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実践経営哲学 の商品レビュー

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36件のお客様レビュー

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2020/05/13

まず経営者に必要な心得として最初に触れられるのは、「経営理念を確立する」ことです。風雪にも耐えうるその理念が会社にありさえすれば、なんとかなるという楽観主義でもあります。 少し脱線しますが(本書でも政治に関心を持つことが説かれていますので)、最近の政治の状況は、理念なき国家運営の...

まず経営者に必要な心得として最初に触れられるのは、「経営理念を確立する」ことです。風雪にも耐えうるその理念が会社にありさえすれば、なんとかなるという楽観主義でもあります。 少し脱線しますが(本書でも政治に関心を持つことが説かれていますので)、最近の政治の状況は、理念なき国家運営の如き有様に失望します。国家の基本理念とは何か?それは、国民の安全と幸せを国民から選ばれた政治家が政治を通じて確実に実現することであるはずです。ところが、官僚は出世や天下りや在職中の利権などに汲々とし、与党政治家は保身と忖度を恥じず、野党政治家は与党の揚げ足取りばかりと、そこには国民視点が皆無です、あるのは議員のコネがある陳情集団の利害目線くらい。最近の安倍内閣の特徴に、「誤りを素直に認めず謝罪しない」という癖がありますが、これなどは与党の間違いの揚げ足を執拗に取り、議員辞職や任命責任ばかりを問うてきた野党の国会質疑の問題でもあると気づくべきでしょう。また、そもそも政治家が一般国民よりも金銭的に恵まれるのは、国民のために粉骨砕身働くことが前提です。にもかかわらず、自身のパフォや党利党略のために活動する自己愛あふれる政治家ばかりでこの国は運営されています。少なくとも、そう見えてしまうことにもっと危機感を高めるべきですが・・ 本書にかえりますが、「利益は報酬であること、つまり適切な企業利益をあげて税金を払うことに社会的意義がある」という言葉を、税制の間隙をぬって莫大な収益を上げながらも税金を払わないような会社は率先して恥ずべきです。 また「失敗の原因は我にあり」という心構えの大切さも、経営者のみならず政権を運営する上での謙虚さという点では必要な徳目です。 さらに、特許やノウハウなど知的財産の考え方、労組との関係性なども示唆に富みます。 本書は、平易な文章でありながらも、経営者のみならずあらゆるリーダーにも敷衍できる内容の哲学書となっています。

Posted byブクログ

2019/09/11

元三井物産役員 佐伯基憲さん 課題図書 松下幸之助が素直で実直な人間であることが大変よくわかる本だった。「会社は何のために存在しているのか。この経営をどういう目的で、またどのようなやり方で行なっていくのか」当たり前のことであるが、何のためにやるのか意味や目的を明白にすることはそ...

元三井物産役員 佐伯基憲さん 課題図書 松下幸之助が素直で実直な人間であることが大変よくわかる本だった。「会社は何のために存在しているのか。この経営をどういう目的で、またどのようなやり方で行なっていくのか」当たり前のことであるが、何のためにやるのか意味や目的を明白にすることはその後、経営がうまくいっている時、うまくいっていない時、どちらも驕らず焦らずするべきことをすることができるという。これは人生にも置き換えられると述べている。 人生経営にもこの考え方はとても大切なことだと感じた。 また、印象的な言葉で、「芸術というものを一つの創造活動であると考えるならば、経営はまさしく創造活動そのものである」というように松下幸之助はビジネスとアートを掛け合わせたような考えをこの時代からすでに言ってることに驚いた。 経営理念は一定不変のものではない。 「〝日に新た〟でなくてはならない。この社会はあらゆる面で絶えず変化し、移り変わっていく。」 ミッションとビジョンは想いと社会の状況によって作り変えていくというような、ビジョンデザインのようなことについても触れている。 授業内で出てきた星野リゾートの経営についてもこのように初期のビジョンから今の時代に即したビジョンに変えていっていることと通ずるものがある。 この本は今でも時代感じさせない。

Posted byブクログ

2018/10/23

古い本ですが、現在でも十分通用すると思われる彼の哲学が学べます。さすがに偉人の言葉は、不朽。一例を挙げると、ダム経営。これはTOCで注目するボトルネックとほぼ同じで、やはりゴールドラットは、TOCを日本からぱくってます。

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2017/08/18

「経営理念が大事」ということが頭でわかっていても、いまいちピンと来ないことが多かったが、最近その種の問題に触れる機会がよくある。今は「最終的に立ち返るところ」みたいなイメージを持っています。でもそれを作るのも大変だけれども、共通認識を持つのはもっと大変だと思う。唱和すればいいわけ...

「経営理念が大事」ということが頭でわかっていても、いまいちピンと来ないことが多かったが、最近その種の問題に触れる機会がよくある。今は「最終的に立ち返るところ」みたいなイメージを持っています。でもそれを作るのも大変だけれども、共通認識を持つのはもっと大変だと思う。唱和すればいいわけでもないし、意識して黙々とやっていても浸透しているかわからない。実際に集団で迷って、どれだけ立ち返ったかは大きいかもしれない。

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2017/05/02

誰にでもわかる平易な言葉で書かれていて、非常に読みやすい本です。 書いてあることも、読めば納得のいいことばかり。 その分、「書かれていることを私たちの今のこの仕事に置き換えるとどうなる?」という段になると、解釈が分かれやすいだろうなと思います。 だからこそ、読んで終わりにしな...

誰にでもわかる平易な言葉で書かれていて、非常に読みやすい本です。 書いてあることも、読めば納得のいいことばかり。 その分、「書かれていることを私たちの今のこの仕事に置き換えるとどうなる?」という段になると、解釈が分かれやすいだろうなと思います。 だからこそ、読んで終わりにしないで、 読んだ人同士でどう仕事に生かすのか議論するために使うことに向いている本だと思います。 例えば自主経営についての以下の部分。 「経営のやり方というものは無限にあるが、その一つの心構えとして自力経営、自主経営ということがきわめて大切である。つまり、資金であるとか、技術の開発その他経営の各面にわたって、自力を中心としてやっていくということである。」 この「自主経営」の単位を、「自分が所属する会社」ととらえるのか、「関連するグループ会社全体」ととらえるのかによって、何を是とするのかが大きく変わってきます。 また、例えば「理念」と「方策」の区別について。 松下さん自身も折に触れて書いているとおり、時代や環境が変わって変わらない「理念」と、時代や環境によって変化させていくべき「方策」は、しっかり区別する必要があります。 一方、この本の中にも「理念」の部分と「方策」を例示した部分が混在していて、「これは理念です」「これは方策です」ということが本の中で明示的に書かれているわけではない。 だから、ある人が「これは理念だ」と思った部分を他の人が「方策だ」と思えば、そこでもまた具体的な行動が変わってきます。 そんなわけで、企業研修とかで使うにはうってつけの本何だろうなーと思います。 私の会社でも、みんなでこれ読んで仕事の話とかしてみたい^^

Posted byブクログ

2016/08/22

「衆知を集める」のは部下に仕事を任せることでも成り立つ。 「雨が降れば傘をさす」ことが当たり前にできない。 「ダム経営」のゆとりの適正値は経験でしか学べないのか? 「成功は運が良かった、失敗は自責」 「共存共栄に徹する」ことで、取引先とのwin-winの関係を築く。競争はお互い...

「衆知を集める」のは部下に仕事を任せることでも成り立つ。 「雨が降れば傘をさす」ことが当たり前にできない。 「ダム経営」のゆとりの適正値は経験でしか学べないのか? 「成功は運が良かった、失敗は自責」 「共存共栄に徹する」ことで、取引先とのwin-winの関係を築く。競争はお互いの発展のために良いが、過当競争は業界自体を疲弊させてしまう。 企業の目的は利益の追求ではなく、事業を通じて共同生活の向上を図ること。その使命を遂行するために利益は大切である。 適正な利益は企業事態だけでなく、社会全体、国民全体の福祉向上のために必要不可欠である

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2016/06/01

60年間のみずからの体験から 経営哲学について書かれている。 この間 沢山の経営に関する本を読んだが、あらためて 松下幸之助の すごさに 驚いた。 そして、よんだ後にのこった 心に残ったものが 実に爽やかで、素直な気持ちに なれた。 疲れて、よごれたこころに 清涼飲料水をのんだよ...

60年間のみずからの体験から 経営哲学について書かれている。 この間 沢山の経営に関する本を読んだが、あらためて 松下幸之助の すごさに 驚いた。 そして、よんだ後にのこった 心に残ったものが 実に爽やかで、素直な気持ちに なれた。 疲れて、よごれたこころに 清涼飲料水をのんだような。 人の可能性をしんじる 姿勢が すごいのだね。 製品 をつくるまえに 人をつくる。 そして、うまくいかない原因は 我にあり。 そこから、すべてを見る ということです。 利益に対する考え方も 筋が通り 会社が 社会の公器 として 存続することを あたりまえのように、さりげなく 書いている。 1978年に書かれている。 今から、40年ほど前とおもえぬ 新しさ。 経営哲学とは そういうものですね。

Posted byブクログ

2015/08/03

語りかけられているようで大変読みやすかった。 世間は正しいと考えること。 衆知を集めること。 素直な心になること。 全ての関係先との共存共栄を考えること。

Posted byブクログ

2013/03/14

言わずとも知れた経営の神様、松下幸之助の経営哲学をまとめた一冊。当たり前のことが多い一方で、幸之助の指す抽象的な言葉を自分なりに咀嚼して実践的に当てはめていくことの大切さを感じた。 ①使命を正しく認識すること(p36) 企業の目的は利益の追求にあるように思われるが、その根本は...

言わずとも知れた経営の神様、松下幸之助の経営哲学をまとめた一冊。当たり前のことが多い一方で、幸之助の指す抽象的な言葉を自分なりに咀嚼して実践的に当てはめていくことの大切さを感じた。 ①使命を正しく認識すること(p36) 企業の目的は利益の追求にあるように思われるが、その根本は事業を通じて共同生活の向上をはかることにある。利益はあくまでそのための“手段”であり、目的を見失ってはならない。 ②利益は報酬であること(p51) 利益は会社で使われるだけでなく、税金となって国民の福祉のために用いられる。このように、利益を稼ぐことは社会を良くすることにつながっている。 だが、赤字を出すことは社会に還元する役割を果たさなくなることになるため、許されることではない。(幸之助は社会に還元する役割を“義務”と言っている。)今の松下電器ことパナソニックの現状はここから言えば義務を果たしていない。 ③人をつくること(p114) パナソニックが製品の前に人をつくっているというのは良く知られた話。では、その育てる人とはどのような人なのか。幸之助は、人を育てることを「経営の分かる人、どんな小さな仕事でも経営的感覚をもってできる人」を育てることとしている。事業部制を考えついたのもこのためだ。組織が大きくなったとしても、全体を見て仕事ができる。そういう経営感覚を一人ひとりが身につけることが、今の会社には足りていないのかもしれない。

Posted byブクログ

2019/01/06

【内容】 「六十年の事業体験を通じて培い、実践してきた経営についての基本の考え方、いわゆる経営理念、経営哲学をまとめた」もの 「すべての顧客に安価な物資を大量に」という松下電器創業時の著者の哲学は、昨今の「顧客をターゲティングして収益率をアップし、事業内容を絞って経営効率を...

【内容】 「六十年の事業体験を通じて培い、実践してきた経営についての基本の考え方、いわゆる経営理念、経営哲学をまとめた」もの 「すべての顧客に安価な物資を大量に」という松下電器創業時の著者の哲学は、昨今の「顧客をターゲティングして収益率をアップし、事業内容を絞って経営効率を上げる」といった経営手法と相反する。 【ポイント】 23/自然の摂理とか真理におもいをめぐらし、 なにが正しいかという人生観、社会観、世界観にたった経営理念をもって、 それを基礎において、経営を行っていくことが大事。 30/経営というものは、人間が相寄って、人間の幸せのために行う活動。人間観。 41/企業の存在意義。事業を通じて共同生活の向上をはかるのが使命。   これを遂行していく上で利益が大切。 利益の追求が目的ではない。 53/120円の価値のある製品をいろいろ努力して、90円の原価で作り、100円で供給する。   その努力・奉仕に対する報酬が10円の利益としてはいる。 57/適正な利益をあげ、それを国家、社会に還元することが企業にとっての社会てきな義務   であり、赤字であれば、企業の社会的義務を果たしていないことを認識せよ。 61/売上げ利益率10%が適正利益。 83/成功は運のせいだが、失敗は自分のせいだ。 87/日頃から、失敗の原因はわれにありと考え、自らの経営を厳しく吟味しつつ、為すべきを為していく。 93/技術に関する特許やノウハウは、開発したところが独占すべきでなく、すべて適正な価格で公開すべき。 96/「ダム経営」設備のダム、資金のダム、人員のダム、技術のダム、製品開発のダム、   余裕、ゆとりをもった経営 10% 安定的発展を保証する保険のようなもの 112/専業に徹する→全ての分野が独立経営体として成果をあげる 117/人を作る→人を得たいと思うのであれば、みずからしっかりとした使命感、経営理念を持つ   人を育てる→どんな小さな仕事でも経営的な感覚を持ってできる人を育てること。   仕事は思い切って任せること。 126/日頃から、みなの声を聞き、従業員が自由にモノを言いやすい空気を作る 127/できるだけ仕事を任せて部下の自主性を生かすようにすることも、衆智を生かす一つ 134/労働組合:対立と調和は、一つの自然の理法であり、社会のあるべき姿。 137/労使は車の両輪。同じ大きさでないとまっすぐ進まない。 139/経営は一つの芸術である。 147/経営は、生きた総合芸術である。という価値を認識し、それに値するよう努力すべき 150/立派な経営理念があっても、実際に適用していく方針、やり方にそぐわないものがある。   「日に新た」という、その時々のふさわしい方策、方針が必要。 158/今日の経営者は、自分の事業に懸命にとりくむと同時に、政治に強い関心を持ち、   適切な要望をよせていかねばならない。 170/同じ経営理念でも、具体的なやり方は無限。自分には、自分の持ち味にあった一番のやり方があるはず。  

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