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言語の脳科学 の商品レビュー

3.7

30件のお客様レビュー

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タイトルからしてちょ…

タイトルからしてちょっと難しそうな本ですが、文章・構成ともに読みやすく内容も分かりやすいと思うのでお勧めです。

文庫OFF

2020/07/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

言語の文法はもともと脳に備わっている、という 考え方にとても共感しました。こちらは2002年発行で 少し前に発行されたものなので、最新の本を 読みたくなりました。

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2020/05/12

卒論で使わせて頂きました。 手話をテーマに扱ったのですが、手話は言語であることが他のどの本よりも明確に分かりやすく解説されていた。

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2020/05/03

脳科学の研究を通して言語の謎を解き明かす軌跡を描いている。「脳はどのようにことばを生みだすか」ーこれが究極の問いであると言う。仮説と検証を繰り返して真理に迫ろうとする姿勢はサイエンスそのもので、言語学の多くがいまだに「文系」によって構成されている日本の研究を嘆く氏の言には共感する...

脳科学の研究を通して言語の謎を解き明かす軌跡を描いている。「脳はどのようにことばを生みだすか」ーこれが究極の問いであると言う。仮説と検証を繰り返して真理に迫ろうとする姿勢はサイエンスそのもので、言語学の多くがいまだに「文系」によって構成されている日本の研究を嘆く氏の言には共感するところが多かった。ブローカ野など大脳の一部が文法上のエラーに反応することまで判明しているのには驚いた。この新書は2002年出版のものなので、最新の研究ではもっと進んでいるのだろう。文法と意味の違いを脳のはたらきを通して捉えるというアプローチも大変奥深いものに思えた。本書によって実証的な言語学にはじめて出遭うことができた。

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2020/02/19

 大学教養課程向きにかなり噛み砕かれた書き振りになっているせいだろう。わかり易さの反面、内容はかなり広範で分量もそれなりにある。言語、進化、脳科学といった領域の往復運動が無理なく理系と文系の考え方を繋げてくれる。言語の本質がヒトならではの特性であることの説明から始まり、全体として...

 大学教養課程向きにかなり噛み砕かれた書き振りになっているせいだろう。わかり易さの反面、内容はかなり広範で分量もそれなりにある。言語、進化、脳科学といった領域の往復運動が無理なく理系と文系の考え方を繋げてくれる。言語の本質がヒトならではの特性であることの説明から始まり、全体として、チョムスキーの生成文法を自然科学の仮説と捉えた上で、まず、その仮説の自然科学的な実証方法が示される。人工知能のような自然言語からの応用や手話のような音声に寄らない表現などへと話が進み、外国語学習を含む言語習得という大学生にとっては最も身近な言語の話題で締めくくられる。自然科学的な実証を人文科学の仮説と接合させながら、言語という大きな問題への挑戦がはじまった。

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2019/06/03

前半はチョムスキー(の言語論)、後半は読字や発話と脳の関係で現時点でわかっていることを紹介する構成。同じ著者による最新のチョムスキー解説が出版されたので、その予習として最適と判断、あまりなじみのないチョムスキーの言語学を読んでみた。 2章と3章は、スキナーやピアジェへの批判など...

前半はチョムスキー(の言語論)、後半は読字や発話と脳の関係で現時点でわかっていることを紹介する構成。同じ著者による最新のチョムスキー解説が出版されたので、その予習として最適と判断、あまりなじみのないチョムスキーの言語学を読んでみた。 2章と3章は、スキナーやピアジェへの批判などが紹介されていて読み応えがある。4章は言語学全般についての解説、以降は脳科学に寄った内容となっている。 読み終えてあらためて著者の最新刊の『チョムスキーと言語脳科学』 (インターナショナル新書)の目次を見てみたが、なんかほとんど一緒じゃね?

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2019/05/16

チョムスキーの生成文法の立場から、脳において文法を司るモジュールが存在しているという仮説を検証するためのさまざまな実験を紹介している本です。 いわゆる認知言語学的なアプローチではなく、チョムスキーの主張する普遍文法を認知的なアプローチによってたしかめようとする立場がとられている...

チョムスキーの生成文法の立場から、脳において文法を司るモジュールが存在しているという仮説を検証するためのさまざまな実験を紹介している本です。 いわゆる認知言語学的なアプローチではなく、チョムスキーの主張する普遍文法を認知的なアプローチによってたしかめようとする立場がとられているところに、本書の特色があるといえるように思います。 ただ、こうした立場からの研究プログラムの提示にとどまっているという印象もあります。一方で、とくに日本のアカデミズムにおける文系と理系の断絶、あるいは心理学と言語学の断絶が、著者のような言語についての研究を阻んできたという議論に多くのページが割かれており、言語の科学的研究はどのようにしてなされるべきなのか、という問題に関心をいだく読者にとっては、紹介されている個々の研究成果を知ることができるだけでにはとどまらない、知的刺激を受けることができる内容なのではないかとも感じました。

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2019/05/15

チョムスキーの言語生得説と左脳優位性を中心に 「脳はどのように言語をつくるか」を論証した本。脳科学と言語学を整理しているので わかりやすい。とにかく面白い。人口知能、手話、失語症、バイリンガル、第二外国語 に至るまで 言語というカテゴリーを広げて 論証している 言語生得説につい...

チョムスキーの言語生得説と左脳優位性を中心に 「脳はどのように言語をつくるか」を論証した本。脳科学と言語学を整理しているので わかりやすい。とにかく面白い。人口知能、手話、失語症、バイリンガル、第二外国語 に至るまで 言語というカテゴリーを広げて 論証している 言語生得説について。言語生得説とは 人は先天的に言語機能を持っているという説。赤ちゃんにも言語機能があるということになる 言語化までの「脳→心→言語」というプロセスについて。言語は 脳から直接指示されるのではなく、心を通じる。言語は 心の一部であり、言語は 心から生まれ、再び心に返る。自然科学の本で 心が出てくることが意外

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2018/10/15

大学で学んだ分野で、懐かしく読んだ。大学生の僕がチョムスキーの言語生得説に興味を感じたのは、無味乾燥な言語学の中で、唯一それがSFマインドをくすぐったからだと気づいた。「最新の脳科学はそれを裏付けようとしている」とあるが、証拠はまだ見つかっておらず、今もそのsense of wo...

大学で学んだ分野で、懐かしく読んだ。大学生の僕がチョムスキーの言語生得説に興味を感じたのは、無味乾燥な言語学の中で、唯一それがSFマインドをくすぐったからだと気づいた。「最新の脳科学はそれを裏付けようとしている」とあるが、証拠はまだ見つかっておらず、今もそのsense of wonderが維持されており喜ばしい。筆者は公式通り、聞いたことのない非文を非文と分かることを言語生得の根拠(45頁)とするが、幼児が聞いたことのない非文を類推で非文と学習すると考えるのが自然ではないか、と当時思ったし、今もそう思う。

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2016/12/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2002年刊行。  人間の脳はどのようにして言葉を生み出すのか。確かにこれは究極の難問の一つである。  本書はチョムスキーの「ヒト特有の言語能力は脳の生得的性質に由来」との見解を押し進め、言語の問題、例えば言語の獲得・学習、普遍分法の存在、言語に関する脳生理機構の分析方法、文法処理・入力・獲得のメカニズム等を解説していく。  確かに難易度は高いと思うが、専門書ほどは難しくなく、何度も味読する価値のある良書と思われる。議論の対象も広範囲で、新書としては十分。  お勧めの一書である。  著者は東京大学大学院総合文化研究科助教授。

Posted byブクログ