誕生日の子どもたち の商品レビュー
初めてカポーティを読んだ。 少年時代の無垢で純粋で傷つきやすい心情が見事に描かれている。全体的に物悲しいけど、ミススックといううんと年上の親友とクリスマスの準備をしたり、凧を贈り合う場面は幸福に満ちていて温かい気持ちになった。 カポーティはアルコールや薬に溺れて生活は荒れていたよ...
初めてカポーティを読んだ。 少年時代の無垢で純粋で傷つきやすい心情が見事に描かれている。全体的に物悲しいけど、ミススックといううんと年上の親友とクリスマスの準備をしたり、凧を贈り合う場面は幸福に満ちていて温かい気持ちになった。 カポーティはアルコールや薬に溺れて生活は荒れていたようだけど、この様な小説を書けるのは、少年の頃の気持ちがずっと自分の一部として強く残っていたからだろうか。 感謝祭の客が1番好きだった
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何この日常系のネタは。という、勝手に想像するアメリカ人の普通っぽい暮らしを描写しているだけ、って気もするのにいや嫌いじゃないな。要はどういうふうに表現して伝えるかがポイントで、無闇矢鱈に面白ければ良いってわけじゃないんやなー、って、勉強になるじゃないか。 スックさんのお話とかだか...
何この日常系のネタは。という、勝手に想像するアメリカ人の普通っぽい暮らしを描写しているだけ、って気もするのにいや嫌いじゃないな。要はどういうふうに表現して伝えるかがポイントで、無闇矢鱈に面白ければ良いってわけじゃないんやなー、って、勉強になるじゃないか。 スックさんのお話とかだからどうしたっていうのか、みたいな話なのに、でも好きだわ。逆に微妙に不可思議系に持っていったヴィンセントさんの話はイマイチだったなー。まぁ偉そうに言うわけだけど。
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カポーティの、あたたかいタイプの作品が多く収められていた。 過去を懐かしむような、純粋で無垢な人物が出てくる作品。 他の訳者で読んでいた作品もあったが、村上春樹訳は読み易いと感じた。 「おじいさんの思い出」は切ない。 誰も悪くない。 過ぎた過去は戻らない。 悲しい。
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表題作を含む短編集。最後の「おじいさんの思い出」だけは、カポーティの真筆かどうか疑問の声があがることも納得できる程、他の5編の比べて質が劣る。 他の5編については、思い出を淡々と述べているようでいて、心にがつんとくる台詞や場面に、次第に物語りを築き上げていく手腕は、本当に見事で...
表題作を含む短編集。最後の「おじいさんの思い出」だけは、カポーティの真筆かどうか疑問の声があがることも納得できる程、他の5編の比べて質が劣る。 他の5編については、思い出を淡々と述べているようでいて、心にがつんとくる台詞や場面に、次第に物語りを築き上げていく手腕は、本当に見事で美しい。
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カポーティのストーリーは乾きすぎて歯が立たない、 味もよく分からない、と敬遠していたのですが、 この本でイメージが変わりました。 乾いた文章とストーリーで、でもとても繊細でセンチメンタリズムにあふれた短編集です。 十代の頃に出会っていたら、何度でも読み返しただろうな。 子供時...
カポーティのストーリーは乾きすぎて歯が立たない、 味もよく分からない、と敬遠していたのですが、 この本でイメージが変わりました。 乾いた文章とストーリーで、でもとても繊細でセンチメンタリズムにあふれた短編集です。 十代の頃に出会っていたら、何度でも読み返しただろうな。 子供時代は幸せじゃない。 いえ、とても幸せで、不幸で、 目をつぶったらそこには悲しみのない世界が広がっていて、 でも現実はそうでなくて、その境目をみんな精一杯走ってゆく。 登場人物が一人ひとり、愛おしくなりました。
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「カポーティ」の映画を観たのはいつだったか。なんだかよく知らないままに観て、この俳優さんはすごいなあ、という感想をいだいたのみ、この人の作品を読もうというところまではいかなかった。たまたま今回、村上訳の「ティファニーで朝食を」を購入したついでに、図書館でこっちの短編集も見つけた...
「カポーティ」の映画を観たのはいつだったか。なんだかよく知らないままに観て、この俳優さんはすごいなあ、という感想をいだいたのみ、この人の作品を読もうというところまではいかなかった。たまたま今回、村上訳の「ティファニーで朝食を」を購入したついでに、図書館でこっちの短編集も見つけたのだが、作者が子供時代と親友をどれだけ大切にしていて、成人後もその思い出から卒業し切れていない感がひしひし。映画からはとにかく「ゆがんだ人」だったという内容しか覚えていないが、いかにもゆがんで繊細な人が形成されそうな子供時代(それとも、このような子供時代をすごしてもゆがまない人もいるけれど、その人は決してカポーティにはなりえないということなのかもしれないが)。おじいさんの思い出が、悲しすぎて素敵。
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-世の中にはたったひとつだけ、どうしても赦せない罪がある。それは企まれた残酷さだよ- かつて子供だった自分の、イノセントな心が、色彩をもって浮かび上がってくるような短編集。無垢→無防備であることは自分にも人にも残酷よね。村上春樹の訳のお陰でカポーティー再発見。スゴイ。必読。
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研究室の先生から借りた。純粋な気持ちで人と付き合うことって、オトナになればなるほど難しくなると思う。 とくに家族とか、そういう近い関係の相手にこそやさしくしなきゃいけないのに、わたしはいつまでたっても天の邪鬼でしかいられない。 「おじいさんの思い出」は泣きました。 ハッピーエンド...
研究室の先生から借りた。純粋な気持ちで人と付き合うことって、オトナになればなるほど難しくなると思う。 とくに家族とか、そういう近い関係の相手にこそやさしくしなきゃいけないのに、わたしはいつまでたっても天の邪鬼でしかいられない。 「おじいさんの思い出」は泣きました。 ハッピーエンドらしい終わり方の話ってほとんどないんだけど、でもなんか心があったかくなるような、そんな短編集でした。
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短編6つ収録。借りてみたら村上春樹訳でちょっとワクワク。訳者あとがきを読むとトルーマン・カポーティという人の生い立ちが簡単に紹介してあって先に読んでおけばよかったかも。再読すればいいだけだけど・・ それぞれ読んでいる時の印象が結構違って戸惑ったな〜
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翻訳が村上春樹っていうのが癪ですが、私がカポーティを知るきっかけになった感謝すべき、且つ素晴らしい本です。
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