死者を起こせ の商品レビュー
【フランス・ミステリ批評家賞受賞作】 「死者を起こせ」 (三聖人シリーズ一作目) 著者 フレッド・ヴァルガス 訳者 藤田真利子 装丁の持つ雰囲気と裏書きに興味を惹かれて手に取りました。登場人物も個性的で魅力があります。何が起こっているのか、徐々に明らかになっていきますが、最後の...
【フランス・ミステリ批評家賞受賞作】 「死者を起こせ」 (三聖人シリーズ一作目) 著者 フレッド・ヴァルガス 訳者 藤田真利子 装丁の持つ雰囲気と裏書きに興味を惹かれて手に取りました。登場人物も個性的で魅力があります。何が起こっているのか、徐々に明らかになっていきますが、最後の最後のどんでん返しに驚愕させられました〜。ネタバレ厳禁で楽しむ本ですね。面白かったです!(^-^) 訳者のあとがきの言葉を借りて、著者とボロ館に住む魅力的な登場人物についてご紹介させていただきますね。笑 著者のフレッド・ヴァルガスは女性のミステリ作家で、中世を専門とする考古学者でもあります。 『一つのことしかしていないとその職業でレッテルを貼られてしまい、息が詰まる』というヴァルガスの作品には、血なまぐさい惨劇の描写はありません。 『ミステリは「不安の解消」を楽しむものー読者は実生活でさまざまな問題を抱えている。ミステリのなかの問題は本の最後に解決される。ーそして読者は安らかに眠れる。』というわけでミステリとしての展開の面白さも十二分に味わえて、安心して眠れますのでぜひ最後まで読み終えてください〜。笑 【登場人物の三聖人(三人の歴史学者)の魅力】 マルクー中世専門の歴史学者。 強情でロマンチックでセンチメンタル。 マティアスー先史時代専門の歴史学者。 太古の知恵と落ち着きと間違いのない本能 を持っている。 (だからか)服を着るのが嫌い。 リュシアンー第一次世界大戦専門の歴史学者。 いつでも、どこでも、誰を相手にしても、 資料を探し始める。 何事にせよ、ひと言(あるいは延々と) 意見を述べずにはいられない。 三人ともがどこかエキセントリックで、しかもその行動がただのおふざけではなく、プロットに密接に絡み合っています。 それぞれの専門知識が事件解決に活かされていますし、それぞれの個性も作品にユーモアを足していて愉しめます。 他にも捜査を組み立てていく重要な人物として、元刑事でマルクの伯父である、アルマン・ヴァンドスレールも欠かせませんね。 フランス独特の言い回しも愉しみながら、最後にタイトルに戻って驚いて欲しいです。なるほど〜でした。笑
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三聖人の活躍!というよりも書いてる作者が活躍。金のない学者が共同でボロ館を借りてる。叔父さんも。叔父さんの語る甥の幼少時代の暴露話がいい。 事件はご近所で起きる。発端は拗らせた嫉妬。表の顔を死守しつつ、敵に対しては味方を装い接する。敵が偶然にも自分の尊厳を傷つけたのは事実だが、勿...
三聖人の活躍!というよりも書いてる作者が活躍。金のない学者が共同でボロ館を借りてる。叔父さんも。叔父さんの語る甥の幼少時代の暴露話がいい。 事件はご近所で起きる。発端は拗らせた嫉妬。表の顔を死守しつつ、敵に対しては味方を装い接する。敵が偶然にも自分の尊厳を傷つけたのは事実だが、勿論故意であるはずもなく、天災のような物だったとやり過ごせなかった。嫉妬にとりつかれてはいけないな。他人だから言えるんだけどさ。しかし三聖人、たのしーい。もっと書いて欲しいが、無理矢理創作しても良いものはできないと作者は知っている。
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フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas)作、原題はDebout les morts (1995年)、藤田真利子訳。フランス・ミステリ批評家賞受賞。 ソプラノ歌手の女性の家の庭に突然一本のブナの若木が植えられていたことから物語は始まる。ソプラノ歌手は失踪、ホテルで起きた...
フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas)作、原題はDebout les morts (1995年)、藤田真利子訳。フランス・ミステリ批評家賞受賞。 ソプラノ歌手の女性の家の庭に突然一本のブナの若木が植えられていたことから物語は始まる。ソプラノ歌手は失踪、ホテルで起きた殺人事件との関連は……。 若い3人の学者と警察を引退した元刑事の推理が冴える。 終盤はどんでん返しの連続、文句なく面白い。
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コージーぽい。 コージーというと女性が主人公でお茶でも飲んで、というイメージがあるが、本作の登場人物はほぼ男性。 でもやっぱりコージーぽい。 フランスだからね。 ここを経てアダムスベルグシリーズへと発展するのね。
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読み始めて感じたのが・・・、あ~失敗したかも(笑)、でした。まったく知らない翻訳モノを読む時、時々あるんですね~。 私は特にフランスミステリでこういうことにぶつかることがあります。 イギリスやアメリカのミステリには慣れているからかもしれません。 お国違えばジョークや言い回しも違い...
読み始めて感じたのが・・・、あ~失敗したかも(笑)、でした。まったく知らない翻訳モノを読む時、時々あるんですね~。 私は特にフランスミステリでこういうことにぶつかることがあります。 イギリスやアメリカのミステリには慣れているからかもしれません。 お国違えばジョークや言い回しも違いますから。 ボロ館をシェアして住んでいるかなり風変わりな若い歴史学者3人の個性がこれまた強烈です。 学者ってこうなんだろうなぁ~なんてクスっと笑える場面がたくさん登場します。 そういう意味ではユーモアミステリなの?と最初、思ってしまいます。おまけにお隣の家に見知らぬ木がいきなり植えられているなんてことから始まるし。 もしかして中途放棄するかも、と思いましたが、読み進めていくうちに目が離せなくなりました。 だんだんシリアスになりテンポもよくなっていくからなんです。 それにそう厚くない本ですし(苦笑)。 犯行を暴く科白がちょっと大げさなような気もしますけどね。 これからもいろいろな国のミステリに挑戦していこうと思っています。 中々、翻訳されないんですけどね~。
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シリーズ物(らしい)1作目。フレンチミステリーはほぼ初めてでした。 主役はたぶん歴史学者のマルクで、一応探偵役かな。 同居する伯父さんが元刑事で、 途中まで牽引役を担っているように見えるので確信がもてません。 マルコ、マタイ、ルカは、 窓辺に佇む3人を見て伯父さんが勝手につけ...
シリーズ物(らしい)1作目。フレンチミステリーはほぼ初めてでした。 主役はたぶん歴史学者のマルクで、一応探偵役かな。 同居する伯父さんが元刑事で、 途中まで牽引役を担っているように見えるので確信がもてません。 マルコ、マタイ、ルカは、 窓辺に佇む3人を見て伯父さんが勝手につけたあだ名です。 本名はマルク、マティアス、リュシアン。 明るい窓を背景に黒い3つのシルエットの映像が目に浮かぶようでした。 この3人、同世代で同じ歴史学者ながら、 専門の時代が違うという相容れない溝がありましたが、 貧乏ゆえにボロ館をシェアすることになります。 ついでに書くと、それぞれに割り当てられた部屋は専門の時代順で、 2階がマティアス(先史時代)、3階がマルク(中世)、 4階がリュシアン(第一次大戦)で現代を生きる伯父さんが屋根裏。 それでなんとか折り合いをつけたようです。ちょっと笑えました。 元刑事の伯父さんも暗い過去があって一癖あり、 ボロ館の愉快な仲間達が、 それぞれの特性を活かして(?)事件を解決に導く、という話です。 事件の発端も印象的でした。 一夜の内に庭に現れたブナの木。誰が何故? マルコ達同様、先ず最初に疑うのは、 「この木の下に何が埋まっているのか?」 そこから、過去の事件や新たな登場人物が挿入されていきます。 最後には・・・。 それからようやくタイトルに納得。 無口の裸族だったり反対におしゃべりだったり、 3聖人はそれぞれエキセントリックで魅力的でしたが、 私的には1つ難点が。 主役のマルクがめちゃめちゃ怒りっぽい。 すぐカッとなって会話を乱すので、感情移入して読むと疲れました。
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ある日、家に突然現れたブナの若木に怯える引退したオペラ歌手が失踪し、隣のボロ館に引っ越してきた失業中の歴史学者3人+元刑事が謎を追うおはなし。 つかみもよかったし、後半のスピード感はすばらしいと思います。 3聖人のキャラクターがとても個性的なので【ハマれば好き】【ハマらないと嫌...
ある日、家に突然現れたブナの若木に怯える引退したオペラ歌手が失踪し、隣のボロ館に引っ越してきた失業中の歴史学者3人+元刑事が謎を追うおはなし。 つかみもよかったし、後半のスピード感はすばらしいと思います。 3聖人のキャラクターがとても個性的なので【ハマれば好き】【ハマらないと嫌】になるかも。 個人的な好みでいえば、マルクの言動がもう少しスマートだとうれしい(途中で少しうっとうしくなってしまったので...
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フランスのミステリー、初めて読んだかも。 こう、ちょっと鬱々とした感じとか、ゆるい感じ?がよかった。 終盤の急展開、そして、意外な犯人! 一気に!という勢いはないけど、その分ゆったり楽しめた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
失業中の中世専門の歴史学者マルク、先史時代専門のマティアス、第1次大戦専門のリシュアンの3人とマルクの叔父で元警官のヴァンドスレールの共同生活。隣の家に住む元オペラ歌手のソフィア・シメオニディスの家の庭に埋められたブナの木。何かに脅えたソフィアの依頼で庭を掘りかえした3人。失踪したソフィア。訪ねてきたソフィアの姪のアレクサンドラとソフィアの友人で3人の隣人のジュリエットの依頼で捜査を始める3人。ソフィアを訪ねてきたクリストフ・ドンピエールの死。ソフィアの実家を訪ねたマルクとリシュアン。過去に起きたソフィアの楽屋を襲った暴漢。ソフィアの代役をこき下ろした批評家の殺人事件。
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フレッド・ヴァルガスを読むのは2作目ですが、何だかヴァルガスのファンになってしまいました。 (笑)理屈っぽいがユーモアな会話と個性溢れる登場人物描写、そして意表をつくストーリー展開が良いです。 三聖人シリーズの第1弾。中世史研究のマルコ、先史時代研究のマタイ、第一次大戦研究のルカ...
フレッド・ヴァルガスを読むのは2作目ですが、何だかヴァルガスのファンになってしまいました。 (笑)理屈っぽいがユーモアな会話と個性溢れる登場人物描写、そして意表をつくストーリー展開が良いです。 三聖人シリーズの第1弾。中世史研究のマルコ、先史時代研究のマタイ、第一次大戦研究のルカの3人の研究者が、マルコの伯父ヴァンドスレール元警視とともにボロ館に引っ越してきて事件に遭遇するという話で、隣の家の庭に突然ブナの木が出現したという出だしは本格推理小説としては王道を行く予感があってこれだけでもぞくぞくします。(笑) 主人公のそれぞれが魅力的人物ですが、シニカルな笑いを誘う会話がまた面白いんですね。本格推理と気合いを入れて読んでいたので、3分の1くらいからこういうプロットで犯人はこの人かなと思って読んでいたのですが、さらに一捻りあってすっかり外してしまった。(笑)終わってみれば構成も見事でした。
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