1,800円以上の注文で送料無料

沙羅は和子の名を呼ぶ の商品レビュー

3.8

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/11/21

日常の中にスーパーナチュラルな出来事が混じり込んだり、一見ファンタジーなエピソードを合理で解き明かしたり、そのさじ加減が絶妙。それでも読者の多くはファンタジーの作品集として読むだろうと思えるのは、読みどころの問題かな。そんな中、ミステリとしてハードエッジなことをやってる「オレンジ...

日常の中にスーパーナチュラルな出来事が混じり込んだり、一見ファンタジーなエピソードを合理で解き明かしたり、そのさじ加減が絶妙。それでも読者の多くはファンタジーの作品集として読むだろうと思えるのは、読みどころの問題かな。そんな中、ミステリとしてハードエッジなことをやってる「オレンジの半分」と、よく考えると父娘がとんでもないことをやっている「沙羅は和子の名を呼ぶ」がお気に入り。

Posted byブクログ

2022/04/03

購入。 だいぶ昔に買った本。 まだ独身で一人暮らしだった頃に買った気がするが、表題作がもっと柔らかい話だと思ったが思いのほかきつい内容で驚いたのを覚えている。 思えばいろいろわかっていなかったのだと思う。 今読み返したら、だいぶ感じることは違うだろう。

Posted byブクログ

2021/05/26

読み始めるとついつい終わりまでいってしまう各10話。 どれも不思議な感じで なんとなく優しく、切なく、そして少しほっこり。 不思議な話の詰め合わせかと思いきや、一番現実離れしていない双子の話、これ結構面白かった。あと、表題作もう少し長編として読んでみたかったな。

Posted byブクログ

2021/03/21

加納朋子さんらしい優しい穏やかな文章と、少し不思議で時に冷ややかな雰囲気の物語が展開される短編集。 加納さんといえば優しい日常の謎、という印象が強かったので、この短編集の時にシリアスで冷ややかな不思議な雰囲気は新鮮でもあり、それでいてどこか加納さんらしい穏やかさは残されていて、加...

加納朋子さんらしい優しい穏やかな文章と、少し不思議で時に冷ややかな雰囲気の物語が展開される短編集。 加納さんといえば優しい日常の謎、という印象が強かったので、この短編集の時にシリアスで冷ややかな不思議な雰囲気は新鮮でもあり、それでいてどこか加納さんらしい穏やかさは残されていて、加納さんのまた違った側面を見た気持ちになりました。 不思議で少しシリアスな雰囲気が漂うのは、主に前半に収録されている短編。廃病院に現れる女の子の謎を描いた「黒いベールの貴婦人」 喫茶店にやってくる女の子と、その喫茶店であるマスターの持つノートの謎が描かれる「エンジェル・ムーン」 「コロサナイデ」と書かれた伝書鳩に括りつけられた手紙の謎を描く「フリージング・サマー」 子どもを失った女性の前に現れた不思議な男の子の謎を描く「天使の都」 母親が娘にかつての旅行の思い出話を語る「海を見に行く日」 いずれの短編も話のどこかに死が絡んでいることと、感傷的な話が多いので、冷ややかな印象を受けます。でも先に書いたように加納さんの優しい穏やかな文章であったり、また展開が、その冷ややかさをいい意味で中和し、加納さんにしか出せない読み心地のある短編集になっていると思います。 後半に収録されている「商店街の夜」は、商店街のシャッターのウォールペイントに魅せられた青年の話。この短編集の中でもとびきりつかみどころのない話ですが、描写が素晴らしかった。壁に絵をかいているおじさんの活き活きとした描写、そして壁の絵の描写も美しく、その絵が現実に現れていく描写は読んでいて、自分も幻想の世界に迷い込んだような感覚を覚えます。 「オレンジの半分」は双子の姉を持つ妹の身に起こった不可思議な日常の謎を描いた短編。ミステリとしては、この短編が一番完成度が高くて、これはやられたー、と気持ちよく思いました。そして双子、女性ならではの複雑な心理描写も光る。 最後に収録されているのが表題作「沙羅は和子(わこ)の名を呼ぶ」 和子の前に姿を現した不思議な少女、沙羅。彼女の正体が明らかになっていくととともに、現実と現実でない世界が交差し、不思議な物語の構造が立ち現れます。 話的には少し苦さのある短編ですが、最後の和子の描写がどこかうら寂しさを残して、なんとも表現しがたい、読後感が残りました。 自分の中の期待していた加納さんらしい部分と、意外な加納さんの部分が絶妙にブレンドされた、良質の短編集でした。

Posted byブクログ

2022/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019/5/13 楽天ブックスより届く。 2022/4/4〜4/7  加納さんらしい、ファンタジー感溢れる10遍からなる短編集。解説の本島幸久氏が書いているが、「いたはずの誰か。いたかもしれない誰か。いないかもしれない誰か。いないはずの誰か。そんな誰かと出遭うことで、異界が開かれ物語が始まる」は非常に端的にこの作品を言い表していると思う。どれも素晴らしいが「黒いベールの貴婦人」と「沙羅は和子の名を呼ぶ」がベストか。

Posted byブクログ

2016/12/02

加納朋子による、「ちょっと不思議な話集」といったところ。 それぞれに独立した短編ではありますが、ああ、加納さんってこんな話が好きなんだなぁ、というカラーは伝わってきます。無論僕自身も、この手の話大好きなわけですが(笑)。 「フリージング・サマー」や「オレンジの半分」の大仕掛けも...

加納朋子による、「ちょっと不思議な話集」といったところ。 それぞれに独立した短編ではありますが、ああ、加納さんってこんな話が好きなんだなぁ、というカラーは伝わってきます。無論僕自身も、この手の話大好きなわけですが(笑)。 「フリージング・サマー」や「オレンジの半分」の大仕掛けも好きなのですが、再読して不思議なまでに心に沁みたのが「海を見に行く日」。 誰か朗読劇でもしてくれませんかね。素直に泣きたいと思います。

Posted byブクログ

2016/10/25

表題作の他は、 ・黒いベールの貴婦人 ・エンジェル・ムーン ・フリージング・サマー ・天使の都 ・海を見に行く日 ・橘の宿 ・花盗人 ・商店街の夜 ・オレンジの半分 表題作とはじめの3作は、加納さんらしいといえばそうかもしれないが、ミステリーというよりどこかで読んだような気が...

表題作の他は、 ・黒いベールの貴婦人 ・エンジェル・ムーン ・フリージング・サマー ・天使の都 ・海を見に行く日 ・橘の宿 ・花盗人 ・商店街の夜 ・オレンジの半分 表題作とはじめの3作は、加納さんらしいといえばそうかもしれないが、ミステリーというよりどこかで読んだような気がするファンタジーでちょっと退屈だった。 その他はおもしろかった。【天使の都】は特に好き。

Posted byブクログ

2016/02/04

ミステリーの短編集。 最初から幽霊が出てきてホラー嫌いだから読むのを躊躇したけど、和む話しばかりで癒された。

Posted byブクログ

2015/07/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

現実と幻想の入り交じる短篇集。 子どもがたくさん登場します。 民話のような小さな物語や、ラストを放り出すようなショートショートも。 解説者は最終話のものである本書のタイトルだけで、涙腺が緩んだとか。きっと、そのような愛読者が多いのでしょう。著者にとってはとても恵まれた幸せなことだと思います。 私は『商店街の夜』がとても好きです。 もちろん作品も観てみたいけれど、画伯の制作現場位にぜひ立ち会ってみたい。

Posted byブクログ

2014/10/13

 著者の本は2冊目である。わたし好みではないのだが女子、子供には受けがよいかもしれない。ファンタジーでとても感傷的な内容である。

Posted byブクログ