血と骨(下) の商品レビュー
私の理解の域を超える内容だった。 かつての鶴橋周辺のコリアタウンの様子が描かれており、そこには興味が持てた。
Posted by
作者が自分の父親をモデルに書いた大ベストセラー小説の下巻です。ここでは絶頂を迎えた彼がやがて凋落していくまでの姿が描かれています。 敗戦後の混乱の中で、金俊平は「朝日産業」という蒲鉾工場を英姫が調達したお金で立ち上げて、これが瞬く間に大成功します。しかし、家族にはびた一文とし...
作者が自分の父親をモデルに書いた大ベストセラー小説の下巻です。ここでは絶頂を迎えた彼がやがて凋落していくまでの姿が描かれています。 敗戦後の混乱の中で、金俊平は「朝日産業」という蒲鉾工場を英姫が調達したお金で立ち上げて、これが瞬く間に大成功します。しかし、家族にはびた一文として与えず、自分は一人で別な家に移り住んで、みさ子や清子というを妾に持って、というところからスタートします。しかし、みさ子は自分の使っている職人と駆け落ちしたり、後に清子は脳腫瘍で「生ける屍」のなるという末路が待っております。そして、金俊平が韓国で生ませたという朴武が彼を訪ねてくるのですが数ヶ月後に雨の中で壮絶な取っ組み合いの喧嘩となり、朴武は 「いつか必ずお袋の怨みを晴らしてやる!」 と叫び、作者がモデルの成漢に 「勉強しろよ」 と言って家を出て行きます。 彼は後に抗争事件に巻き込まれて殺されてしまいます。そして金俊平は病気にかかって半年間闘病生活を送った後に、工場を工場を閉鎖します。次に彼がやった仕事は『高利貸し』でした。彼らしいといえばそうなのですが、その容赦ない取立てには身の毛もよだつほどで、この小説の中で僕が一番好きなシーンがあって、それは金俊平が借金の取立てで債権者の前で焼酎を飲んでいた自分のコップを噛み砕き、その破片で自分の腕を真一文字に切って流れてくる自分の血を割れたコップに受け止めて、それを債権者に突き出して、 「さぁ、この血を飲め!わしの金を喰う奴はわしの血を飲むのと同じだ!!」 と詰め寄る場面です。後に彼は、全てを生産して自らも命を絶ちます。 そして、彼のピークはこのころまでで、子連れの定子を愛人にし、自分自身が脳梗塞で下半身不随の体になってからは、彼の肉体を信じた生き方ができなくなったということで、全てが崩壊に進んでいくさまはなんともいえないものを感じました。結局、金俊平は全ての財産を北朝鮮に寄付して、自分も北に渡ります。そんな彼の末路は悲惨の一言で、これも自分で確認して欲しいのですが、この小説もまた、自分の中で重要な要素を占めるものです。
Posted by
キャラが一貫しすじてこわい。でも、 金俊平の最後は眼を覆うような虚しさ。 あそこまで一貫した性格とひねくれた家族愛は読んでいて酷かった。 気を付けよう。ただ、それだけ。。
Posted by
空を飛べなくなった汚い人間は最後には死が訪れるのだ。 暴力だって最後はなくなるのだろう。脅迫だって切断だってレイプだって。
Posted by
金俊平には妾の子も出来るが、体が不自由になり邪 険にされる。「血は母より、骨は父より受け継ぐ」との言葉は俊平の息子の成漢にとって辛い言葉だったと思う。
Posted by
敗戦後の混乱の中、食俊平は自らの蒲鉾工場を立ち上げ、大成功した。妾も作るが、半年間の闘病生活を強いられ、工場を閉鎖し、高利貸しに転身する。金俊平は容赦ない取り立てでさらに大金を得るが、それは絶頂にして、奈落への疾走の始まりだった…。身体性と神話性の復活を告げ、全選考委員の圧倒的な...
敗戦後の混乱の中、食俊平は自らの蒲鉾工場を立ち上げ、大成功した。妾も作るが、半年間の闘病生活を強いられ、工場を閉鎖し、高利貸しに転身する。金俊平は容赦ない取り立てでさらに大金を得るが、それは絶頂にして、奈落への疾走の始まりだった…。身体性と神話性の復活を告げ、全選考委員の圧倒的な支持を得た山本周五郎賞受賞作(amazonより抜粋)
Posted by
すごく淡々としている。それがある意味凄惨な内容を語るのに合ってる。 すごく重要な人物が死んでも「〇〇は死んだ」の一言だけとか。 あとすごく登場人物多い。。。 ホントに韓国人について知りたいなら韓流ドラマとかよりこっちを読むべきではないでしょうかネ。
Posted by
全編とにかく、性と暴力に充ち溢れている。そして理不尽。 持前の巨漢と凶暴さで、「我が道」を行く、主人公の金俊平。 もし、金俊平のような人物が自分達の目前におり、その欲望のままに発揮される暴力を目の当たりにした時、いったい僕たちは何ができるだろう。おそらく、いや、きっと何もでき...
全編とにかく、性と暴力に充ち溢れている。そして理不尽。 持前の巨漢と凶暴さで、「我が道」を行く、主人公の金俊平。 もし、金俊平のような人物が自分達の目前におり、その欲望のままに発揮される暴力を目の当たりにした時、いったい僕たちは何ができるだろう。おそらく、いや、きっと何もできず、ただその「嵐」が過ぎ去るのを待つことしかできないだろうなと思いながら読んでいた、嫌悪感を抱きながら。 なんとなく割り切れない気持ちを抱きつつも、それでも、金俊平の圧倒的な力には畏怖すら感じてしまうのであった。 金俊平の、身勝手、理不尽、狭量なパーソナリティから発せられる圧倒的なバイオレンスに身を委ねてみるのも一興かと思う。
Posted by
血と骨の下巻では、怖いものなしで誰もが恐れていた天下の朝鮮人の主人公が、ある事故で奈落の底へと落ちていく。 今まで好き勝手やってきたつけが今返ってきた。 はじめは読者の誰もがむかついたえあろう者が、これほどまでにやられたい放題になるとは思いもしなかった。 目が離せません。
Posted by
結局主人公のキャラクターは救いようがなかったです。 それでも、この仕打ちはかわいそうでもあります。 誰が正しくて誰が悪いのかはわかりません。
Posted by