言語の脳科学 の商品レビュー
タイトルからしてちょ…
タイトルからしてちょっと難しそうな本ですが、文章・構成ともに読みやすく内容も分かりやすいと思うのでお勧めです。
文庫OFF
討論の結果で科学の真偽が定まるかのような考え方をしている印象を受ける。 チョムスキー信者のような著者が、今の生成AIの能力をどのように見ているか気になった。
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【ブクログ読書メモ】酒井邦嘉『言語の脳科学 脳はどのようにことばを生みだすか』(中公新書・2002年) ◆基本情報 著者:東京大学大学院教授・酒井邦嘉 発行:2002年7月 ページ数:340頁 受賞歴:第56回毎日出版文化賞 ◆核心的知見(本書の主張) 1. 文法処理の左脳局在 左下前頭回背側部(ブローカ野)が文法判断時に特異的に活性化。手話処理でも同領域が関与し「言語モダリティを超えた神経基盤」を提唱。 2. モジュール仮説の実証 左前頭葉損傷で文法失語、側頭葉損傷で意味失語が発生。失語症研究から「言語機能の分離構造」を立証。 3. 普遍文法の神経基盤 幼児の言語爆発現象を「生得的言語獲得装置(LAD)」で説明。第二言語習得の臨界期(12歳前後)を神経可塑性の観点で分析。 ◆現代科学からの再評価 ◎支持される点 ・fMRI研究で確認される文法中枢の存在(左前頭前野の活性化) ・手話処理における左脳優位性の実証(音声言語との共通基盤) ・臨界期仮説の神経メカニズム解明(シナプス刈り込みとの関連) ◎修正が必要な点 ×生得説の過度な一般化 →遺伝的バイアスと統計的学習の相互作用モデルが主流(深層学習の事前学習機構との矛盾) ×機能局在の単純化 →弓状束などの白質連絡路の役割が解明され「ネットワーク協調説」が台頭 ×手話の右脳関与説 →高解像度fMRIで左脳優位性が再確認 ◆技術的限界(2002年当時) ・fMRIの時間解像度不足(秒単位→現在は100ms級) ・拡散テンソル画像(DTI)技術未成熟→白質路の分析不十分 ・人工知能研究の未発達(Transformerモデル等の概念不在) ◆読者評価の両論 ✓肯定的意見 ・失語症/手話/幼児発達の多角的分析が「言語の本質」に迫る ・文系読者にもわかりやすい症例解説(特に第7章の臨床データ) ✗批判的意見 ・チョムスキー理論への偏重が目立ち「対立学説の軽視」を指摘する声 ・専門用語の多用により「第4章の普遍文法論」が難解との感想 ◆思考を刺激する名言集 「言語獲得装置(LAD)は遺伝的に規定された『心的器官』である」(第4章) 「失語症研究は、言語がモジュール化されたシステムであることを示す」(第7章) 「第二言語習得の臨界期は神経可塑性の『時間的窓』と関係する」(第12章) ◆読書のすすめ ・脳科学の歴史的転換期(2000年代初頭)を知る資料として重要 ・「生成文法 vs コネクショニズム」論争の入門書として最適 ・現代の深層学習研究と比較読書すると新たな気付きが得られる (総評)神経科学と言語学の架け橋となった記念碑的著作。技術的制約による限界はあるものの、言語の生物学的基盤に迫る問題意識は現在も色褪せない。AI時代の言語理解を考える上で、人間の脳が示す「生得と学習のバランス」を再考する契機となる一冊。
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興味はあり、ある程度読んでそれなりに面白かったが、いかんせん、素人向けの新書版であるにもかかわらず、記述レベルが詳細過ぎて、だんだん飽きてくる。 今回は、途中断念。
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取り扱う内容は広範かつ充実しているものの、チョムスキーに対して過剰な賛美が目立ち、彼の理論に反する学説に対しては非常に批判的。終盤では少しお茶を濁してる感が否めない。
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言語の文法はもともと脳に備わっている、という 考え方にとても共感しました。こちらは2002年発行で 少し前に発行されたものなので、最新の本を 読みたくなりました。
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卒論で使わせて頂きました。 手話をテーマに扱ったのですが、手話は言語であることが他のどの本よりも明確に分かりやすく解説されていた。
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脳科学の研究を通して言語の謎を解き明かす軌跡を描いている。「脳はどのようにことばを生みだすか」ーこれが究極の問いであると言う。仮説と検証を繰り返して真理に迫ろうとする姿勢はサイエンスそのもので、言語学の多くがいまだに「文系」によって構成されている日本の研究を嘆く氏の言には共感する...
脳科学の研究を通して言語の謎を解き明かす軌跡を描いている。「脳はどのようにことばを生みだすか」ーこれが究極の問いであると言う。仮説と検証を繰り返して真理に迫ろうとする姿勢はサイエンスそのもので、言語学の多くがいまだに「文系」によって構成されている日本の研究を嘆く氏の言には共感するところが多かった。ブローカ野など大脳の一部が文法上のエラーに反応することまで判明しているのには驚いた。この新書は2002年出版のものなので、最新の研究ではもっと進んでいるのだろう。文法と意味の違いを脳のはたらきを通して捉えるというアプローチも大変奥深いものに思えた。本書によって実証的な言語学にはじめて出遭うことができた。
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大学教養課程向きにかなり噛み砕かれた書き振りになっているせいだろう。わかり易さの反面、内容はかなり広範で分量もそれなりにある。言語、進化、脳科学といった領域の往復運動が無理なく理系と文系の考え方を繋げてくれる。言語の本質がヒトならではの特性であることの説明から始まり、全体として...
大学教養課程向きにかなり噛み砕かれた書き振りになっているせいだろう。わかり易さの反面、内容はかなり広範で分量もそれなりにある。言語、進化、脳科学といった領域の往復運動が無理なく理系と文系の考え方を繋げてくれる。言語の本質がヒトならではの特性であることの説明から始まり、全体として、チョムスキーの生成文法を自然科学の仮説と捉えた上で、まず、その仮説の自然科学的な実証方法が示される。人工知能のような自然言語からの応用や手話のような音声に寄らない表現などへと話が進み、外国語学習を含む言語習得という大学生にとっては最も身近な言語の話題で締めくくられる。自然科学的な実証を人文科学の仮説と接合させながら、言語という大きな問題への挑戦がはじまった。
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前半はチョムスキー(の言語論)、後半は読字や発話と脳の関係で現時点でわかっていることを紹介する構成。同じ著者による最新のチョムスキー解説が出版されたので、その予習として最適と判断、あまりなじみのないチョムスキーの言語学を読んでみた。 2章と3章は、スキナーやピアジェへの批判など...
前半はチョムスキー(の言語論)、後半は読字や発話と脳の関係で現時点でわかっていることを紹介する構成。同じ著者による最新のチョムスキー解説が出版されたので、その予習として最適と判断、あまりなじみのないチョムスキーの言語学を読んでみた。 2章と3章は、スキナーやピアジェへの批判などが紹介されていて読み応えがある。4章は言語学全般についての解説、以降は脳科学に寄った内容となっている。 読み終えてあらためて著者の最新刊の『チョムスキーと言語脳科学』 (インターナショナル新書)の目次を見てみたが、なんかほとんど一緒じゃね?
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