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溺レる の商品レビュー

3.5

184件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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  5. 1つ

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2009/10/04

川上弘美さんが並べる日本語の優しさだったり選び方だったりにいつもはっとさせられます。何かを学び取るというよりも、本という世界に浸る純粋な読書の時間をあたえてくれるもの

Posted byブクログ

2009/10/04

川上弘美の短編は受け付けないときとすごくはまるときがあるが、これはちょうどその中間くらい。 <『さやさや』の“ 暗いのはこわいです。以前は暗いところになにかがいそうで、こわかった。今は暗いところになにもいないのが、こわい。” この部分がとても好き。 深いような何気ないような心地よ...

川上弘美の短編は受け付けないときとすごくはまるときがあるが、これはちょうどその中間くらい。 <『さやさや』の“ 暗いのはこわいです。以前は暗いところになにかがいそうで、こわかった。今は暗いところになにもいないのが、こわい。” この部分がとても好き。 深いような何気ないような心地よい感じ。

Posted byブクログ

2009/10/04

解説者の言葉を借りるならそう、この短編集は「駆け落ち」「ミチユキ」をする男女の話を集めたもの。 逃げる二人の心の中なんてのは描かない。描くのは二人が道々どんなところでどんなものを、どんなふうに食べたか。 それだけなのに。それだけで。どうしてかしら、逃げる二人の心の中がジンと哀しく...

解説者の言葉を借りるならそう、この短編集は「駆け落ち」「ミチユキ」をする男女の話を集めたもの。 逃げる二人の心の中なんてのは描かない。描くのは二人が道々どんなところでどんなものを、どんなふうに食べたか。 それだけなのに。それだけで。どうしてかしら、逃げる二人の心の中がジンと哀しく湿っていて、ほの暗いのがわかってしまう。

Posted byブクログ

2009/10/04

プールなんかで潜っていると、空気がなくてもなんだか息ができそうな気がすることがありませんか? この主人公たちも、溺れているのに息ができるような気がしている。それでいいのだと言っている。そんな本だと思います。

Posted byブクログ

2009/10/04

短編集。1話目、2話目を読んだあたりで、「なんて“肉”っぽい作品なんだ!」でも愛欲のドロドロした部分を書きつつ、どこか外から眺めている、という冷めた部分がある。常に何かから逃げながら愛欲に溺れる人々の哀しさや、もがき。迫るものがあった。

Posted byブクログ

2009/10/04

どの短編もどこかワケありの男女の話で、最後は何かが解決するというわけではなく、平坦な印象を受けました。それでも、読み進めていくと奇妙な魅力にとらわれます。

Posted byブクログ

2009/10/04

人には言いにくい恋愛のダメな部分が川上弘美のフィルターを通すことでぼんやりと月明かりの下にいるように映し出されます。究極のサディズムとマゾヒズムの愛。情死などドロリとしそうなテーマがさらりと流れる文章には脱帽です。

Posted byブクログ

2009/10/04

男女が溺レる瞬間。それは決して心地いいものではないものなのだろうか。かなり深い世界に潜り込んでいる作品。 さらりと読みたい人には「神様」などがおすすめ。

Posted byブクログ

2009/10/04

のほほ〜ん、ほわわ〜んとしながらも、切ない。静かに残酷。 4畳半のお部屋に裸電球。そんな感じの本です。 コトバが、なんか好きです。 わたしも「アイヨクニオボレ」たいなぁ、なんて。。。

Posted byブクログ

2009/10/04

川上の書く恋愛小説は男と女の距離感が実に良いと思う。お互いに分っているようで分っていなかったり、分っていないようで実はちゃんと分っていたり。「真面目」な距離感という感じ。そしてこの本では二人はどうしようもなく「真面目」に逃げている。それはちょっと切ない風景だ。でも、その切なさの中...

川上の書く恋愛小説は男と女の距離感が実に良いと思う。お互いに分っているようで分っていなかったり、分っていないようで実はちゃんと分っていたり。「真面目」な距離感という感じ。そしてこの本では二人はどうしようもなく「真面目」に逃げている。それはちょっと切ない風景だ。でも、その切なさの中に何か本質があるような気がして何度も読み返してしまう。短編集です。

Posted byブクログ