死体を買う男 の商品レビュー
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西崎和哉という無名の作家が「白骨鬼」という江戸川乱歩が主人公の小説を,作者が分からない小説として発表する。細身辰時というミステリ作家は,西崎に対し,「白骨鬼」を自分の名前で発表したいと告げる。西崎が首肯しないと,裏から手を回し,最終回に当たる第三回を雑誌に掲載させないという手段を取り,自分の名前で発表するように,西崎に迫るというストーリーの話。 作中作の「白骨鬼」は,江戸川乱歩がワトソン役で,萩原朔太郎が探偵役になっている。この作品は,江戸川乱歩好きなら楽しめるのかもしれないが,そういった加点要素がないと,全く楽しめないというレベルではないが,及第点以下の作品でしかない。 真相は,「白骨鬼」は,実際にあった事件をベースとして,西崎が登場人物を江戸川乱歩にしたという設定になっており,細身こそが,「白骨鬼」のモデルとなった事件の真犯人で,遺作として自分の犯罪を告白する形で発表したかったというものになっている。 意外性がないわけではないが,ミスディレクションとなるような仕掛けがないので,真相を聞いても「ふーん」としか思えないのが残念。材料は一流だが,うまく料理できていないという印象がある作品。シンプルでそれなりには楽しめる作品ではある。★3で。
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他の作品「葉桜の季節に君を想うということ」を娘からもらった時「あっこれパス」て思ったが仕方なく通。題名から甘いハーレクィーン物語を覚悟してたがご存知の通りの大傑作。以来この人の作品に注意してた。 アマゾンにて題名とキャッチコピーに惹かれて購入。 この人いったい何歳って思うくらい昭...
他の作品「葉桜の季節に君を想うということ」を娘からもらった時「あっこれパス」て思ったが仕方なく通。題名から甘いハーレクィーン物語を覚悟してたがご存知の通りの大傑作。以来この人の作品に注意してた。 アマゾンにて題名とキャッチコピーに惹かれて購入。 この人いったい何歳って思うくらい昭和20年代生まれの感覚にストライク。 「フランスへ行きたしと思えどフランスはあまりに遠し・・」の詩と朔太郎とをリンク出来るのは我々迄くらいと思ってたが、さにあらず。 うま~く朔太郎の詩とこの作品を内容に混ぜ合わせてる。私は国語2なのになぜか朔太郎だけは好きったので、作品のキャストに登場させてくれたのもウレシイ。又登場させる必然性も大いに納得。 年令から逆算して戦前の大衆文学に興味をもたれたのは12歳くらいでは。 っていうのが私の中学高校時代に戦前大衆文学のプチブームがあってイロイロ再出版されてた。 私も、乱歩含めてその他「新青年」作品等にドップリと浸れた時代です。 乱歩、新青年作品数編、月に吠えるの3つを読んだ事がある人にはたまらないノスタルジーを感じる。 読まれて無い人でも一級のミステりーとして満足できる。
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江戸川乱歩の未発表作と言われる”白骨記”に書かれている女装学生の首つり事件。。。なんとも怪しい事件ですが、この事件の背後にはドロドロとした人間関係が。白骨記内のノスタルジックな描写や休筆中作家・細見のキャラクター、ありきたりだけどちょっと捻ったトリック等、結構おすすめの作品です。
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構成にこだわったミステリー。アナグラム。 約5年ぶりの再読。前回よりも楽しめた。 タイトルいいですね。 死体を買ったのは誰?死体とは誰?(何?) 派手さはないが、細部まで楽しめる。
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歌野氏の本を読むのはこれが初。 江戸川乱歩と萩原朔太郎が探偵するときいて両氏が大好きな私はもうそれだけで飛びついた。 え?真相もしかしてこれかな…簡単すぎない?と油断してたら二転三転あったので良かった。 まさに私は「表面を見ただけで、したり顔で結論を出してしまった。」ということだったんだなぁ。 作中作の『白骨鬼』は乱歩を意識してるんだろうけどそこまで文体が似てるわけではないなぁと思った。 まぁ『屋根裏の散歩者』『白髪鬼』など乱歩好きにはたまらない題ばかりでわくわくはしたけども。 私は乱歩と朔太郎が出てるだけで面白かったからいいけど、両氏、特に乱歩の作品を読んでないとわからないネタとかもあるので二人をよく知らない人が読んだらと考えるとミステリ的にはそこまで目新しいこともなく★3といったあたりかな。
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この人を作品を読んだのは「長い家の殺人」以来。江戸川乱歩のオマージュかと思ったが、そんな雰囲気でもない。ミステリーとしてそれなりに面白いけれど、あっと思わせるほどの凄さはないように思う。
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前半はだいぶつまらなかった。死んだと見せかけて生きてるとか双子の入れ替わりとか予測できちゃうよと思いながら読んでたけど最後にどんでん返し。そしてさらに大どんでん返し。 終わってみたらなかなか面白かった。 ----内容紹介---- 乱歩の未発表作品が発見された!?『白骨記』というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ―南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。男は、毎夜月を見て泣いていたという。乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。奇想の歌野ワールド。
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歌野さんは以前読んだ本がわりと好きなので読んでみましたが、今回は読んだ組み合わせが悪かったのか、あまり印象に残りませんでした。 芥川龍之介と萩原朔太郎が探偵役?のレトロな雰囲気漂う物語でした。 トリックも良かったのでほかのときに読めば「すごい!」って思ったかもしれません。
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40年前のミステリー小説と現代の作家が リンクする2重の物語。 途中で繋がっている風が面白い。 もう少し比重が現代にあったらよかったと思う。
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面白かった。 歌野晶午は「葉桜の季節に君を想うということ」しか読んだことがなく、そしてそれはあまり私の琴線には触れなかったのだが、本作はかなり刺さった。 「どんでん返し」の強さはさほどでもないけど、面白い。 タイトルの意味は自分なりに解釈したものの…「ああああ!!!」みたいな衝撃...
面白かった。 歌野晶午は「葉桜の季節に君を想うということ」しか読んだことがなく、そしてそれはあまり私の琴線には触れなかったのだが、本作はかなり刺さった。 「どんでん返し」の強さはさほどでもないけど、面白い。 タイトルの意味は自分なりに解釈したものの…「ああああ!!!」みたいな衝撃が欲しかったなというのが本音。 ただ、作品内容はとても面白く、一日で読み切ってしまった。
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