敬虔な幼子 の商品レビュー
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◆あらすじをみて白・ゴーリーだと思い、図書館から黒・ゴーリー「おぞましい二人」と一緒に借りてきました。◆うわぁ、これ、好きになれません。「おぞましい二人」の方がむしろ存在価値アリだと思いました。「敬虔な幼子」はなんだか凝り固まった老人みたい。高慢ちきな聖職者みたい(これらの表現、現実のお年寄りの方、高慢でない聖職者の方ゴメンナサイ、物語によく登場するステロタイプの・・・という意味です)。なんのために作られたのか、さっぱりわかりませんでした。
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子ども向けの絵本作家であるにもかかわらず、ゴーリーの作品はとかく不穏。 だから、この絵本もどこかで転調するはずだと、昏い予感でわくわくして読んでいたら、敬虔な幼子は敬虔なまま天に召されてしまった。 あれれ? でも、行き過ぎた敬虔の、バランスの悪さがちらちらと絵や文章からかいま見...
子ども向けの絵本作家であるにもかかわらず、ゴーリーの作品はとかく不穏。 だから、この絵本もどこかで転調するはずだと、昏い予感でわくわくして読んでいたら、敬虔な幼子は敬虔なまま天に召されてしまった。 あれれ? でも、行き過ぎた敬虔の、バランスの悪さがちらちらと絵や文章からかいま見え、やっぱりストレートに敬虔を賛美しているわけでもなさそうで、薄い絵本をにらみつけながらどこまで深読みをすればいいのか途方に暮れるのだ。 エドワード・ゴーリー恐るべし。
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穢れた自分、そんな自分を愛してくださる神を敬愛する3歳の主人公。雹の振る日に施しの為に外出し、体調を崩して死ぬその時ですら、神の御下に行ける喜びに微笑む。 両親に手伝い事がないか朝晩尋ねるシーンでは、トンカチを手にしている。訳者は「『邪(よこしま)な子供を殴り殺しなさい』と言われたら素直にほいほい殴り殺してしまいそうな勢いではないか」と評している。
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【エドワード・ゴーリー誕生日一日読書会】3才にしてヘンリー・クランプ坊やは敬虔なキリスト教徒。一読目は『こんな子供、こんな人生ヤダ!』とサラッと読んでしまったが、訳者あとがきで「両親に何かできる事は無いかと訊ねる時に、後ろ手に何故トンカチ?」という疑問を読み、改めて読み返すと、あ...
【エドワード・ゴーリー誕生日一日読書会】3才にしてヘンリー・クランプ坊やは敬虔なキリスト教徒。一読目は『こんな子供、こんな人生ヤダ!』とサラッと読んでしまったが、訳者あとがきで「両親に何かできる事は無いかと訊ねる時に、後ろ手に何故トンカチ?」という疑問を読み、改めて読み返すと、あらゆる場面でクランプ坊やは他の子に嫉妬していたり自己満足だったり上から目線だったりと、深読み裏読みできるシーン満載。普通に考えたら悲しい感動的な話だけど、やっぱり偽善的な臭いを感じて笑った。
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最初にヘンリークランプが「自分の本性は邪悪だと…」って出てきたあたりで「一体どんな惨劇を起こしてしまうんだ…」って心配してしまいましたが(私のゴーリーの初見が”おぞましいふたり”であったせい)普通にいい子のまま死にました。 でもちょっと気持ちが悪い子供ですね。健全さがないという...
最初にヘンリークランプが「自分の本性は邪悪だと…」って出てきたあたりで「一体どんな惨劇を起こしてしまうんだ…」って心配してしまいましたが(私のゴーリーの初見が”おぞましいふたり”であったせい)普通にいい子のまま死にました。 でもちょっと気持ちが悪い子供ですね。健全さがないというか。解説にもあったけど狂信的すぎて…てやつ。 子供に品行方正さを求めていながら、どこかで子供らしさっていうのを大人は求めてしまうのかもしれないですね。
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ある敬虔な子どもの短い人生。淡々とした語り口のなかに密かに混じる皮肉にひやりとします。敬虔という盲目に殺された子どもはそれなりに幸せだったでしょうけど。
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見開きの右側のページに絵と柴田元幸さんの訳があり, 左側にもとの英文がある。 放題からもわかるとおり キリスト教観念の強い少年の話。 解説では,話としては少年は独善的であるけれど, 絵を見ると完全にそうも言い難く純粋な部分もあると捉えることができる, そのために解釈が難しいと...
見開きの右側のページに絵と柴田元幸さんの訳があり, 左側にもとの英文がある。 放題からもわかるとおり キリスト教観念の強い少年の話。 解説では,話としては少年は独善的であるけれど, 絵を見ると完全にそうも言い難く純粋な部分もあると捉えることができる, そのために解釈が難しいと述べている。 絵本にはそういう読み取りかたもあるのか…と学んだ。
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この本から何を読み取ることができるか。それは人それぞれ。ともかく読んで、何かを感じてほしい。あなたの想像力次第でいかようにもメッセージが変化する。できれば、いろんな人とこの作品の感想を共有してほしく思う。
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細かい矛盾と狂気を孕んでいる物語だ。 穢れの無い人間(この場合は幼児)への知的洗脳はとても恐ろしいものがある。 常々思っている事だが、それが国単位であったり団体単位であると、その坩堝からなかなか抜け出すことが出来ない。 人は他者にとって、都合の良いピエロにされる為に生まれてきた...
細かい矛盾と狂気を孕んでいる物語だ。 穢れの無い人間(この場合は幼児)への知的洗脳はとても恐ろしいものがある。 常々思っている事だが、それが国単位であったり団体単位であると、その坩堝からなかなか抜け出すことが出来ない。 人は他者にとって、都合の良いピエロにされる為に生まれてきたのでは無いのだ。 ピエロ、なんて悲しい響き。
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変な本です。 理解できないと言ってしまうとあまりにも可哀想なお話です。 これは誰かが望んだ子どもの姿なのでしょうか。不思議なお話です。
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