結果、この子自身はそんなに酷くない。最後にやっぱり酷い目にあって(というか不条理な死を迎えて)、寧ろ気の毒に思えるほど。確かに、どこか一本ネジがずれてるというか、変わった子ではあるんだけど。ち...
心に闇のある子、っていう触れ込みだったから、単純に悪魔の子を想像しながら読んだんだけど、結果、この子自身はそんなに酷くない。最後にやっぱり酷い目にあって(というか不条理な死を迎えて)、寧ろ気の毒に思えるほど。確かに、どこか一本ネジがずれてるというか、変わった子ではあるんだけど。ちゃんちゃん。
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皮肉なのか、あまりにも純粋な子供が淡々と描かれる。 いつどんでん返しがあるかと思いつつ読むのは、心が曇っているせい・・・。 2014/12/02 予約 12/10 借りて読み始め、すぐに読み終わる。 内容と著者は 内容 : 三歳になって間もなく、ヘンリー・クランプ坊やは、...
皮肉なのか、あまりにも純粋な子供が淡々と描かれる。 いつどんでん返しがあるかと思いつつ読むのは、心が曇っているせい・・・。 2014/12/02 予約 12/10 借りて読み始め、すぐに読み終わる。 内容と著者は 内容 : 三歳になって間もなく、ヘンリー・クランプ坊やは、自分の心が邪であるにも関わらず、神様は彼を愛し給うことを知りました。 あまりに純粋で清らかな魂が、汚れたこの世から昇天するまでを独自の手法で描く。 英文併記の絵本 著者 : 1925〜2000年。シカゴ生まれ。 ハーヴァード大学でフランス文学を専攻。出版社勤務を経て、独立して専業作家となる。 著書に「ギャシュリークラムのちびっ子たち」など。
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買おうかどうかずっと迷ってついに買ってしまった…。絵と物語のアンバランスさに、敬虔に生きることの輪郭が歪んでくる。でもいわゆる(宗教的な)敬虔さってこういうことなんだろうな、って納得?した本。あとがきが爽快。
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誰のために、何のために、敬虔であるのか。本心はどこにあるのか。淡々とした描写だからこそ、読み手が自問自答する作品。
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