狐物語 の商品レビュー
中世(12世紀ごろ)…
中世(12世紀ごろ)フランスで作成された悪狐ルナールの物語です。狼との闘争を中心に、宮廷の会議の様子、商人や農民たちの暮しなど、当時の社会が生き生きと描かれてます。ちなみに、ゲーテの『ライネケ狐』もその流れを汲むものです。
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中世(12世紀ごろ)…
中世(12世紀ごろ)フランスで作成された悪狐ルナールの物語です。狼との闘争を中心に、宮廷の会議の様子、商人や農民たちの暮しなど、当時の社会が生き生きと描かれてます。ちなみに、ゲーテの「ライネケ狐」もその流れを汲むものです。
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どうもいけない、中世ヨーロッパの文化が馴染まない。個人的な印象ですけれども。 第1話から主人公の悪辣振りに辟易してしまい、その後、どうしても楽しめなかった。どうしても、主人公の女性の扱いが、受け入れられず、全編を読む妨げになった。中盤を過ぎたあたりで、この面が薄らいだような気がし...
どうもいけない、中世ヨーロッパの文化が馴染まない。個人的な印象ですけれども。 第1話から主人公の悪辣振りに辟易してしまい、その後、どうしても楽しめなかった。どうしても、主人公の女性の扱いが、受け入れられず、全編を読む妨げになった。中盤を過ぎたあたりで、この面が薄らいだような気がして、そうしたら、主人公のずるさをだんだんと楽しめるようになったのだが、とにかく第1話の展開が私には合わなかった。 中世騎士物語は結構好きだ。そういうタイプの映画もよく見た。しかし、この狐物語はそういった映画を見る際の障害になりそうだ。 この物語が楽しまれたということは、寓話の形にしろ、力あるものへの揶揄にしろ、これに近い現実というものがあり、容易にそれを想起できるということだと思う。そう思うほど、この物語は楽しめない。 歴史的価値のある物語だと思う。文化を語る上では貴重だと思う。それで☆2つ。
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フランスの中世の寓話(私は簡単にそう書きましたが何れとも形容し難いかな)ですね。 ルナールという悪狐が主役の人間社会をパロディ化した物語。狼のイザングランとの闘争も物語の主題になっている。 作者は数人にわたるようで、おおむね三十話くらいの作品で構成されているが、十二世紀後半からか...
フランスの中世の寓話(私は簡単にそう書きましたが何れとも形容し難いかな)ですね。 ルナールという悪狐が主役の人間社会をパロディ化した物語。狼のイザングランとの闘争も物語の主題になっている。 作者は数人にわたるようで、おおむね三十話くらいの作品で構成されているが、十二世紀後半からかなり長い時代をかけて成立したようで、各話の文体が統一されていない。(この本は十五話に集約されています)。ですから訳者も三人で行われています。 いずれにしても読みやすく楽しめます。 物語のルーツはまだ確定はされていないようで、民間伝承説、古典の文章継続説、修道院の説話など様々あるが、時代と共に話の一貫性を築かれているとの事でした。 「狐物語」はヨーロッパの文学にもかなりの影響をもたらしているので重要な作品です。 余白閑話が嬉しいですね。 解説も詳細でこれだけでもかなり価値のあるおいしい本です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2018.11.23読了。ロミオとジュリエットに出てきたロミオの友人ティバルトが「やいティバルト!猫の王子!」などとあだ名的に呼ばれていた。その事に関して巻末に注釈があり「狐物語」に出てくる猫の王子ティバルトからといった内容の記述があった。それが気になって「狐物語」を購入したのだ。読むとティベールという山猫は出てきた。主人公の悪狐ルナールをも騙す狡猾な猫だ。ティベールの綴りを調べたらThibert。狐物語はフランスの物語集でロミオとジュリエットの舞台はイタリアだ。イタリア読みだとティベールはティバルトとなる。それはまぁいいとして、問題はティベールが王子であるという記述はどこにも無かったのだ。後半に金持ちであるようなことは書かれていたが王はライオンのノーブル王だけだ。王子はおふざけ的なニュアンスで呼んだだけだったのか…。ちょっとがっかりではあったが新しいネタは手に入れたから良しとする。しかしこの狐物語にも元になった別の物語「囚人の脱出」「僧侶の心得」「イセングリムス」があるのか。某作品に出てくる古本市の神が全ての本は繋がっているというのを思い出した。それにしても狐が主人公というから子供向けの寓話やお伽話を想像していたが全然違って驚いた。動物的な表現もあるがかなり人間社会に準じていてそして下品だ!しかもなんというかまさにフランス的な下品さがある。だがこの物語集を読み親しんだであろうロミジュリの人達がああいう感じに仕上がってるというのはなるほど納得である。話の内容で登場人物達の関係がちょいちょい変わってしまっているのは色んな人が書いたり何度も書き写されてきたからだろうか。また枝篇それぞれに作者いるせいかそれぞれ言い回しや話にクセがあるのは面白い。悪狐ルナールに妻子がいてしかも妻子はルナールを愛してるのはなんとも不思議である。エルサンは悪女だなぁ。登場動物達が割と酷い目にあってるのに死者は出ないのかなと思ってたら穴熊のポンセだけやけにあっさり死んでしまった。イザングランとルナールの関係が何かに似てると思ったらトムとジェリーだ。敵対してるのにコロッと信じて騙されてを延々と続けていくその関係に似たものを感じた。そして解説を読んで色々と腑に落ちた。特に本書での掲載順と物語が作られた時期に違いがある事だ。そのヒット作とされた最初の6話の中にルナールがエルサンを手籠めにする話が入っているのを見るとやはり当時のフランスの品性が反映されている気がする。
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古典のお約束が満載 ・ページごとに主張が変わる登場人物 ・前の話でお陀仏になったはずが、後にしれっと再登場 ・前回あれだけひどい目にあわせた相手にもかかわらず、次会った時に警戒しない 中世の生活スタイルがうっすらわかるのが、興味深かった
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12cフランスのパロディ込みの大規模リレー小説といった趣。不快な内容の話もあったけど成り立ちは面白い。訳者さんお疲れ様です。
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狡猾で悪辣な狐ルナールを描いた寓話集。 ルナールの悪行やイザングランなどとの争いを描いたこれらの寓話は、12世紀後半の様々な時期に異なる著者によって書かれたという興味深い形式である。 これからも分かるように、ルナールは悪戯小僧を象徴するキャラクターであり、フランスではルナール=...
狡猾で悪辣な狐ルナールを描いた寓話集。 ルナールの悪行やイザングランなどとの争いを描いたこれらの寓話は、12世紀後半の様々な時期に異なる著者によって書かれたという興味深い形式である。 これからも分かるように、ルナールは悪戯小僧を象徴するキャラクターであり、フランスではルナール=きつね,ずる賢い男 を意味するようになった。 単にルナールの悪巧みを描くだけでなく、ルナールが騙されたり告訴されたりすることがあるのが面白いと思った。 また、当日のフランスの様子や農家の暮らし向きが知れるのも面白い。
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