てのひらの闇 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
さくっと読めるプチハードボイルド小説。始めの雰囲気からは想像付かない展開に進んでいき、ページを捲る手が止まらない。誰も彼もが結局はいい人過ぎるというか、魅力ある人物=理解力ある優しい人物になっている部分と、主人公のキャラが時折ぶれるところが若干気にはなったが、人物相関と展開が面白いので満足。
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やくざ、経済、暴力とわかりやすい三要素を含んだ藤原伊織さんのハードボイルドです。類型的ですがそれなりに楽しめました。
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この人の各小説はハードボイルドなのかな? 主人公がアウトローなのが多い気がする。 今回は元ヤクザ組長の息子、現大企業の課長(リストラ間近)が主人公で、入社するきっかけにもなった勤め先の会長の自殺を、退職までの個人的興味。で調べ始める。 という話。40すぎのオジサンなのにめっぽう強...
この人の各小説はハードボイルドなのかな? 主人公がアウトローなのが多い気がする。 今回は元ヤクザ組長の息子、現大企業の課長(リストラ間近)が主人公で、入社するきっかけにもなった勤め先の会長の自殺を、退職までの個人的興味。で調べ始める。 という話。40すぎのオジサンなのにめっぽう強い。ヤクザ数人とやりあって勝てるくらい強い。 この人の文章は、話の内容に関係なく、読むのが楽。
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ハードボイルドミステリー。主人公の得体の知れなさに読み進めるうちに惹かれていきます。 前半がもたついているので挫けそうになるのがマイナスかな。
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昔でいうと硬派な主人公というセッティングが多い伊織氏の作品。文学小説とハードボイルドという両極端な性質を合わせ持つ作品。社会派のノンフィクション風でもある。 美しい作品だな、と思いましたが、解説の逢坂さんの言葉にある「高潔」に納得。高潔な作品でした。 任侠の世界、ビジネス的組...
昔でいうと硬派な主人公というセッティングが多い伊織氏の作品。文学小説とハードボイルドという両極端な性質を合わせ持つ作品。社会派のノンフィクション風でもある。 美しい作品だな、と思いましたが、解説の逢坂さんの言葉にある「高潔」に納得。高潔な作品でした。 任侠の世界、ビジネス的組織やサラリーマンの悲哀がリアルに描かれ、息を呑む転回でした。 どうやら続編があるようで、読むのが楽しみw
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時間つぶしに買った本。本を買ったのはいつぶりだろう。そのくらい久しぶりに読書をした。主人公は中年の堀江さん。ふらふらしているようでどこかワイルドな一面を持ってるおっちゃんの話。最後は上手いことまとめたな!という感じだったけどハラハラする場面もあったりで時間つぶしに買ったわりに満足...
時間つぶしに買った本。本を買ったのはいつぶりだろう。そのくらい久しぶりに読書をした。主人公は中年の堀江さん。ふらふらしているようでどこかワイルドな一面を持ってるおっちゃんの話。最後は上手いことまとめたな!という感じだったけどハラハラする場面もあったりで時間つぶしに買ったわりに満足!
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会社の会長の謎の死を追うサラリーマンの生い立ちは実はヤクザで…という話。孤立無援の普通のおっさんなのに、複数人をのすほどの腕力とテクニックで、職業とはいえ映像を少し調べるだけでどうやって撮ったのかがわかったり、行政に詳しかったりと博識なあたりは「テロリストのパラソル」と非常に似た...
会社の会長の謎の死を追うサラリーマンの生い立ちは実はヤクザで…という話。孤立無援の普通のおっさんなのに、複数人をのすほどの腕力とテクニックで、職業とはいえ映像を少し調べるだけでどうやって撮ったのかがわかったり、行政に詳しかったりと博識なあたりは「テロリストのパラソル」と非常に似たキャラクター。 謎解きが主ではないものの、少しずつ少しずつ情報がもたらされ、その間をアクションがつなぐ形になっており、どんどん先を読み進めたくなる辺りは流石である。ただ、本作に関しては、情報が足りないまま押し切っている感がある。 ただし、最後がヤクザの社会の人のつながりや常識がどうのという話と、会社の経営がどうのという、どっちも結構読みにくい専門用語の基礎知識が必要な話で幕が切れ、エンディングも「あれ?」と思うものなので、その辺星を減らす。まあ、「テロリストのパラソル」みたいなハリウッドテキ終わり方よりは好きですが。 この人の文章は面白いと思うのだけど、次はもうちょっと違うパターンの主人公が見たい。
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ちょっと背景ごちゃっとしてるけどハードボイルド 好きには「テロリストのパラソル」に並ぶ名作では なかろうけ。2も買います!1は売っときますね!
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時間さえ潤沢にあれば、多分一気読みしていたであろうくらいストーリーに引き込まれる。 主人公の堀江が飲んだくれて、雨のなか路上で寝ているところから始まる物語。 というわけで、作中ほとんどずっと堀江は風邪をひき、高熱で朦朧としたまま謎を解き、大立ち回りをやってのけるのである。 なんで...
時間さえ潤沢にあれば、多分一気読みしていたであろうくらいストーリーに引き込まれる。 主人公の堀江が飲んだくれて、雨のなか路上で寝ているところから始まる物語。 というわけで、作中ほとんどずっと堀江は風邪をひき、高熱で朦朧としたまま謎を解き、大立ち回りをやってのけるのである。 なんで解熱剤を呑まないんだろう? 退職勧告に従いあと2週間で退社する予定の主人公堀江が、会長から直接呼び出され、偶然撮影した人命救助のビデオを自社CMとして使えないかと打診される。 宣伝部とはいえ、実際に広告を制作しているわけではないのでノウハウを知っているものがほとんどいない中、堀江は制作会社に勤務していたこともあり、プロの目でそのテープを見ることができる数少ない人間だった。 テープに係わる謎。 堀江と会長の中にある、過去の因縁とは? そして、CMとしては使えないことを指摘した直後の会長の自殺。 生い立ちに秘密のある人物。 偶然のアクシデント。 過去の出来事が複雑に絡み合い、物語は大きく広がりを見せることもできるのだが、堀江の興味はただ1点。 なぜ会長は自殺しなければならなかったのか。 会長を自殺に追い込んだものを見つけるため、高熱でくらくらする身体で堀江は動き回る。 そうまでしなければならないどんな恩義があるのだろうか。 畳んだ風呂敷を拡げてみれば意外なつながりが次々と明かされて、途中で本を閉じるのが惜しいほど先が気になる。 だがしかし、決定的にキャラクターが都合よすぎ。 察しがよくて口の悪い、超絶技巧のバイクテクニックを持つ、たまたま入った六本木のバーのオーナー。20代(?)の女性。 その弟の、マイク・タイソンのようにガタイがよく、経済学、経営学の知識が抜群の17歳。 堀江の部下の大原。30代の既婚女性。 公私ともに堀江の面倒をみ、サポートをする。多少の恋愛感情あり。 大原の夫。 やり手のジャーナリスト。 同期の出世頭で事情通が、個人的な親しい友人。 読んでいて、彼らのでき過ぎっぷりに辟易する。 これがなければなあ。 日本のハードボイルドってなかなかにウェットで、男の美学というよりは義理人情が行動原理だったりするけど、そういうのって嫌いじゃない。 2週間の死闘を、一気読みで感じたかった。
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毎度毎度、若者の描写がおかしい気がするのですが、作者は元電通社員(当時はまだ在籍中で兼業作家)ということを考えると、その辺も計算づくなのかと思わされます。
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