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文庫版 絡新婦の理 の商品レビュー

4.4

323件のお客様レビュー

  1. 5つ

    173

  2. 4つ

    97

  3. 3つ

    34

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2024/04/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何巡したらこの事件の構造が解るのか分からないがとりあえず登場人物は大まかに掴んだ…はずである。 どうやら近代化する前の田舎暮らしは日本昔話的な平和で穏やかなものではないらしいなと薄らぼんやり発見したのはこの巻だったような気がするな。 フェミニズムに真っ向勝負!!みたいな気概を感じたんだった。というよりもジェンダー論に対してかな。 初読では読み落としていたものが今だとよく分かる。ジェンダーと言ってしまうと皆の問題って感じるけれど、纏めてしまえるような部分てごく僅かだと思う。必要なものは、外科手術なのかカウンセリングなのか、そういったものとは全然違う問題を解決しなくちゃいけないのか、もうありとあらゆるケースが人の数だけあるのだから。 心が体と異性だったらば、心と体は一致させないといけないものだろうか?食い違っても自分だと思えるのならば揃える必要があるかな。 また誇りを持って属性を武器にするならば、それは恥ずべき行為なのかな。 日本には日本の法律があるから日本にいるなら従わねばならないけども。 京極堂というキャラクターを深堀りした巻でもある。言葉でもってどこからも何からも線引きしたら本当に孤独になっちゃうな。桜を散らせて木花咲耶姫はご退場だ。でもあれなんでしょ、また出てくるんだよね…そしてまた読み直すことになるんでしょ…。 それにしてもこんなにこれ誰だっけを繰り返して読み返しては、新刊進まぬ…。

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2024/03/21

今回も難しい内容が盛りだくさんで一度読んだだけでは理解しているとは言いきれないがとても面白かったです。まったく関係ないと思われる2つの事件が絡まり合い繋がっていきどんどん読み進めてしまいました。

Posted byブクログ

2024/03/21

わたしを読書沼に落とした双璧のひとつ、京極堂シリーズ。 ジェンダー論、夜這い考、カバラ信仰、などなど、わたしの大好物民俗学的な薀蓄がてんこもり。 戦後の少し気怠げな時代感、シリーズに共通するキャラクターなど、京極ワールド全開の大作。  まあとりあえず、 余程の覚悟と時間的...

わたしを読書沼に落とした双璧のひとつ、京極堂シリーズ。 ジェンダー論、夜這い考、カバラ信仰、などなど、わたしの大好物民俗学的な薀蓄がてんこもり。 戦後の少し気怠げな時代感、シリーズに共通するキャラクターなど、京極ワールド全開の大作。  まあとりあえず、 余程の覚悟と時間的余裕がなければ 再読がシンドイ1冊。  登場人物もめちゃくちゃ多いしね。 そんでめちゃくちゃ死んじゃうしね。  とは言え、プロローグと物語の終わり、 桜と海と墓標の色彩が鮮やかに脳内で投影される美しい作品。 そろそろ読み返すタイミングかも。

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2024/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やっとこさ読了…! また途中で止まったからすごい時間かかってしまった笑 目潰し魔と絞殺魔と一見別々の事件が並行して起こってるのかと思えるが随所で交わる部分が見え隠れしていて、かと言って中心部がどこなのかはまるで見えない…正に蜘蛛の巣に絡め取られてる1匹の獲物みたいな気持ちで読み進められた。 自分の意思で動いてると思ってたのに実は駒の1つに過ぎず操られていただけだとわかった時は自分の信じてたものが大きく揺らぐことだろうしさぞや恐ろしかろう… 語彙力がないから陳腐な言い方しか出来ないけど、話の点と点の絡ませ方といいラストと頭の台詞が同じところといいその他諸々「凄い」の一言に尽きるお話だった…!

Posted byブクログ

2024/02/24

1400ページやっと読了。。(読んでる最中にコロナ感染したので倍かかった。。) まさに蜘蛛の巣の様な作品。無関係と思われてた複数の事件が繋がる繋がる、でも核心には近づいてる様で近づけていない。そんな不思議な事件を今作も京極堂がしっかり落としてくれました。とにかく圧倒的な展開です。...

1400ページやっと読了。。(読んでる最中にコロナ感染したので倍かかった。。) まさに蜘蛛の巣の様な作品。無関係と思われてた複数の事件が繋がる繋がる、でも核心には近づいてる様で近づけていない。そんな不思議な事件を今作も京極堂がしっかり落としてくれました。とにかく圧倒的な展開です。これまでの作品と比べると人が死ぬ割に華やかな印象を受けたのと、あと関口くんいないからかやけに読みやすかったのが印象的でしたw 毎作品思うけど、こんな緻密な話を破綻させずに完結させる京極先生凄すぎです。また暫くしたら次作も読みます。

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2024/01/24

まさに「蜘蛛の巣」。 理がわからない限り抜け出せない。 知らず知らずのうちに絡め取られ、迷い込む。全てが怪しく、全てが罠。 なんとも好い読後感だった。全ての獲物を食い散らした絡新婦の圧倒的な強かさと孤高さに感情を持っていかれた。 清々しい敗北感だった。 京極夏彦の描く女性はいい...

まさに「蜘蛛の巣」。 理がわからない限り抜け出せない。 知らず知らずのうちに絡め取られ、迷い込む。全てが怪しく、全てが罠。 なんとも好い読後感だった。全ての獲物を食い散らした絡新婦の圧倒的な強かさと孤高さに感情を持っていかれた。 清々しい敗北感だった。 京極夏彦の描く女性はいい。 芯が強く、知的で、思慮深く、品がある。 今までの複数の事件との関わりもあり、懐かしむ気持ちもあった。

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2024/01/01

仕事が少し落ち着き読書を再開。今まで電子書籍避けてきたけれど、今回kindleデビューし便利さを体感、、こういう分厚い文庫は断然楽だった。絡新婦、木花佐久夜毘売、桜... ワードだけで世界観を感じられるような、やはりどこか現実離れしている雰囲気が好き。

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2023/12/28

「絡新婦の理」(京極夏彦)を読んだ。 圧倒される。 やっぱりこれは面白いわ。 (人死が多すぎるけどな) 関口巽が出てきてからのラストが素晴らしい。 今年の春に「鉄鼠の檻」を読み直して、今これを読んだけど、やはりもう一回「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」「狂骨の夢」を読み直したくなる...

「絡新婦の理」(京極夏彦)を読んだ。 圧倒される。 やっぱりこれは面白いわ。 (人死が多すぎるけどな) 関口巽が出てきてからのラストが素晴らしい。 今年の春に「鉄鼠の檻」を読み直して、今これを読んだけど、やはりもう一回「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」「狂骨の夢」を読み直したくなる。

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2023/12/22

複層的に絡み合う物語 相関図を作りながら読みました 整理しながら読めてたので 理解がしやすかったハズ?! さて、塗仏に移りますか

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2023/12/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 百鬼夜行シリーズ第5弾。東京と千葉で発生した連続目潰し殺人事件、房総の女子校における謎の結社の噂、その校内及び学校理事長を務める房総の富豪宅で発生した殺人事件--十重二十重に絡まり合いながら展開するストーリーはシリーズ屈指の複雑さ。  ネタバレではあるが、本作では「無限に増え続ける選択肢のどれを選択しても軌道修正可能なプログラム」の下に事件が発生する。京極堂曰く「外部がない」--部外者でいるには事件に一切関知しないほかになく、少しでも関われば真犯人の“駒”として振る舞いざるを得ない--という特徴は、個人的には本作そのもの--読まない限り内容は判らず終いだが、読み始めると最後まで止められなくなる--のように感じた。最後まで読み進めると、冒頭・1-2章間・2-3章間・3-4章間・4-5章間・5-6章間における男女の会話の意味が解る。  本作でも京極堂による“憑物落とし”は健在で、中でもフェミニズム論を始めとした日本の文化・歴史における女性性の在り方についての言説は興味深かった。

Posted byブクログ