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悲しき熱帯(1) の商品レビュー

3.9

52件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2024/08/18

通勤電車の中で読もうとしたが、なかなか進まず。お盆休みで漸く読了。旅の話でない部分を噛みしめて読み進めていく書籍。

Posted byブクログ

2024/08/12

50年近く前に読んだ本。正確には、室淳介訳の「悲しき南回帰線」を読んだ。 最近、なぜかレヴィ=ストロースがマイ・ブームなので、読み直したわけだが、驚くほど、内容を覚えていない。 以前に読んだのは、訳が分かりにくいと言われる「悲しき南回帰線」というヴァージョンで、旅行記感覚でわ...

50年近く前に読んだ本。正確には、室淳介訳の「悲しき南回帰線」を読んだ。 最近、なぜかレヴィ=ストロースがマイ・ブームなので、読み直したわけだが、驚くほど、内容を覚えていない。 以前に読んだのは、訳が分かりにくいと言われる「悲しき南回帰線」というヴァージョンで、旅行記感覚でわりとスラスラと読めた記憶があったのだが、今読むとわりと難しい。 かと言って、人類学についてそれなりに本を読んできたり、南アメリカのインディオの大量虐殺、そしてユダヤ系知識人のアメリカへの亡命など、背景情報はだいぶ詳しくなっているので、今の方がわかるはずなんだけど、どうしてだろう。。。。 多分、昔はブラジルでのフィールドワークの部分を中心に読んで、それ以外のところは流し読みしていたんだろうな。 この第1巻は、ブラジルでの調査は1つの部族のもので、それに続くものは第2巻となっている。第1巻は、レヴィ=ストロースが人類学者になる家庭とか、ブラジルへの船旅、ブラジルの都市(サン・パウロ)の印象、そして、アメリカに亡命する旅行などが主な内容。 が、これらは時系列になっておらず、アメリカへの亡命の船旅は第二時世界大戦中の話しで、ブラジルの大学への赴任や現地調査は30年代と時系列が入れ替わっている。また、ブラジルの話しがいつの間にか南アジアの話しになったりして頭が混乱してくる。 表現はわりと文学的な香りがあるが、だからといって読みやすいわけではない。 帯には「思想界に衝撃を与えた構造主義の原点」と書いてある。以前、読んだときの印象としては、構造主義というより、人類学的な旅行記というものであった。 しかしながら、今、読むと確かに構造主義的な発想で描かれているところも見えてきて、あながち帯のキャッチは嘘ではないことが分った。 だが、やはりそれ以上に、ブラジルで少数部族のフィールドワークをやっている時以外も、自分自身のストーリーも含めて、物事を人類学的に観察している冷めた視点が感じられた。 思ったより難しいけど、今、読み直してよかったと思う。 第2巻は、ブラジルでのフィールドワークの記述が中心なので、多分、もう少し読みやすくなっていることを期待したい。

Posted byブクログ

2023/12/29

レヴィ=ストロースが百歳で没した五年前、哀悼の意をこめてとある読書会で本書を読んだ。書名の通り悲しい本である。この tristes というフランス語は「憂鬱な、暗い、うんざりする」という語感があるそうだが、まさにありきたりの感傷とはほど遠いずっしりと重たい本だ。「私は旅や探検が嫌...

レヴィ=ストロースが百歳で没した五年前、哀悼の意をこめてとある読書会で本書を読んだ。書名の通り悲しい本である。この tristes というフランス語は「憂鬱な、暗い、うんざりする」という語感があるそうだが、まさにありきたりの感傷とはほど遠いずっしりと重たい本だ。「私は旅や探検が嫌いだ」という紀行文としてはいささか異様な書き出しは象徴的である。「文明によって乱された海の静寂は、もう永久に取り戻されることはない」という幻滅、「人類の顔に投げつけられた我々の汚物」を目の当たりにする嫌悪、そして何より自らがその幻滅や嫌悪の元凶である西洋文明の一員であることから逃れられないという自己矛盾。旅がもたらすこのような痛ましくもある著者の内省が本書をどうしようもなく重たいものにし、それが読む者の胸に突きささる。 もちろん本書には未開社会への哀惜や西洋文明への批判に尽きない様々な顔がある。自伝的回顧に始まり、構造主義の生い立ちとエッセンス、著者の数少ないフィールドワーク、イスラムやインドを含めた比較文明論、良質の紀行文学等々、読者の興味によっていろんな読み方ができる。著者の愛したプルーストの文章を彷彿とさせる「日没」のきらめくような描写には眩暈すら覚える。しかし抽象度が高く極めて洗練されたその文体は寝転んで気軽に読める旅行記とはわけが違う。構造主義入門のつもりで本書を手にした読者も途方に暮れるに違いない。 本書の中で著者自身が言及しているように、構造主義がマルクス、フロイト、ソシュールからヒントを得ていることは確かだが、しばしば誤解されるように〈上部構造と下部構造〉〈意識と無意識〉〈パロールとラング〉といった二元論を前提に両者の決定論的な関係を考えているわけではない。そうした誤解は構造主義が人間をあたかも構造の操り人形と看做すものだという批判を招き、それがポスト構造主義の流れにもつながるのだが、少なくともレヴィ=ストロースに関する限り、その構造概念はもっと控えめなものだ。彼のトーテムや神話分析に見られるように、それは諸要素間の差異に基づく分類体系であり、世界解釈のコードとでも言うべきものだ。そうした分類体系は差異にのみ基づくものであるが故に、別の分類体系に変換可能であり、したがって様々な社会に観察される構造の間に優劣はない。未開人は未開人なりの合理的な「知の体系」を持っているということだ。 以上はレヴィ=ストロースの別の著作(『野生の思考』『構造・神話・労働』)やその解説書(小田亮『レヴィ=ストロース入門』)から学んだことを評者なりに再構成したものだが、こうした構造主義の基本的な考え方をある程度理解して臨めば本書の味わいも増すだろう。

Posted byブクログ

2023/01/20

「世界は人間なしに始まったし、人間なしで終わるだろう」 熱烈に追い求め苦労して手に入れたもの。 また、ただただそこにあるもの。 色々考えさせられる本です。 あと最後の一文がいい。

Posted byブクログ

2023/01/13

もっとブラジルの現地の人の生活の詳細が記載されているかと思ったがそれほどではなかった。都市あるいは地域ごとに人々の説明がある。

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2022/11/01

教養を高める書物。 期待して読み進めていたが、訳の都合も大いにあるんだろうが、読みにくい。文中に注釈的な説明文が多用されており、スムーズに読み進めにくい。 この本はどういうジャンルなのだろうか。 哲学の要素も強い。 文化人類学というよりも、同定学だろうか。 読み進みやすい章も...

教養を高める書物。 期待して読み進めていたが、訳の都合も大いにあるんだろうが、読みにくい。文中に注釈的な説明文が多用されており、スムーズに読み進めにくい。 この本はどういうジャンルなのだろうか。 哲学の要素も強い。 文化人類学というよりも、同定学だろうか。 読み進みやすい章もあれば、頭を文字でいっぱいになり絡まるような感覚を覚える章もある。 これは時間を置いて、再読必須。

Posted byブクログ

2022/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

途中見慣れない言葉過ぎで挫折しそうになりましたが、序盤から筆者の感じ方を交えながら書いており、楽しんで読めました。 序盤の大学、政治などの話はどの時代も同じようなことはあるんだなと思いもしました。 世界経済の影響から逃れられない土着の文明、民俗学者として筆者が感じたことが、得たかったものを得られなかったインディアンの話と重なり、何とも言えない気持ちになりました。 この巻では現地文化については意外と後半しか出てこないので、次巻を楽しみにします。時代もあるのでしょうが、向かうまでで既に過酷なのは切に伝わってきます。

Posted byブクログ

2022/08/10

ブラジル奥地で暮らす原住民の記録。旅行記のようなもの。読んでいて面白いところもあれば、自分の理解力がないのか読みにくいところもある。下巻へ。

Posted byブクログ

2022/08/03

出口治明先生のおススメにあったので。 読みづらい~~がんばった…。 最初のほうは自伝(というか自慢)だしポエムも長い。人類学の考察に入ってからの方が断然おもしろい。 しかしえげつない冒険をしている…。

Posted byブクログ

2022/06/11

著者名、著者名、構造主義という断片的な知識だけはあった本書。他の方のレビューか何かで、紀行文のような雰囲気の説明がなされていたので意を決して読み始めました。二章途中までの感想です。 第一章「旅の終わり」という章題で私は著者の悲しみを感じずにはいられなかった。事実、本書は著者自身...

著者名、著者名、構造主義という断片的な知識だけはあった本書。他の方のレビューか何かで、紀行文のような雰囲気の説明がなされていたので意を決して読み始めました。二章途中までの感想です。 第一章「旅の終わり」という章題で私は著者の悲しみを感じずにはいられなかった。事実、本書は著者自身の過去の旅を綴った部分も多く(そうでない部分もあるにせよ)、「過去(終わった)の旅を書いた」という意味が込められたものと思いながら読み進めた。しかし、どちらかというとこの章題は「旅」がもはや(執筆当時においてさえ)、西洋文明によって単一化されてしまった後の、幻想上にしかない異界への、欺瞞に満ちたものになってしまっており、それは記録者である旅人も、それを物珍しさから待ち望む聴衆も同じなのであった…。 …と、読みづらく下手な文章で第一章の感想(粗筋)を書きました。上記ほどではないですが、本文はなかなか読みづらく、精読にあたっては受験国語の様相を呈します。とはいえ軽く読み流すのは勿体ないので、時間をかけながらゆっくり読みたいと思います。

Posted byブクログ