黒いトランク の商品レビュー
鬼貫警部が登場するまで 事件の経過が淡々と語られ、又少々ややこしく 読むのにてこずってしまったのですが、警部が登場し(それもかつて愛した女性をたすけるために!!)容疑者が警部の同級生であり一人の女性を取り合った相手までいて・・とがぜんおもしろくなってきました。 しかしそこは本格推...
鬼貫警部が登場するまで 事件の経過が淡々と語られ、又少々ややこしく 読むのにてこずってしまったのですが、警部が登場し(それもかつて愛した女性をたすけるために!!)容疑者が警部の同級生であり一人の女性を取り合った相手までいて・・とがぜんおもしろくなってきました。 しかしそこは本格推理の古典とも言える作品だけあってあくまでも殺人のトリック、犯人のアリバイを緻密に追って話は進みます。 愛する女性がいながらも「一生独身でいい・・」と語る鬼貫は 事件を常に冷静に見つめます。そんな鬼貫警部は結構私のツボであり(笑)ほかの作品があるのなら読んでみたいな・・と思いました。
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1949年も押し詰まった鬱陶しい日の午後、汐留駅交番の電話のベルが鳴り、事件の幕が切って落とされた。 トランクに詰められた男の腐乱死体。 荷物の送り主は福岡県若松市近松千鶴夫とある。 どうせ偽名だろう、という捜査陣の見込みに反し、送り主は実在した。 その近松は溺死体となって発見さ...
1949年も押し詰まった鬱陶しい日の午後、汐留駅交番の電話のベルが鳴り、事件の幕が切って落とされた。 トランクに詰められた男の腐乱死体。 荷物の送り主は福岡県若松市近松千鶴夫とある。 どうせ偽名だろう、という捜査陣の見込みに反し、送り主は実在した。 その近松は溺死体となって発見され、事件は呆気なく解決したかに思われた。 だが、かつて思いを寄せた人からの依頼で九州へ駆けつけた鬼貫の前に青ずくめの男が出没し、アリバイの鉄の壁が立ち塞がる・・・。 図書館で目に留まり、借りてきました。超名作。 まさに寄木細工のような緻密な作品にくらくらしました。 やっぱりわたしには向いていないかも・・・。 こういう緻密なアリバイ崩しって苦手なんでしたよ。。。時刻表とかね。。。 地図も時刻表も、絶対になにかあるのはわかるんですけど、さらっと流してしまうんです。 でもやっぱり、さすがというか、本当に職人芸だなぁとうならされました。 トランクのトリックとアリバイ。 推理と理解を放棄し、ひたすら流れにまかせて読み進めましたが、すこしずつ謎がほぐれてくる様子がとても心地よい。 ケースに入った死体の移動、ということで横溝さんの『蝶々殺人事件』を思い出しましたが、やはり鮎川さんもあとがきで『蝶々』についても言及されていました。 思い出しついでに再読してみようかな。 また、巻末の座談会の北村さん、有栖川さん、戸川さん、という人選は作品にぴったりでした。
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少し前に読んだので詳細はぼやけているが、緻密ながら飽きさせず、面白かった。 いずれ再読したい作品。
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シンプルなお話ながら、それでいてトリックはちょっと複雑 じっくり読んでいかないとトランクや犯人の動きに置いてかれそう
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推理小説好きなら必ずおさえておきたい一冊。クロフツの「樽」以上の出来だと私は思ってます。 戦後まもない日本、九州から東京へ送られた列車貨物の中に、引き取り手がいない黒いトランクがあった。トランクの中には男の屍体が詰められていた。そしてトランクの送り主もまた遺体となって発見される。...
推理小説好きなら必ずおさえておきたい一冊。クロフツの「樽」以上の出来だと私は思ってます。 戦後まもない日本、九州から東京へ送られた列車貨物の中に、引き取り手がいない黒いトランクがあった。トランクの中には男の屍体が詰められていた。そしてトランクの送り主もまた遺体となって発見される。事件関係者が皆、同級生ということで鬼貫警部は事件に乗り出します。東京ー九州を往復し、犯人がしかけた鉄壁のアリバイを崩していきます。
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2時間サスペンスでもお馴染みの「鬼貫警部シリーズ」です。ドラマの原作だとナメてかかると大ヤケドする。死体入りのトランクの動きに翻弄されっ放しだが、読者を突き放す展開ではない。脱落しそうになったら、鬼貫刑事の思考シーンが登場するので、読者も一緒になって推理のプロセスを再確認できる。...
2時間サスペンスでもお馴染みの「鬼貫警部シリーズ」です。ドラマの原作だとナメてかかると大ヤケドする。死体入りのトランクの動きに翻弄されっ放しだが、読者を突き放す展開ではない。脱落しそうになったら、鬼貫刑事の思考シーンが登場するので、読者も一緒になって推理のプロセスを再確認できる。刑事の推理は論理的で、それが作者のミステリに対するフェアなスタンスを物語っている。多くの作家に影響を与えた作者のテクニックに納得できる作品。
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