シンプルな情熱 の商品レビュー
とても短い小説なのですぐに読める。 内容もただ「恋」の話だから難しくもない。 文章もシンプル。 . 原題は『Passion simple』 passionはもともと外部から被害を受けたときに生じる「苦しみ」「苦難」「苦悩」を意味する語であり、Passionとpを大文字で書くとイ...
とても短い小説なのですぐに読める。 内容もただ「恋」の話だから難しくもない。 文章もシンプル。 . 原題は『Passion simple』 passionはもともと外部から被害を受けたときに生じる「苦しみ」「苦難」「苦悩」を意味する語であり、Passionとpを大文字で書くとイエス・キリストの「受難」の意味になるとあとがきで初めて知った。 この作品は正しくPassionで、その様が簡潔な文章で綴られている。 じっくり向かうとノーベル文学賞で、表面的に流すとただの不倫話。 本場フランスでは賛否両論だったらしいが、それもよく分かる。 否定的な批評は"平板な文体"と言い、支持派は"平板なのではなく簡潔""極限まで無駄を省いているのだ。剥き出しなのだ"と言う。 私も支持派の意見に同意する。無駄を省いた語りであるからこそ本質が分かりやすく顕になっていると思う。 女性読者が圧倒的に多いと思うが、エルノーの元に届いた手紙は"胸の内に秘めていた自分の体験に言葉を与えてくれたことに感謝する"という男性からのものが多かったらしい。 私も正にそうだった。 エルノーと全く同じで驚くほどだった。 同じ気持ち、同じ感覚。 だから共感しかなかった。
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今の私には全く響かなかった。 誰かを狂おしいほど好きになったことはあるけど欲だけでこんなに狂おしくなったことない。
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本作の著者アニーエルノーは2022年のノーベル文学賞を受賞された方だったので、本書を読んでみましたが、まさにタイトル通り「とても激しい、パッション!」を感じる本でした。 ストーレートで熱い熱を感じるような本で、火傷したような読後感になりました! 賛否両論ありそうな作品だと思います...
本作の著者アニーエルノーは2022年のノーベル文学賞を受賞された方だったので、本書を読んでみましたが、まさにタイトル通り「とても激しい、パッション!」を感じる本でした。 ストーレートで熱い熱を感じるような本で、火傷したような読後感になりました! 賛否両論ありそうな作品だと思いますが、私は、とても印象的で、人間の本質を刺激する本で、素晴らしい本だと思いました。 ぜひぜひ読んでみてください。
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情熱、とだけ聞くと 何かほとばしるような、 熱くて燃えるような、 エネルギーに溢れる、 そんなことをまず連想するのは、 なんでだろう? 熱、という字が入ってるからかな? 一方で、熱いだけではない情熱というのも ある気がする。 一瞬湧き出た後にも残るエネルギー? まだまだ消えな...
情熱、とだけ聞くと 何かほとばしるような、 熱くて燃えるような、 エネルギーに溢れる、 そんなことをまず連想するのは、 なんでだろう? 熱、という字が入ってるからかな? 一方で、熱いだけではない情熱というのも ある気がする。 一瞬湧き出た後にも残るエネルギー? まだまだ消えないよ、という感じか? 淡々と流れる時間の中に ポッと湧き出た情熱に対して、 渦中から少し時が経ってるからこその シンプルなのかな。 熱さと冷静さのちょうどよさ (けして、ぬるいわけではなく) を感じた。
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ノーベル文学賞をきっかけに図書館から借り出したアニー・エルノー2冊目。 実らない恋に心身ともにもっていかれた女性の日々の精神状態を、外側から冷徹な筆致で描いている。読み手にとっては「嫉妬」と似たような感情をたどる作品。 1冊目の時も思ったが、何語であれ、おそらく翻訳では伝わらな...
ノーベル文学賞をきっかけに図書館から借り出したアニー・エルノー2冊目。 実らない恋に心身ともにもっていかれた女性の日々の精神状態を、外側から冷徹な筆致で描いている。読み手にとっては「嫉妬」と似たような感情をたどる作品。 1冊目の時も思ったが、何語であれ、おそらく翻訳では伝わらない魅力があるのではないかと想像している。和訳自体はとても自然だし読みやすかったから、翻訳に問題があるというわけでは決してなく、元々の筆致がとても簡潔な文章だと思われ(それがこの著者の特徴だと書評にもあるので)、表現がある意味シンプル過ぎて、行間の魅力が伝わらないのかも、と考えている。扱う内容の好みも多少これありで、エルノーはこの2冊でとりあえずいいかな、と。
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ノーベル賞を受賞したので読んでみた。 評価ご真っ二つに分かれるとあった。女性の性について素直に書くと言う事、その時期を書き綴った事、を作品として評価されたものであるようだ。 一読で私は何とも表現しがたかった。やはり外国の人は性の捉え方が日本と違うように感じる。 読んで悪い本ではな...
ノーベル賞を受賞したので読んでみた。 評価ご真っ二つに分かれるとあった。女性の性について素直に書くと言う事、その時期を書き綴った事、を作品として評価されたものであるようだ。 一読で私は何とも表現しがたかった。やはり外国の人は性の捉え方が日本と違うように感じる。 読んで悪い本ではないが、また読み進めたいと思うような本でもなかった。
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〇〇してから何日たった、あと〇〇時間後には…など、時間を意識せざるを得ない苦しさを思い出すとともに、時間を細切れにせず漠然と過ごせている日々はある意味幸せだと思った。 著者の他の作品も読んでみたい。
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ノーベル文学賞つながりで、川端康成を本屋で買ったついでに平積みされているのをなんとなく購入。 私生活を書く人だと言うことくらいしか知らずに読む。 率直な感想は「私にはもはや遠い思い出」という感じ。 誰かを熱烈に想ったり待ち侘びたりする季節は過ぎ去ってしまった。 描写は簡潔でそ...
ノーベル文学賞つながりで、川端康成を本屋で買ったついでに平積みされているのをなんとなく購入。 私生活を書く人だと言うことくらいしか知らずに読む。 率直な感想は「私にはもはや遠い思い出」という感じ。 誰かを熱烈に想ったり待ち侘びたりする季節は過ぎ去ってしまった。 描写は簡潔でそっけないほどだ。 自己と対話するような語り口が同じフランス人作家のマルグリッド=デュラスを思い起こさせるが、例えば「ラマン(愛人)」や「太平洋の防波堤」のようにフランス領インドシナを舞台にした異国情緒による風景の拡がりみたいなものは感じられない。アニー=エルノーの描く世界は閉じた狭い街と部屋の中という感じがする。 今回、川端康成とアニー=エルノーを続けて読んで、ノーベル文学賞とはなんぞや?と改めて思った。 普段気に入った作家の小説ばかり読みがちなので、世間的に認められている本もちゃんと読んでおかないとなぁ!と反省しました。
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2022年ノーベル文学賞受賞作家。 スカスカの文庫で100頁ほど。(長々とした訳者解説で一冊の本に無理やりしている。) ただの恋愛小説にしか思えない。恋(passion)に生活、思考のすべてを支配された女性の話。 有名作家の「衝撃の告白」だからフランスでヒットしたという説が...
2022年ノーベル文学賞受賞作家。 スカスカの文庫で100頁ほど。(長々とした訳者解説で一冊の本に無理やりしている。) ただの恋愛小説にしか思えない。恋(passion)に生活、思考のすべてを支配された女性の話。 有名作家の「衝撃の告白」だからフランスでヒットしたという説が正しいのではと感じる。
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"passion" 元々の"受難"という意味もあり、 恋、情熱に生きるということは 自分の魂を奪われて、 意志が強く見える一方で、ある意味 主体性をなくしてしまっていることなのかも、なんて。 欲することの限界を向かえたいような、 向かえた...
"passion" 元々の"受難"という意味もあり、 恋、情熱に生きるということは 自分の魂を奪われて、 意志が強く見える一方で、ある意味 主体性をなくしてしまっていることなのかも、なんて。 欲することの限界を向かえたいような、 向かえたくないような。 終わりを意識しながら 美しき時を化粧しながら、 ただひたすら"待つ"。 もしかしたら、ギャンブルのように "待つ"ことのゲームを 楽しんでいるのかもしれない。 (Aが好き、というより、相手はAであることが相応しい、という感覚もある?) 恋、情熱について 哲学しているようでもあり、 情熱の温度が少しずつ 下がっていく様子さえ、 丁寧に描かれているのが良い。 Aがくるため、用意されていた ウイスキーの記述。 クラフトビールや、好きなアイスを 買っておいて、別離したあとに なんでこんなに買ってたんだっけって 思ったことあったな、なんて 回想したり。 愛人関係でなくとも、 過去の誰かとの逢瀬、情事に 思いを馳せる、そんな純文学。 山田詠美さんも薦めておられたのか、納得。 詠美さんも久々に浸りたくなった。
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