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木曜組曲 の商品レビュー

3.9

195件のお客様レビュー

  1. 5つ

    43

  2. 4つ

    79

  3. 3つ

    52

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    2

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2024/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

事件の真相探しは実は本を書かせるための口実で、でも本当に事件の真相が見つかってしまって、でも本当は真相を知っていて……みたいな2重3重の構造が面白かったです。登場人物が全員女性で、打ち解けあってるように見えて腹に一物抱えてるところも、ギスギス感が伝わってくるようでスリリングに読めました。

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2022/12/24

空気感が程よいミステリーで面白かったです。知性のある女性たちが集まって、推理を繰り出し、それぞれの抱えていた秘密が告白されていく。真実が何かわからないまま続く空気感が読んでいて面白かったです。一枚二枚上手の女性たち。

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2022/11/08

こじんまりとした舞台劇を観ているような作品でした。リラックスして読めるけれど、ほどよく複雑で何も考えたくない気分にぴったり会いました。 登場人物が作家、出版関係の女性たちのみで構成されていたのもあまり無い気がして個性の書き分けが面白かった。なんとなく、この作家さんをモデルにした...

こじんまりとした舞台劇を観ているような作品でした。リラックスして読めるけれど、ほどよく複雑で何も考えたくない気分にぴったり会いました。 登場人物が作家、出版関係の女性たちのみで構成されていたのもあまり無い気がして個性の書き分けが面白かった。なんとなく、この作家さんをモデルにしたのかなぁという気もして…。 ところどころにお料理が絶妙なタイミングで登場します。思わずキッシュが食べたくなり久しぶりに作ってしまいました。脂質、炭水化物多めのメニューが多く、お料理される方の容貌の描写ともぴったりあっていて違和感なし。

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2022/06/17

4年前に薬物死した大女流作家を偲んで、1年に一度集まる彼女に縁深い5人の女性たち。 ノンフィクションライターの絵里子、売れっ子作家の尚美、純文学作家のつかさ、編集者のえい子、出版プロダクション経営の静子。 それぞれが物書きをなりわいとし、夢見がちな、妄想を商売とする女たちが思い出...

4年前に薬物死した大女流作家を偲んで、1年に一度集まる彼女に縁深い5人の女性たち。 ノンフィクションライターの絵里子、売れっ子作家の尚美、純文学作家のつかさ、編集者のえい子、出版プロダクション経営の静子。 それぞれが物書きをなりわいとし、夢見がちな、妄想を商売とする女たちが思い出しては語る、作家の死の当日の記憶。 不審な行動、不穏な花束や不吉な電話、銅版画の裏に残された封筒、缶詰に仕込まれた毒、不自然な遺書…、謎が解けたかと思えばまた違う謎が浮き上がり振り出しに戻る。 3日間×5人の告発と告白の嵐は、思わぬ方向へ飛び火したりどんでん返しが起こったり、上質の舞台劇を見ているような緊迫感と筋書きの妙。 カバーの折り返しに映画の写真が載っていたが、こちらも観てみたいものだと思う。

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2022/04/13

今まで読んだ恩田陸さんの作品は数える程だけだけれど、今回の作品は色が違うなと感じたのはミステリーっぽさが強かったからだろうか。 大団円近くに大作家「時子」の死の真相が暴かれ、彼女を崇拝する4人の女性がこれからについて思いを巡らせている時、私はまだこのままでは終わるはずがないという...

今まで読んだ恩田陸さんの作品は数える程だけだけれど、今回の作品は色が違うなと感じたのはミステリーっぽさが強かったからだろうか。 大団円近くに大作家「時子」の死の真相が暴かれ、彼女を崇拝する4人の女性がこれからについて思いを巡らせている時、私はまだこのままでは終わるはずがないという不安定な気持ちを持ちながら残り少ないページで私のその不安定感を取り去ってもらえるのかという焦燥感があった。 これ以上はネタバレになるので終了。 本作を読みながら思ったのは、クルクルと代わる話し手が誰なのか、誰と誰が対話しているのか分かりにくいと感じました。 そしてひとつ、難癖をつけるつもりはなく疑問が。 「木曜日の午後」の章の最初の頃、文芸評論についての意見を述べるところで「四人で対談している・・・」とあるのだけれど、四人でも「対談」というのだろうか? チョット調べてみた。 二人 : 対談 三人 : 鼎談 となっているが、四人は見つからなかった。 会談、懇談、座談、ならば四人以上で話し合っている雰囲気だが、という説はありました。 恩田陸さんほどの作家であれば、さらに出版する際の校正の様な作業が有ればまずミスは無いのだろうから、「四人で対談」も問題無いのだろうけれど、作品を読んでいた私の中の理解の流れのようなものが一度断ち切られたという思いはある。

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2021/09/09

耽美派小説作家「時子」の姉妹、従姉妹など、縁がある女性5人が織りなす心理ミステリー。 今年も時子の家「うぐいす館」で薬物死した「時子」をしのぶ会をするという。 集まってきたのはゆかり(親戚)の女性たち。 ノンフィクションライターの「絵里子」 出版プロダクション経営の「静子」 ...

耽美派小説作家「時子」の姉妹、従姉妹など、縁がある女性5人が織りなす心理ミステリー。 今年も時子の家「うぐいす館」で薬物死した「時子」をしのぶ会をするという。 集まってきたのはゆかり(親戚)の女性たち。 ノンフィクションライターの「絵里子」 出版プロダクション経営の「静子」 純文学作家の「つかさ」 人気売れっ子作家の「尚美」 編集者の「えい子」 みんな「物書き」の妙齢の女性たちが、瀟洒な洋館で繰り広げる会話とご馳走の3日間だから、何事が起ころうかとわくわくする。この設定はうまいなーと思う。楽しみながら、時の経過ということを意識した。 会話だって文学の話が出るだろうしと期待、果たして満載、本好きには応えられない。 恩田陸さんの小説は時と空間の追求が必ずひとつある。すごく個性的な時間の経過だ。どこからきたのだろう、と恩田さんに不思議な感覚を覚える。 思うのだが、文学を読むときに普遍的な思想、思索を論理的に受け取るということがある。不条理を、神の存在を示唆されることもある。しかし、このごろこは「時間の不思議さ」という事を強く感じるという読み方をしている。

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2021/07/14

結構古い作品で映画化もしていたとは知らずに読みました。 登場人物は5人(+亡くなった時子)だけ、たった3日間の中で繰り広げられる物語。 この登場人物達が、全て物書きであり、生い立ちが複雑というところが物語を成り立たせているような気がします。 凡人には理解出来ないけれど、それが普通...

結構古い作品で映画化もしていたとは知らずに読みました。 登場人物は5人(+亡くなった時子)だけ、たった3日間の中で繰り広げられる物語。 この登場人物達が、全て物書きであり、生い立ちが複雑というところが物語を成り立たせているような気がします。 凡人には理解出来ないけれど、それが普通だと生きている人達。常識の垣根が違うというか。ある意味羨ましいですが。 どこに真実があるんだろうと、読み進めるのが面白かったですし、うぐいす館の間取りや家具(私の中ではイギリスアンティーク)を想像するのも楽しかったです。 これから読む方には、どんどんページが進む前に、しっかり登場人物の名前と関係性を把握してた方が良いですよ。 映画も観てみたいと思いました。

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2021/06/09

恩田さん安定の不穏なミステリー。 まず全体の雰囲気が抜群に良い。登場人物も 全員物書きでお話の中で小説について色々と 自論を話していて面白かった。時子の関係者5人が それぞれよく描き分けられていて楽しい。 ちょうど映画版を2度ほど観てからの小説だった のでその配役を宛てながら読み...

恩田さん安定の不穏なミステリー。 まず全体の雰囲気が抜群に良い。登場人物も 全員物書きでお話の中で小説について色々と 自論を話していて面白かった。時子の関係者5人が それぞれよく描き分けられていて楽しい。 ちょうど映画版を2度ほど観てからの小説だった のでその配役を宛てながら読みました。 映画版も面白かった。ほぼ原作通り。最後は ちょっと違うけど。映画版は時子の死がハッキリと 示されたけど小説は恩田さんらしくイマイチ明確 にはならず。余韻があって好きですよ。

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2021/03/28

大好き。場面転換も登場人物も少ない会話劇。過去のある人物の死に居合わせた5人の女性が、それぞれの立場、思惑から振り返ることで新しい視点が立ち現れてくる過程が鮮やかですばらしい。登場人物は魅力的で会話はテンポよく、とても読みやすい。

Posted byブクログ

2021/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

年に一度、「うぐいす館」に集まる五人の女。館の主は四年前、五人が集まる日にこの家で毒をあおり、命を絶った。彼女を偲ぶ女たちの元に謎の人物から花束が届く。そこに添えられたメッセージカードには、「皆様の罪を忘れないために、今日この場所に死者のための花を捧げます」と書かれていた。 私が好きな、"酒呑んでくっちゃべるだけ"パターンの恩田作品。加えて女から女への憧憬・思慕・羨望・嫉妬が描かれる会話劇で、『ネバーランド』の中年女性版と言ってもいいが、私は断然こっちが好きです。 まず冒頭の「くすくす笑いながら、フェイクファー付きのサーモンピンクのコートを着た綺麗な女が出てきた」の一文でヨッシャと思う。恩田さんの女が女を美しがる描写だけ読んでたい(笑)。この絵里子による憧憬の視線から、読者も亡くなった時子の異母姉妹だという静子という人物に惹きつけられていく。座談も静子を中心に進んでいくのだが、後半に行くに従って不在のはずの時子がだんだんと存在感を増してくる。 オチは文筆家という"世界の観察者"を更に観察する側である編集者・えい子の役割が面白いし、同居までしていた時子とえい子の関係性を書き尽くさないのが想像の余地を残していていいなと思う。ちょっとミルハウザーの『エドウィン・マルハウス』を連想させる、"プロデューサーの功罪"の話。

Posted byブクログ