てのひらの闇 の商品レビュー
夫の友人からお借りしました。 事件があって謎があって、それを追う展開なのですが、どんな方向性なのかが途中まで全然読めなくて、ワクワクが2割増しでした。。 主人公はくたびれた中年男性。アウトローっぽい雰囲気でいざとなると超強い。剣道の達人です。 こんなお決まりの人物像なのに、ニセ...
夫の友人からお借りしました。 事件があって謎があって、それを追う展開なのですが、どんな方向性なのかが途中まで全然読めなくて、ワクワクが2割増しでした。。 主人公はくたびれた中年男性。アウトローっぽい雰囲気でいざとなると超強い。剣道の達人です。 こんなお決まりの人物像なのに、ニセモノっぽくなくてカッコイイんです。 他にも、主人公を影で見守る暴力団組長が登場したり、そもそも事件のキーマンである大企業の会長さんは経営手腕はイマイチだけど男気のある人物だったりで、とにかくいかにも、な人ばっかりが登場するんですけど、その世界観に馴染み不自然さがありません。 上質なハードボイルド小説っていいね、カッコイイ!と素直に思える作品でした。
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ー そうだ。考えるのはさきでいい。二十年、サラリーマンをやってきた。いつだって、考えるのがさきだった。考えなければ、生きていけなかった。そうでないときは、身体が動いていた。息つく暇がなかったのだ。疲労のすこしずつ溜まっていく生活が、この環状線みたいにずっとつづいた。沼の底の泥みた...
ー そうだ。考えるのはさきでいい。二十年、サラリーマンをやってきた。いつだって、考えるのがさきだった。考えなければ、生きていけなかった。そうでないときは、身体が動いていた。息つく暇がなかったのだ。疲労のすこしずつ溜まっていく生活が、この環状線みたいにずっとつづいた。沼の底の泥みたいに知らないうちに溜まっていった。それがこの国の企業社会だった。最後に一度くらい、例外があってもいいだろう。この奇妙な状況ではじめて、そのことに気づいたのだった。 ー 訳ありサラリーマンが巻き込まれるハードボイルド! 藤原伊織の作品はどれも面白い。 今回もハラハラしたなぁ〜。
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タフで知的で大胆な主人公の企業サスペンス。 警察があまり絡まず、一介のしかし胆力のありそうなサラリーマンが曖昧な興味から謎を解明していく筋が他の小説の型から微妙に違い新鮮です。VTRをCMに起用してほしいとの会長の無茶な話に違和感をいだきながら読み進めて後半納得しつつ更に深い人間...
タフで知的で大胆な主人公の企業サスペンス。 警察があまり絡まず、一介のしかし胆力のありそうなサラリーマンが曖昧な興味から謎を解明していく筋が他の小説の型から微妙に違い新鮮です。VTRをCMに起用してほしいとの会長の無茶な話に違和感をいだきながら読み進めて後半納得しつつ更に深い人間の絡みが顕になり、ヤクザとの大立ち回り等見所があり見所も多い。 登場人物それぞれの利害が上手くはまり練られたストーリーで一度読んだだけでは全て理解出来なそうです。 あとがきによると作者は電通の社員だったんですね。広告業界に精通した作者の知識が少し活かされています。 最終23章の爽やかなエンディングも好み。
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2019年1月26日読了。 453ページ。 飲料会社の宣伝部課長の堀江はある日、会長から偶然映した人命救助のビデオテープを観せられ、広告に使えないか?と相談される。 しかし、そのテープはCGで作成されたものであり、それを指摘すると会長は自殺してしまう。 堀江は自殺の謎を調...
2019年1月26日読了。 453ページ。 飲料会社の宣伝部課長の堀江はある日、会長から偶然映した人命救助のビデオテープを観せられ、広告に使えないか?と相談される。 しかし、そのテープはCGで作成されたものであり、それを指摘すると会長は自殺してしまう。 堀江は自殺の謎を調べるが… と、いったストーリー。 堀江にも過去があり、順風満帆のサラリーマン生活を送ってきたわけじゃない。 会長も大きい人だが、同期入社の柿島もいい男。
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飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診されるが、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。その夜、会長は自殺した!!堀江は20年前に石崎から受けたある恩に報いるため、その死の謎を解明すべく...
飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診されるが、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。その夜、会長は自殺した!!堀江は20年前に石崎から受けたある恩に報いるため、その死の謎を解明すべく動き出すが…。
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まさかのハードボイルド路線。中盤から特命係長っぽくなってきた。できればそっちじゃない方で読みたかった。そっちいっちゃうとご都合主義が通っちゃうんだよね。
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石崎会長の自殺とCGで作られたビデオテープをCMに起用しようとした訳をリストラ寸前の草臥れたサラリーマン・堀江が調べていくうちに、様々な人間関係と堀江の過去が明らかになるというストーリーは奥深くて面白いです。 ただ、『テロリストのパラソル』ほど疾走感がないのと、ハードボイルドにし...
石崎会長の自殺とCGで作られたビデオテープをCMに起用しようとした訳をリストラ寸前の草臥れたサラリーマン・堀江が調べていくうちに、様々な人間関係と堀江の過去が明らかになるというストーリーは奥深くて面白いです。 ただ、『テロリストのパラソル』ほど疾走感がないのと、ハードボイルドにしてはややライトなところが残念です。
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直木賞作家、藤原伊織氏のミステリー。元電通社員だった頃に作家デビューしたそうで、広告代理店での経歴が活かされている。 主人公は飲料メーカーを自主退職することに決めた、中年の会社員。仕事はでき人望もあるが、奥さんに逃げられ、私生活はイマイチ。ある日、会社の会長に呼ばれ、彼が撮影した...
直木賞作家、藤原伊織氏のミステリー。元電通社員だった頃に作家デビューしたそうで、広告代理店での経歴が活かされている。 主人公は飲料メーカーを自主退職することに決めた、中年の会社員。仕事はでき人望もあるが、奥さんに逃げられ、私生活はイマイチ。ある日、会社の会長に呼ばれ、彼が撮影したテープを社のCMにしたいと言われるが、次の日にその会長は自殺する。彼の死の真相を探る。 緻密で複雑な構成、ミステリーとしての完成度は非常に高い。読みやすく、内容と長さのバランスもちょうどいい。ちゃんと読者の裏をかくポイントもある。彼の本は「テロリストのパラソル」を読んだことがあるが、安定の面白さが期待できる。著者が早く亡くなってしまったのが残念である。
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会長に呼び出されたその夜、会長が自殺した。CMビデオの謎。宣伝部課長堀江が死の理由を探る。非現実的だが主人公の設定がかっこいい。そして、周りの人もかっこいい。ただ、現実にいたらひくと思う 笑。高熱があるのに、数日間、薬も飲まず、歩き回り、酒を飲むし、暴力的だし。それインフルじゃね...
会長に呼び出されたその夜、会長が自殺した。CMビデオの謎。宣伝部課長堀江が死の理由を探る。非現実的だが主人公の設定がかっこいい。そして、周りの人もかっこいい。ただ、現実にいたらひくと思う 笑。高熱があるのに、数日間、薬も飲まず、歩き回り、酒を飲むし、暴力的だし。それインフルじゃね?みんな伝染るよ。と思いながら読んだ。坂崎がかっこよかった。 「頬に一滴、冷たいしずくの感触があった。」
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